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(平16.5.31裁決、裁決事例集No.67 115頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1)事案の概要

 本件は、二次相続税に係る取得財産の価額から控除する債務に、一次相続税に係る保証債務が含まれるか否かを主たる争点とする事案である。

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(2)審査請求に至る経緯

イ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、平成10年8月27日(以下「一次相続開始日」という。)に死亡したD(以下「被相続人D」という。)の共同相続人のうちの1人であるが、請求人に係るこの相続の相続税(以下「一次相続税」という。)についての経緯は、別表1の「請求人」欄のとおりである。
ロ 請求人は、平成11年5月10日(以下「本件二次相続開始日」という。)に死亡したE(以下「被相続人E」という。)の共同相続人のうちの1人であるが、この相続に係る相続税(以下「本件二次相続税」という。)の申告書(以下「本件申告書」という。)に別表2の「請求人」の「申告」欄のとおり記載して、法定申告期限までに申告した。
ハ 原処分庁は、本件二次相続税について、原処分庁所属の調査担当職員の調査に基づき、請求人に対し、平成15年3月6日付で別表2の「請求人」の「更正処分等」欄のとおりの更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」という。)をした。
ニ 請求人は、この処分に不服があるとして、平成15年5月1日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、同年7月31日付で棄却の異議決定をした。
ホ 請求人は、異議決定を経た後の原処分に不服があるとして、平成15年8月25日に審査請求をした。

(3)関係法令

イ 国税通則法(以下「通則法」という。)第102条《裁決の拘束力》第1項は、裁決は、関係行政庁を拘束する旨規定している。
ロ 相続税法第13条《債務控除》第1項は、相続により財産を取得した者が同法第1条《相続税の納税義務者》第1号に規定する当該財産を取得した時において、この法律の施行地に住所を有する者である場合においては、当該相続により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの及び被相続人に係る葬式費用の金額のうち、その者の負担に属する部分の金額を控除した金額による旨規定している。

(4)基礎事実

 以下の事実は、請求人及び原処分庁の双方に争いがなく、当審判所の調査の結果によっても、その事実が認められる。
イ 被相続人Dの共同相続人は、請求人(当該被相続人の次女)、F(同養子)(以下、請求人と併せて「請求人ら」という。)、被相続人E(同妻)及びG(同長女)の4人であるが、F及び被相続人Eに係る一次相続税の経緯は、別表1の「F」及び「E」欄のとおりである。
ロ 被相続人Eの共同相続人は、請求人ら及びGであるが、Fに係る本件二次相続税の経緯は、別表2の「F」欄のとおりであり、Gは、当該被相続人の財産、債務及び葬式費用を相続しておらず、本件二次相続税の申告書を提出していない。
ハ 請求人らは、一次相続税に係る相続財産の価額から控除する債務等の金額のうち、被相続人Dが負担すべき保証債務(以下「本件保証債務」という。)の額の多寡について、当審判所に一次相続税に係る平成12年10月16日付の更正処分についての審査請求をしたところ、当審判所は、次の各事実関係に基づき、〔1〕本件保証債務の計算の基礎となる被相続人Dが連帯保証又は物上保証している各借入金(以下「本件各借入金」という。)の額を別表3の「借入金」欄の合計額から同表の順号〔11〕の借入金を除く817,950,918円(未払利息を含む。)と、また、〔2〕本件保証債務の額を651,689,239円と認定して、別表1の「裁決」欄のとおりの裁決(以下「一次裁決」という。)をした。
(イ)本件各借入金は、債務者をH株式会社(以下「H社」という。)とする別表3の「借入金」欄のとおりの各借入金であり、被相続人Dが連帯保証人又は物上保証人となっていた。
(ロ)H社は、一次相続開始日において債務超過の状態にあり、本件各借入金について弁済不能の状態にあった。
(ハ)本件各借入金に係る連帯保証人である被相続人D、J、G、K、L及びM株式会社(以下、これらの連帯保証人を併せて「各連帯保証人」といい、各連帯保証人の保証内容は、別表3の「保証の内容」欄のとおりである。)は、H社が、上記(ロ)のとおり弁済不能の状態にあったため、本件各借入金を弁済しなければならないところ、本件各借入金の弁済を履行したとしても、同社に対して求償して返還を受ける見込みがなかった。
(ニ)請求人らが、平成12年12月12日に、一次相続税に係る異議申立書に添付して異議審理庁に提出した確認書と題する書面(以下「本件確認書」という。)には、「H社の本件各借入金について、被相続人Dの相続人は、その取得した相続財産の受益を基準とし、Gは3%、被相続人Eは50%、請求人らはその差額分47%を負担する」旨記載があり、請求人ら及びGの署名捺印があるが、作成日等の日付はない。
(ホ)請求人らが、平成13年12月11日に、一次相続税に係る審査請求において当審判所に提出した「答弁書に対する主張の撤回並びに新たな主張の追加」と題する書面(以下「主張の撤回書面」という。)には、要旨次のとおり記載がある。
A 本件保証債務の弁済の推移を具体的にみると、被相続人Eに係る相続により取得した不動産については、主債務者としての銀行担保が設定されており、事実上、任意売却しても本件保証債務に充当することが不可能な状態にあり、さらに、Gについては、処分すべき資産もなく、本件確認書の内容を履行することは、事実上、不可能な状態にあった。
B このため、請求人らが、被相続人Dからの相続財産を売却し、本件保証債務の弁済を行ったもので、両名が実質上の本件保証債務の総額の負担者であり、求償権についても被相続人Eは死亡しており、その相続財産は請求人らが相続したので、Gは一切の相続権を実質上放棄している。
C 以上のとおり、従来の主張に係る確認事項等は、事実上効力を生じなくなったので、本件保証債務は、請求人らの責任において代位弁済されたものであるから、請求人らからそれぞれ2分の1ずつ債務控除されるべきものである。
ニ 一次裁決後、原処分庁は、請求人らの一次相続税について、〔1〕上記ハの本件各借入金の額に別表3の順号〔11〕の借入金を加えた822,950,918円(未払利息を含む。)を本件各借入金の額とした上、本件保証債務の額を656,689,239円と、また、〔2〕この金額の実際の負担者が請求人らであると認定して、別表1の「再更正処分」欄のとおりの減額の各再更正処分をした。
ホ 請求人は、本件二次相続税に係る債務等の金額について、別表2の「申告」の「債務等の金額」欄のとおり、本件保証債務の金額を197,968,202円と、また、債務等の金額を○○○○円として本件申告書に記載している。
ヘ 原処分庁は、本件二次相続税に係る請求人の債務等の金額について、別表2の「更正処分等」の「債務等の金額」欄のとおり、上記ホの本件申告書に記載した債務等の金額から、本件保証債務の金額を差引き、別表4の借入金に基づき算出した債務を加えた○○○○円として本件更正処分をした。

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2 主張

(1)請求人

 原処分は、次の理由により違法であるから、その全部の取消しを求める。
イ 本件は、本件更正処分の前提となる一次相続税について、原処分庁が、被相続人Eが承継した本件保証債務はないものとして、請求人らに対し、一次裁決の内容を大幅に上回る減額の再更正処分を行ったことに基因するものである。
 すなわち、一次裁決は、本件保証債務について、一次相続税に係る共同相続人間で負担について取決めがされていない場合には、その法定相続分に基づいて負担すべきと判断したにもかかわらず、原処分庁は、請求人らが行った本件保証債務の実際の弁済を基に、請求人らが負担すべき本件保証債務の金額を認定し、減額の再更正処分をしたものである。
 これは、原処分庁が、一次裁決の内容を覆して一次相続税に係る減額の再更正処分及び本件更正処分を行ったものであり、裁決の拘束力を埒外とした判断であり、違法な処分である。
ロ 本件保証債務については、一次相続税に係る共同相続人各人に確認の上、作成された本件確認書が存在する。そして、本件確認書は作成までの間、当事者の話合いが数次にわたっているので、敢えて日付を省略しているものであるが、これをもって証拠力がない、あるいは、このような話合いはもたれなかったなどとして行った本件更正処分は違法である。
 本件においては、最終的に一次相続税に係る共同相続人間で本件保証債務の分割を決めた数学的な割合を示した本件確認書こそ、遺産分割の最終的、かつ確定的行為として認識されるべきであり、本件保証債務について、被相続人Eは、その2分の1の負担を負っている。
 したがって、本件二次相続税においては、本件保証債務の2分の1を被相続人Eが被相続人Dから承継した保証債務とし、その各2分の1を請求人らが承継した保証債務としてそれぞれ控除すべきである。
 なお、本件においては、主張の撤回書面は取り消し、上記のとおり、本件保証債務の負担割合は、本件確認書によるべきである旨を主張する。
ハ 原処分庁が本件更正処分において本件保証債務以外で新たに負担すべき債務(別表4の借入金に基づき算出した保証債務)と認定したことについては、争わない。

(2)原処分庁

 原処分は、次の理由により適法であるから、本件審査請求を棄却するとの裁決を求める。
イ 裁決の拘束力は、裁決で違法とされた同一の理由なり資料に基づいて同一人に同一の行為をすることを禁止しているに過ぎず、裁決で排斥された原処分の根拠以外の個別の理由があるときは、当該裁決にかかわらず、別個の理由に基づいて再更正処分(減額更正処分を含む。)をすることができると解されているところ、本件の場合、一次裁決によって一部取り消された理由は、本件各借入金の金額の認定及び各連帯保証人の一次相続開始日における純資産額の認定であり、それ以外の理由、つまり本件保証債務の一次相続税に係る共同相続人間の負担割合を根拠として行った減額の再更正処分は違法とはなり得ず、しかも、本件更正処分は、本件二次相続税に係る処分であり、一次裁決の基となる一次相続税に係る処分ではないので、違法な処分とはならない。
 したがって、請求人の主張には理由がない。
ロ 請求人は、本件保証債務については、一次相続税に係る共同相続人間で自由な意思に基づき本件確認書が作成されているにもかかわらず、それを否定し行われた本件更正処分は、違法である旨主張する。
 しかしながら、請求人の主張する本件保証債務の負担割合の決定が、本件確認書に記載された内容を意味するものであれば、一次裁決に係る審査請求時に一次相続税に係る請求人ら以外の相続人の資産・資力の状況から本件確認書の内容を履行することは事実上不可能な状態にあり、主張の撤回書面により効力を生じなくなった旨請求人らも自認していること、並びに請求人らの責任で代位弁済したものであり、請求人らから2分の1ずつ債務控除すべき旨主張していたことからすれば、請求人が主張するところの割合について、一次相続税に係る共同相続人間の本件保証債務の承継に係る合意、あるいは決定がされたとは認められず、その者の負担に属する金額が確定しているとも認められない。
 また、その余においても一次相続税に係る共同相続人間で本件保証債務の承継に係る合意、あるいは決定がなされたとの事実も認められない以上、請求人の主張する本件確認書に基づいた割合によって本件二次相続税において本件保証債務の額を計算することはできない。
 したがって、請求人の主張には理由がない。
ハ 以上述べたとおり、請求人の主張にはいずれも理由がなく、本件二次相続税に係る請求人の納付すべき税額は、144,685,700円となるから、この金額と同額で行った本件更正処分は適法である。

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3 判断

 本件は、被相続人Eが一次相続税に係る本件保証債務を承継したものか否かに争いがあるので、以下審理する。

(1)本件更正処分について

イ 認定事実
 原処分関係資料、請求人提出資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ)一次相続税に係る再更正処分は、〔1〕本件保証債務の金額に係る追加認定及び〔2〕本件保証債務の金額に係る共同相続人間の負担額を実際の弁済額とする事実認定に基づき、再更正処分を行ったものと認められる。
(ロ)一次相続開始日後における請求人らの本件各借入金の弁済状況は、別表5のとおりであり、その弁済の原資は、別表6のとおり、請求人らが被相続人Dから相続により各2分の1の割合で取得した土地の譲渡代金であり、また、請求人らは、当該弁済後に他の共同相続人から本件各借入金に係る負担額に相当する金額を受領している事実は認められない。
(ハ)被相続人Eが被相続人Dに係る相続により取得した土地には、別表7のとおりの抵当権が設定されており、被相続人Eからの相続により請求人らが取得している。
(ニ)請求人らがGあての平成13年2月7日付の「債権放棄通知書」と題する書面(以下「本件通知書」という。)には、要旨次のとおり記載がある。
A 被相続人Dが保証していたH社に係る本件各借入金は、すべての債務の履行を完了した。
B 本件保証債務の履行の割合については、一次相続税に係る共同相続人各自の取得財産及び債務を基とすることに同意したが、その履行後、その法定相続分に対応する請求権に基づいて分担の変更が発生する余地があるとする懸念を払拭するため、本来、求償債権を行使する意思はないが、さらにじ後、この債権を放棄する。
(ホ)請求人らは、〔1〕一次相続税の平成12年3月9日の更正の請求及びその異議申立てにおいて、本件確認書により本件各借入金を請求人らが47%、被相続人Eが50%及びGが3%負担すると主張し、〔2〕一次相続税に係る審査請求において、主張の撤回書面により請求人らが本件各借入金の各2分の1を負担すると主張し、また、〔3〕本件審査請求において、主張の撤回書面を取消し、本件確認書の記載内容のとおり本件各借入金を負担する旨主張していることから、一次相続税に係る共同相続人の本件各借入金の負担割合についての主張は、一貫していないことが認められる。
ロ 法令の解釈
(イ)通則法第102条は、上記1の(3)のイのとおり規定しているところ、同条第1項に規定する拘束力は、取消し又は変更の裁決の実効性を保障するために認められるものであるから、その効力は、裁決の主文及び主文と不可分一体をなす理由について生ずるものであり、裁決で排斥された原処分の根拠以外の別個の理由があるときは、原処分庁は、当該裁決にかかわらず、当該別個の理由に基づいて再更正処分をすることができるものと解される。
(ロ)相続税法第13条は、上記1の(3)のロのとおり規定しているところ、同条第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」とは、相続によって財産を取得した者が実際に負担する金額をいうが、この場合において、これらの者の実際に負担する金額が確定していないときは民法第900条から同法第902条までの規定による相続分又は包括遺贈の割合に応じて負担する金額をいうものと解される。
ハ 一次裁決の拘束力について
(イ)請求人は、一次裁決において、本件保証債務を一次相続税に係る共同相続人間で負担の取決めがされていない場合には、その法定相続分に基づいて負担すべきと判断したにもかかわらず、原処分庁は、それによらず、実質弁済を基に負担額の認定を行ったものであるから、一次相続税に係る再更正処分及び本件更正処分は、裁決の拘束力を埒外とした違法な処分である旨主張する。
(ロ)しかしながら、当審判所は、一次相続税に係る平成12年10月16日付の更正処分の適否を判断した一次裁決において、原処分庁における本件保証債務の額の認定誤りのほか、一次相続税に係る共同相続人間で本件保証債務の負担額が確定していないとして、その法定相続分に基づいて本件保証債務を負担すべきと判断し、当該更正処分の一部を取り消す裁決をしたものであるところ、原処分庁は、一次裁決後において、〔1〕別表3の順号〔11〕の借入金を本件保証債務の金額に追加認定し、〔2〕本件保証債務の金額に係る一次相続税に係る共同相続人間の負担額は、実際の弁済額により確定したとする事実認定に基づき一次相続税に係る再更正処分を行ったものと認められ、これらのことは、上記ロの(イ)に記載した「裁決で排斥された原処分の根拠以外の別個の理由があるとき」に該当し、当該再更正処分は、一次裁決における一部取消し理由と同じ理由で行ったものではないから、一次相続税に係る再更正処分は違法な処分ではない。
 また、一次相続税と本件二次相続税とは、相次いで発生したものであり、財産及び債務等の内容も関連し合うことから、一次相続税に係る再更正処分と本件更正処分とは無関係のものではないが、当該再更正処分が上記のとおり違法な処分でなく、また、本件更正処分は、本件二次相続税に係る別個の処分であることは明らかであるから、本件更正処分は違法ではない。
 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。
ニ 本件保証債務の負担割合について
(イ)請求人は、本件保証債務の一次相続税に係る共同相続人間の負担割合について、本件確認書が存在するから、これに基づかない本件更正処分は違法である旨主張する。
(ロ)しかしながら、一次相続税に係る共同相続人の本件保証債務の負担割合についての主張は、一次相続税に係る更正の請求以降、一貫しておらず、本件確認書が存在するとしても、〔1〕請求人らは、Gに対し本件通知書により「本来、求償債権を行使する意思はなく、これを放棄する」旨を通知し、本件保証債務の負担を求めていないこと、〔2〕被相続人Eは、本件保証債務の弁済を一切行っていないこと、〔3〕被相続人Eが相続した土地は、譲渡されず請求人らが相続していること、〔4〕請求人らは、本件保証債務に係る抵当権が設定されている土地をそれぞれ相続し、本件二次相続開始日前からこれらを譲渡し、本件保証債務の弁済をしていること、並びに〔5〕請求人らは、当該弁済に伴い他の共同相続人から本件保証債務の負担額に相当する金額を受領している事実がないことからすると、一次相続税に係る共同相続人は、本件確認書の記載内容に基づいた本件保証債務を弁済しておらず、請求人らが本件保証債務を弁済し、かつ、他の共同相続人にその負担を求めていないのであるから、本件保証債務は、それぞれ2分の1の割合でもって請求人らの負担に属する債務と認めることが相当である。
 したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。
ホ 以上のとおり、請求人の主張にはいずれも理由がなく、被相続人Eは一次相続税に係る本件保証債務を負担した事実がないのであるから、本件二次相続税に係る本件保証債務の額は零円となるので、請求人の本件二次相続税に係る債務等の金額は、本件申告書に係る債務等の金額○○○○円から本件保証債務の額197,968,202円を差引き、請求人及び原処分庁に争いがない別表4の借入金に基づき算出した債務1,830,513円を加えた額○○○○円となる。これに基づき請求人に係る本件二次相続税の納付すべき税額を算出すると144,685,700円となり、この金額は本件更正処分の額と同額であるから、本件更正処分は適法である。

(2)本件賦課決定処分について

 上記のとおり、本件更正処分は適法であり、また、本件更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由があるとは認められないから、同条第1項の規定に基づいてされた本件賦課決定処分は適法である。

(3)その他

 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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