別紙1

関係法令等の要旨

1 相続税法
 相続税法第22条《評価の原則》は、同法に特別の定めのあるものを除き、相続又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。
2 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。ただし、平成17年5月17日付課評2−5による改正前のものをいい、以下「評価基本通達」という。)
(1) 評価基本通達1《評価の原則》の(2)は、時価の意義について、財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による旨定めている。
(2) 評価基本通達6《この通達の定めにより難い場合の評価》は、この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する旨定めている。
(3) 評価基本通達178《取引相場のない株式の評価上の区分》は、取引相場のない株式の価額は、評価しようとするその株式の発行会社(以下「評価会社」という。)が、その従業員数、総資産価額及び直前期末以前1年間における取引金額に基づき、大会社、中会社又は小会社のいずれに該当するかに応じて、同通達179《取引相場のない株式の評価の原則》によって評価する旨定め、ただし、同族株主以外の株主等が取得した株式又は特定の評価会社の株式の価額は、それぞれ同通達188《同族株主以外の株主等が取得した株式》又は189《特定の評価会社の株式》の定めによって評価する旨定めている。
 また、従業員数が100人以上の会社は大会社に該当する旨、中会社は、従業員数が100人未満の会社(大会社に該当する場合を除く。)で、卸売業、小売・サービス業以外の業種の場合、帳簿価額によって計算した総資産価額が5,000万円以上である会社(従業員数が5人以下の会社を除く。)又は直前期末以前1年間における取引金額が8,000万円以上20億円未満である会社をいう旨定めている。
(4) 評価基本通達179は、同通達178により区分された大会社、中会社及び小会社の株式の価額はそれぞれ次による旨定めている。
イ 大会社
 大会社の株式の価額は、類似業種比準価額によって評価する(以下、類似業種比準価額により評価する方式を「類似業種比準方式」という。)。ただし、納税義務者の選択により、1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価することができる(以下、1株当たりの純資産価額により評価する方式を「純資産価額方式」という。)。
ロ 中会社
 中会社の株式の価額は、次の算式(類似業種比準方式及び純資産価額方式との併用方式をいい、以下「併用方式」という。)によって評価する。ただし、納税者の選択により、純資産価額方式によって評価することができる。
(算式)
 類似業種比準価額×L(注1)+1株当たりの純資産価額(注2)×(1−L)

注1 評価会社の帳簿価額によって計算した総資産価額及び従業員数又は直前期末以前1年間における取引金額に応じて、0.90、0.75又は0.60のいずれかの割合とする。

注2 相続税評価額によって計算した金額である。

ハ 小会社の株式は、原則として1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価する。
(5) 評価基本通達185《純資産価額》は、同通達179の「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」については、課税時期における各資産を同通達に定めるところにより評価した価額の合計額から課税時期における各負債の金額の合計額及び同通達186−2《評価差額に対する法人税額等に相当する金額》により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額(以下「法人税額等相当額」という。)を控除した金額を課税時期における発行済株式数で除して計算した金額とする旨定めている。
(6) 評価基本通達189は、同通達178の「特定の評価会社の株式」とは、評価会社の資産の保有状況、営業の状態等に応じて定めた評価会社の株式をいう旨定め、同通達189の(2)は、株式保有特定会社の株式は、課税時期において評価会社の有する各資産を同通達に定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式及び出資の価額の合計額の割合(以下「株式保有割合」という。)が25%以上(同通達178に定める中会社及び小会社については、50%以上)である評価会社(以下「株式保有特定会社」という。)の株式の価額は、同通達189−3《株式保有特定会社の株式の評価》の定めによる旨定めている。
(7) 評価基本通達189−3は、株式保有特定会社の株式の価額は、純資産価額方式によって評価する旨定め、同通達ただし書は、納税義務者の選択により次の「S1の金額」と「S2の金額」との合計額(以下、S1の金額とS2の金額の合計額により評価する方式を「S1+S2方式」という。)によって評価することができる旨定めている。
イ S1の金額
 S1の金額は、株式保有特定会社の株式の価額を評価基本通達178の本文、同通達179から同通達184《類似業種比準価額の修正》まで、同通達185の本文、同通達186《純資産価額計算上の負債》及び同通達186−2の定めに準じて計算した金額とし、この場合において、同通達180《類似業種比準価額》に定める算式及び同通達185の本文に定める1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)は、それぞれ次による。
(イ) 評価基本通達180に定める算式は、次の算式による。
評価基本通達180に定める算式
「A」=類似業種の株価
B」=評価会社の直前期末における1株当たりの配当金額
C」=評価会社の直前期末以前1年間における1株当たりの利益金額
D」=評価会社の直前期末における1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
「B」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額
「C」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額
「D」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
b」=B×受取配当金収受割合(※)
c」=C×受取配当金収受割合(※)
d」=12Dを限度とする。)
1の説明式、2の説明式
 ※ 受取配当金収受割合
受取配当金収受割合の説明式
(ロ) 上記(イ)の算式中の「0.7」は、評価基本通達178に定める中会社の株式を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社の株式を評価する場合には「0.5」とする。
ロ S2の金額
 S2の金額は、評価基本通達189の(2)の「株式等の価額の合計額(相続税評価額によって計算した金額)」からその計算の基とした株式等の帳簿価額の合計額を控除した場合において残額があるときは、当該株式等の価額の合計額(相続税評価額によって計算した金額)から当該残額に同通達186−2に定める割合を乗じて計算した金額を控除し、当該控除後の金額を課税時期における株式保有特定会社の発行済株式数で除して計算した金額とする。
3 国税通則法
 国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項は、修正申告書の提出又は更正によって納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちに修正申告又は更正の前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には、同条第1項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、過少申告加算税を課する旨規定している。

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