別紙2

1 取引相場のない株式の発行会社が相互に株式を持ち合っている場合の例及び評価の考え方については、次のとおりである。
 取引相場のない株式の発行会社が相互に株式を持ち合っている場合には、例えばA社とB社がそれぞれ下記図のような関係にあることから、純資産価額方式による株式の価額の評価に当たり、それぞれの株式の評価額が相互に連鎖することとなるため、その調整を図る必要がある。
A社とB社の関係図
 A社及びB社の関係を数式に置き換えると次の1及び2のとおりである。
1 A社が所有するB社の株式の評価額(X)は、B社の純資産価額(b+Y)に持株割合(α)を乗じたものとなる。⇒X=α(b+Y)
2 B社が所有するA社の株式の評価額(Y)は、A社の純資産価額(a+X)に持株割合(β)を乗じたものとなる。⇒Y=β(a+X)
X=A社の所有するB社株式の相続税評価額
Y=B社の所有するA社株式の相続税評価額
α=B社の発行済み株数のうちA社が所有する株式数の割合
β=A社の発行済み株数のうちB社が所有する株式数の割合
a=A社について、B社株式を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合計額を控除した金額(A社のB社株式以外の純資産価額)
b=B社について、A社株式を除く各資産の相続税評価額の合計額から、各負債の金額の合計額を控除した金額(B社のA社株式以外の純資産価額)
2 具体的な計算
(1) A社株とB社株がともに純資産価額方式である場合
 X=α(b+Y)⇒]=α(b+βa)/(1−αβ)
 Y=β(a+X)⇒Y=β(a+αb)/(1−αβ)
(2) A社及びB社が、いずれも株式保有特定会社に該当し、A社株式及びB社株式の評価方式がS1+S2方式により算定する場合のA社が所有するB社株式の価額及びB社が所有するA社株式の価額を算定するとき

]=α(BS1+BS2)
=α(BS1+d+Y)
=α{BS1+d+β(AS1+c)}/(1−αβ)

Y=β(AS1+AS2)
=β(AS1+c+])
=β{AS1+c+α(BS1+d)}/(1−αβ)

c=A社のB社株式を除く株式のみの純資産価額
d=B社のA社株式を除く株式のみの純資産価額
AS1=A社のS1部分の相続税評価額(S1×A社の株式数)
BS1=B社のS1部分の相続税評価額(S1×B社の株式数)
AS2=A社のS2部分の相続税評価額(S2×A社の株式数)
BS2=B社のS2部分の相続税評価額(S2×B社の株式数)

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