総則

課税物件

  1. 課税物件(4件)

非揮発油と課税済みの揮発油とをブレンドした揮発油は新たな揮発油の製造になるとした事例

裁決事例集 No.8 - 41頁

 揮発油税法及び地方道路税法では、製造場から移出した段階で揮発油税が課税される建前となっており、課税済みの揮発油を原料に用いて新たな揮発油を製造し、当該揮発油をその製造場から移出した場合には、原料として使用された課税済みの揮発油とは別個の課税客体となるので、混和後の新たな揮発油の総体について、揮発油税が課税されるとした原処分は相当である。

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件輸入貨物は揮発油税の課税物件として取り扱わないこととされている軽質原油であるとの請求人の主張が排斥された事例

裁決事例集 No.57 - 543頁

 請求人は、本件各貨物は原油であり、揮発油に該当しないことに取り扱うこととされている軽質原油に当たるから、本件各貨物を課税物件として扱った本件揮発油税更正処分等は違法である旨主張する。
 しかしながら、原油に該当するか否かは、本件各貨物が天然の産品である原油としての性質を有しているか否かが判断の基準となるところ、サンプル分析の結果によれば、天然の産品である原油が有する特徴的な属性を有していない上、請求人は、産出油田名や引取り後の製造工程等について合理的な説明をしておらず、その信用性には疑問がある。本件各貨物が揮発油に該当することは争いないところ、上記のとおり、原油ではないから、揮発油に該当しないことに取り扱うこととされている軽質原油には当たらず、本件各更正処分は適法である。

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揮発油に揮発油以外の物を混和して揮発油とする行為は揮発油税法にいう製造に当たると判断した事例

裁決事例集 No.62 - 485頁

 請求人は、揮発油税法の規定からすると、単なる混和が製造に当たらないと主張するが、揮発油税法では、揮発油の製造に関し、同法第6条に製造とみなす場合について規定しているほかに明確な定義規定が設けられておらず、「製造」の定義については社会通念に照らして解釈する必要があるところ、社会通念による製造の概念は、材料又は原料に物理的操作を加え、又は化学的変化を与えることによって一つの物を造り出す行為をいい、この場合、材料又は原料が新品であるか中古品であるかを問わず、また、素材であるか製品であるかを問わないと解されているから、揮発油の製造について定義する揮発油税法基本通達第9条1項の定めは正当なものと認められる。
 したがって、揮発油に揮発油以外の物を混和して揮発油とする行為は揮発油の製造に、また、その混和を行う者は揮発油の製造者に該当することになり、当該製造者は、当該製造場から移出した揮発油について、揮発油税法等の規定するところにより、揮発油税等の納税義務者となる。

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請求人が経営するガソリンスタンドにおける灯油の混和されたガソリンの移出数量を各タンクの荷卸前後の在庫数量等を基に算出した原処分庁の算定方法には合理性があるとした事例

平成24年6月7日裁決

《ポイント》
 本事例は、原処分庁がデータ管理会社からの資料情報収集により把握したデータ上の販売数量が移出数量であるとして原処分を行ったが、審査請求において、当該データを証拠として提出せず、原処分における算定移出数量に替え、各タンクの荷卸前後の在庫数量等を基に算出した移出数量が正当であると主張をしたのに対し、その算定方法には合理性があるとしたものである。

《要旨》
 請求人は、原処分庁が算出した移出数量は、請求人の販売記録等に基づくものではなく、灯油成分が検出されたガソリンの検体購入時前後の荷卸間の在庫数量の開差数量を基に算出したものであり、請求人が経営する各給油所(本件各給油所)の間で行われたガソリンの融通の事情が反映されていないこと、及び荷卸前後の在庫数量の記録は信頼できるものでないことなどを理由に、原処分庁が算出した当該移出数量は信頼できるものではないので課税の根拠を欠く旨主張する。
 しかしながら、本件各給油所間でのガソリンの融通の事実は認められず、原処分庁が主張する移出数量を算出する上で基礎とした荷卸前後の在庫数量及び荷卸間の経過時間はいずれも信頼できるもので正確であると認められることから、原処分庁が主張する算定方法は合理的であり、これによって算出された移出数量をもって揮発油税等の課税標準の基となる移出数量と推認することができる。

《参照条文等》
 揮発油税法(平23法律第114号による改正前のもの)第3条第1項、第8条第1項、第26条

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