滞納処分に関する猶予、停止等

滞納処分の停止取消処分

  1. 滞納処分の停止取消処分(2件)

滞納処分の停止後に資力が回復した事実はないとの請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 No.76 - 618頁

 請求人は、H社からの給料の手取額から、F県での勤務のための新幹線代金やホテル代のほか、地方税の滞納分及び保証人としての代位弁済金を支払う必要があり、これらを支払った後の残額は国税徴収法第153条第1項第2号に規定する「滞納処分を執行することによって、その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」に該当する旨主張する。
 しかしながら、給与等に係る差押禁止額を超える部分を差し押さえる場合は、国税徴収法第153条第1項第2号に規定する「その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」に該当しないと解されるところ、請求人に対して支払われた給料等の額が給料等に係る差押禁止額を超えることは明らかであり、また、請求人が主張するような支出を給料等に係る差押禁止額の計算上考慮するとした規定もないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。

トップに戻る

国税徴収法第153条第1項各号に該当する事実がいずれも認められないことから、滞納処分の停止の取消処分は適法であると認めた事例(1滞納処分の停止取消処分、2債権の差押処分・12棄却・平成29年7月25日裁決)

平成29年7月25日裁決

《要旨》
 請求人は、原処分庁がした滞納処分の停止取消処分(本件停止取消処分)は、請求人には滞納処分の執行等をすることができる財産がなく、また、請求人の収入額は最低賃金にも満たないから、国税徴収法第153条《滞納処分の停止の要件等》第1項第1号及び同項第2号に該当する事実があるにもかかわらず行われた違法な処分である旨主張する。
 しかしながら、請求人は、本件停止取消処分時において供託金払渡請求権(本件払渡請求権)を有していたと認められ、本件払渡請求権は差押えの対象となる将来生ずべき債権であると認められる以上、請求人に国税徴収法第153条第1項第1号に該当する事実はない。また、請求人は、妻の扶養親族であるが、自らも就労して収入を得ており、請求人の属する世帯は、それなりの収入がある一方、定期的に多額の支出があるとは認められず、生活が窮迫しているとは認められないことを考慮すると、本件払渡請求権に対して滞納処分を執行したとしても、生活保護法の適用を受けなければ生活を維持できない程度の状態に直ちに陥ることはないと認められ、請求人に国税徴収法第153条第1項第2号に該当する事実もない。

《参照条文等》
 国税徴収法第153条、第154条、第76条

トップに戻る