(平22.4.22、裁決事例集No.79)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、不動産貸付業を営む審査請求人(以下「請求人」という。)の所得税並びに消費税及び地方消費税(以下、消費税と地方消費税とを併せて「消費税等」という。)の申告について、原処分庁が、接待交際費の計上に関し、偽りその他不正の行為及び隠ぺい又は仮装の行為があったとして、更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分(所得税については過去7年分)を行ったのに対し、請求人が、これらの行為はないなどとして、その全部の取消しを求めた事案である。

(2) 審査請求に至る経緯

イ 請求人は、平成13年分から平成19年分まで(以下、これらの年分を併せて「本件各年分」という。)の所得税について、青色の確定申告書に別表1の「確定申告」欄のとおり記載して、いずれも法定申告期限までに申告した。
 なお、請求人は、平成14年6月27日、別表1の「修正申告等」欄のとおり記載した平成13年分の修正申告書を提出した。
 また、請求人は、平成17年1月1日から同年12月31日まで、平成18年1月1日から同年12月31日まで及び平成19年1月1日から同年12月31日までの各課税期間(以下、順次、「平成17年課税期間」、「平成18年課税期間」及び「平成19年課税期間」といい、これらを併せて「本件各課税期間」という。)の消費税等について、確定申告書に別表2の「確定申告」欄のとおり記載して、いずれも法定申告期限までに申告した。
ロ 原処分庁は、平成21年3月13日付で、別表1の「更正処分等」欄のとおり、本件各年分の所得税の各更正処分(以下「本件所得税各更正処分」という。)並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分(以下「本件所得税各賦課決定処分」という。)をした。
ハ また、原処分庁は、平成21年3月13日付で、別表2の「更正処分等」欄のとおり、本件各課税期間の消費税等の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分をした。
ニ 請求人は、上記ロの各処分を不服として国税通則法(以下「通則法」という。)第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第4項第1号の規定により、平成21年5月8日に審査請求をした。
ホ また、請求人は、上記ハの各処分を不服として、平成21年5月8日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、上記ハの各処分に対する異議申立てについて、通則法第89条《合意によるみなす審査請求》第1項の規定により審査請求として取り扱うことが適当であると認め、同年8月5日付で請求人に同意を求めたところ、請求人は同日に同意したので、同日審査請求がされたものとみなされた。
ヘ そこで、これらの審査請求を併合して審理する。
 なお、原処分庁は、平成21年8月5日付で、別表2の「再更正処分等」欄のとおり、本件各課税期間の消費税等の各再更正処分及び過少申告加算税の各変更決定処分をした(以下、再更正処分後の本件各課税期間の消費税等の各更正処分を「本件消費税等各更正処分」といい、変更決定処分後の過少申告加算税の各賦課決定処分と重加算税の各賦課決定処分とを併せて「本件消費税等各賦課決定処分」という。)。

(3) 関係法令等

 別紙のとおり。

(4) 基礎事実

イ 請求人は、個人で不動産貸付業を営むとともに、不動産の賃貸、管理等を目的とするA社の代表者の地位にある者である。
 なお、請求人の母B(平成19年3月死亡。)も、生前、個人で不動産貸付業を営んでいた。
ロ 請求人の長男であるC(以下「長男C」という。)は、個人で不動産貸付業を営むとともに、A社の役員の地位にある者であり、平成10年ころから、請求人の不動産貸付業及びA社の事業に係る記帳事務を担当するとともに、母Bの不動産貸付業に係る記帳事務も担当していた。
ハ 請求人は、P市Q町○−○所在のビル(以下「Q町ビル」という。)及びR市S町○○番地所在の2階建店舗(以下「S町物件」という。)等を所有して(S町物件は長男Cと共有)、賃貸の用に供しており、Q町ビル及びS町物件等について、A社との間で、賃貸料等の請求及び受領、賃貸不動産の修理等に必要な工事の発注その他の行為等を委託する旨の不動産管理委託契約を締結していた。
ニ 請求人は、D社(以下「本件ゴルフクラブ」という。)の会員であり、平成13年から平成19年までの間に本件ゴルフクラブでプレーをした際のゴルフ代(請求人自身のプレー代のほか、同伴者のプレー代及び本件ゴルフクラブでの飲食代等を含む。)の一部について、総勘定元帳の「接待交際費」勘定に、別表3−1ないし別表3−7の「総勘定元帳」欄記載のとおり記帳し、当該記帳に基づき、本件各年分の不動産所得の必要経費及び本件各課税期間の消費税等の課税仕入れの額に算入し、別表1及び別表2の「確定申告」欄のとおり記載した納税申告書を提出した(以下、請求人が、本件各年分の不動産所得の金額の計算上必要経費等に算入した本件ゴルフクラブにおけるゴルフ代を「本件ゴルフ代」という。)。
ホ 原処分庁は、原処分庁所属の調査担当職員(以下「調査担当職員」という。)の調査(以下「本件調査」という。)に基づき、請求人が必要経費等に算入した本件ゴルフ代の一部について、必要経費等に当たらないことなどを理由として、原処分をした。
ヘ 本件所得税各更正処分に係る更正通知書(以下「本件各更正通知書」という。)には、いずれも更正の理由として、本件ゴルフ代に関し、要旨、次のとおり記載されている。
(イ) あなたは、D社に支払ったプレー代等を接待交際費として不動産所得の金額の計算上必要経費に算入しています。
(ロ) しかし、あなたがこのような接待を行った事実はなく、実際にゴルフプレーを行ったのは、あなたとあなたが個人的にレッスンを依頼した女子プロゴルファーであったと認められますから、当該プレー代等の金額は、所得税法第45条第1項第1号に規定する家事上の経費に該当し、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできません。

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2 争点

 本件の争点は、以下の4点である。
争点1 本件調査の手続が違法であったか(調査手続の適否)。
争点2 本件各更正通知書の更正の理由附記に不備があったか(更正の理由附記の適否)。
争点3 平成13年分から平成16年分までの所得税の申告について、偽りその他不正の行為があったか。また、本件各年分の所得税及び本件各課税期間の消費税等の申告について、隠ぺい又は仮装の行為があったか(「偽りその他不正」及び「隠ぺい又は仮装」の有無)。
争点4 本件ゴルフ代の一部が、不動産所得の必要経費たる接待交際費及び消費税等の課税仕入れに当たるか(本件ゴルフ代の接待交際費該当性)。

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3 主張

(1) 争点1(調査手続の適否)について

イ 請求人の主張
(イ) 調査担当職員は、本件調査に当たり、請求人が本件ゴルフクラブに本件ゴルフ代を支払った際に受け取った領収証(以下「本件各領収証」という。)以外の書類の保存の有無を請求人に質問することもなく、また、請求人が、接待の相手先とした者のうち1名に対して反面調査を行っただけで、請求人には、その後の必要な質問をしなかった。
(ロ) このように、調査担当職員は、十分な調査を行わず、調査が未了の状態であるにもかかわらず、請求人に対し、総勘定元帳を基に作成した「平成13年分以降○○ゴルフクラブ経費計上額」と題する書面(以下「本件確認表」という。)の余白に、実際に相手先を接待したものに「○」を、そうでないものに「×」を付すよう要請し、原処分庁は、請求人が本件確認表に「×」印を付した部分について、本件確認表だけを根拠に、偽りその他不正の行為及び隠ぺい又は仮装の行為があったとして、原処分を行ったものであり、本件調査の手続は違法である。
(ハ) よって、原処分を取り消すべきである。
ロ 原処分庁の主張
 税務調査における質問検査の細目については、実定法上何ら規定されておらず、質問検査の範囲、程度、時期、場所等については、質問検査の必要性と相手方の私的利益との比較衡量において社会通念上相当と認められる範囲内で税務職員の合理的な選択にゆだねられていることから、原処分は適法である。

(2) 争点2(更正の理由附記の適否)について

イ 請求人の主張
 本件各更正通知書には、本件ゴルフ代に関する更正の理由として、請求人が本件確認表に「×」印を付した者の氏名及び肩書きが羅列され、請求人がこれらの者に対する接待を行った事実はなく、本件ゴルフ代の一部は、請求人の個人的費用であると記載されているが、原処分庁の不十分な調査ゆえ、接待の事実がないとした具体的な調査内容については記載されておらず、更正の理由の的確な記載に欠けており、違法である。
 よって、本件所得税各更正処分を取り消すべきである。
ロ 原処分庁の主張
 更正の理由附記の趣旨は、原処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、そのし意を抑制するとともに、処分の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えるものと解されている。
 本件各更正通知書には、更正の理由として、請求人が本件ゴルフ代を接待交際費として必要経費に算入したこと、及び、請求人が接待を行った事実はなく、個人的にゴルフプレーを行ったものと認められるとした上で、本件ゴルフ代の一部が、家事上の経費に該当する旨記載していることから、当該記載は、理由附記制度の趣旨を損なうものとはいえず、更正の理由附記に不備はない。

(3) 争点3(「偽りその他不正」及び「隠ぺい又は仮装」の有無)について

イ 原処分庁の主張
(イ) 請求人は、接待交際費を水増しして税金を少なくする意思の下、本件各領収証の余白に、実際には接待していない相手先を請求人自身が記載し、又は請求人の指示により従業員に記載させ、本件各領収証を基に作成した帳簿に基づいて計算した内容虚偽の確定申告書を原処分庁に提出していることから、請求人のこれらの行為は、偽りその他不正の行為に該当する。
(ロ) また、請求人は、調査担当職員に対し、本件ゴルフ代の中には、実際は、接待には使っておらず、請求人の友人、後輩及び女子プロゴルファー(以下「女子プロ」という。)と一緒にプレーしたものがあり、実際には接待をしていない相手先を本件各領収証に記載したことを認め、このような行為は10年以上前から行っていた旨申述しており、さらに本件各領収証に実際に接待していない相手先を記載した理由は、接待交際費を水増しして、税金を少なくするほかにはないとも申述している。
 以上によれば、請求人は、確定申告書の作成の基礎となる本件各領収証に、実際に接待していない相手先の名前を記載して、あたかも取引先等との接待が行われていたかのように仮装し、その仮装した内容により計算した確定申告書を提出していたものといえ、請求人のこれらの行為は、隠ぺい又は仮装の行為に該当する。
ロ 請求人の主張
(イ) 請求人は、確定申告書の作成の際に、本件ゴルフ代のうちの家事関連費に係る部分を事業主勘定に振替処理することを失念したため、結果的に個人的費用が請求人の必要経費として計上されただけである。
 なお、請求人が、各物件のテナントの代表者等(以下「テナント代表者等」という。)を接待相手先として記載したのは、税務上認められやすいと単純に考えただけである。
(ロ) 請求人は、実際には接待していない相手先を本件各領収証の余白等に記載したが、ほとんど鉛筆で記載しており、その行為は、書換えや加筆ではなく、メモ程度のものであるといえ、偽りその他不正の行為に当たらない。また、これらの書類を、破棄又は隠ぺいしたこともないから、隠ぺい又は仮装の行為にも当たらない。
(ハ) 請求人は、本件各領収証以外に、実際にプレーした者の氏名が記載された請求書(以下「本件各請求書」という。)又は計算書(以下「本件各計算書」といい、本件各請求書と併せて「本件各計算書等」という。)を本件ゴルフクラブから受領して保存していたが、調査担当職員から、本件各領収証以外の書類の保存の有無に関する質問がなかったので、本件各計算書等が保存されていることを伝えていなかっただけで、調査担当職員の求めに応じて調査の関係書類を提示しており、調査を困難にするような偽計その他の行為は行っていない。
(ニ) 原処分において増額された所得金額等に対して、隠ぺい又は仮装の行為とされた部分の金額は、わずかであることから、高額かつ悪質なほ脱には該当せず、偽りその他不正の行為には当たらない。
(ホ) よって、平成13年分から平成16年分までの所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分は取り消すべきである。
 また、平成17年分から平成19年分までの所得税の重加算税の各賦課決定処分、及び本件各課税期間の消費税等の重加算税の各賦課決定処分も取り消すべきである。

(4) 争点4(本件ゴルフ代の接待交際費該当性)について

イ 請求人の主張
(イ) 請求人は、賃貸物件の補修の必要性や、家主である請求人に対するクレーム等を把握し、これらに対応することで、賃貸物件を優良なテナントに長く貸し付けることができるよう、テナント代表者等に対するゴルフ接待を行っていた。
(ロ) また、請求人は、種々の情報を得て不動産の購入を容易にし、購入資金の融資の点でも有利になるよう、かつての勤務先銀行の後輩等に対するゴルフ接待を行っていた。
(ハ) なお、請求人は、ゴルフ歴が浅いので1人で接待を行うほどの力量がないと考え、女子プロに指導を依頼し、接待日に同伴させたものである。
(ニ) 仮に、争点1から争点3までの請求人の主張が認められないとしても、本件ゴルフ代のうち、別表3−1ないし別表3−7の「請求人主張額」欄記載の部分は、実際にこれらの者に対する接待を行った際に支出した金額であり、接待交際費に当たるから、原処分の一部を取り消すべきである。
ロ 原処分庁の主張
 請求人が実際に取引先等に対するゴルフ接待を行った事実はないから、本件ゴルフ代のうち、原処分において否認した部分は、請求人の家事費であり、接待交際費に当たらない。

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4 判断

(1) 争点1(調査手続の適否)について

イ 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、以下の事実が認められる。
(イ) 調査担当職員は、平成20年8月28日以降、請求人、長男C及び関与税理士であったE税理士に対し、請求人の不動産所得等に関し、その保有する本件各年分の総勘定元帳及び必要経費の領収証等の提示を求め、請求人は、総勘定元帳及び本件各領収証を提示したが、本件各計算書等は提示しなかった。
(ロ) また、調査担当職員は、関係者に対する質問を行い、平成20年10月3日、接待の相手先とされた者の一人であるFから、請求人とゴルフに行ったことは一度もない旨の申述を得た。
(ハ) 調査担当職員は、平成20年10月15日、本件ゴルフクラブに臨場し、請求人の利用状況を把握するため、本件ゴルフクラブに保存されていた請求人に対する請求書(控)の写し(本件各年分のうち、一部の期間に係るもの)を入手した。
(ニ) 調査担当職員は、総勘定元帳及び本件各領収証を基に、プレー日、接待相手先とされる者及び金額が記載された本件確認表を作成し、平成20年11月27日、請求人、長男C及びE税理士に提示した。
 調査担当職員が、請求人に対し、実際に接待をしたものに「○」を、そうでないものに「×」をそれぞれ記載するよう求めたところ、請求人は、本件確認表の欄外に「○」、「×」を記載したが、記憶があいまいな部分については、「?」と記載した。
(ホ) その後、調査担当職員は、請求人に対し、平成21年1月15日付の「質問事項」と題する書面に、本件確認表に確認欄等を新たに付加した表を添付して手交し、上記(ニ)の回答に間違いがないか再度確認するよう求めたところ、請求人は、E税理士を介して、本件確認表に「?」と記載していた部分にいずれも「×」と記載し、同月26日付「回答書」と題する書面に添付して回答した。
(ヘ) 調査担当職員は、平成21年3月6日、E税理士に代わり新たに関与することとなった税理士らに対し、本件調査の結果を告げ、修正申告書の提出をしょうようしたが、請求人は、これに応じなかった。
ロ 法令解釈
 税務調査における質問検査の範囲、程度、時期及び場所等、実定法に特段の定めのない実施の細目については、質問検査の必要があり、かつ、これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な程度にとどまる限り、権限ある税務職員の合理的な選択にゆだねられているものと解するのが相当である(最高裁昭和48年7月10日第三小法廷判決・刑集27巻7号1205頁)。
ハ 当てはめ
(イ) これを本件についてみると、調査担当職員は、上記イのとおり、請求人が提示した総勘定元帳及び本件各領収証の記載内容の調査、関係者に対する質問及び本件ゴルフクラブに対する反面調査等を行った上、請求人に対し、期間を置いて、2度にわたり接待の事実の有無を確認しており、調査手続は社会通念に照らして適法に行われている。
(ロ) これに対し、請求人は、Fに対してのみ反面調査を行ったこと及び請求人のあいまいな記憶を基に本件確認表等に付した「○」、「×」の表記のみをよりどころに原処分が行われたことから、本件調査の手続は違法である旨主張する。
(ハ) しかし、調査担当職員は、上記(イ)のとおり、必要な調査を行っており、接待の相手先とされた者のうち1名からしか申述を得なかったとしても、そのことで調査手続が違法になるものではない。
 また、調査担当職員は、請求人に対し、本件ゴルフ代について、期間を置いて2度、本件確認表等を提示して回答を求めており、請求人の記憶があいまいなまま本件確認表等への回答を強要するなどしたものではない。
 請求人は、本件各計算書等を手もとに保存していたというのであるから、本件各計算書等の内容を確認して正確な回答をすることも、本件各計算書等を原処分庁に提示することも可能だったのであって、調査担当職員が、最もよく事実を把握している請求人に質問し、その回答に基づいて原処分を行ったことに何ら違法性はないというべきである。
 よって、請求人の主張には理由がない。

(2) 争点2(更正の理由附記の適否)について

イ 法令解釈
 所得税法第155条第2項が、青色申告書に係る更正をする場合に、更正の理由を附記しなければならない旨規定しているのは、法が、青色申告制度を採用し、青色申告に係る所得の計算については、それが法定の帳簿組織による正当な記載に基づくものである以上、その帳簿の記載を無視して更正されることがないことを納税者に保障した趣旨にかんがみ、原処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、そのし意を抑制するとともに、更正の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えるためである。
 したがって、帳簿書類の記載自体を否認して更正をする場合には、単に更正にかかる勘定科目とその金額を示すだけではなく、そのような更正をした根拠を帳簿記載以上に信ぴょう力のある資料を摘示することによって具体的に明示することを要するが、帳簿書類の記載自体を否認することなく、ただその法的評価につき納税者と見解を異にして更正する場合には、納税者の帳簿の記載を覆すものではないから、上記理由附記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的に更正の根拠を明示するものである限り、法の要求する更正理由の附記として欠けるところはないと解すべきである(最高裁昭和60年4月23日第三小法廷判決・民集39巻3号850頁参照)。
ロ 当てはめ
(イ) これを本件についてみると、本件所得税各更正処分は、帳簿に記載された本件ゴルフ代の支払金額自体を否認したものではなく、請求人が接待交際先を仮装していたことを認めたため、本件ゴルフ代の法的評価について、家事費に当たるとして、接待交際費該当性を否認し、更正したものである。
 そして、本件各更正通知書には、更正の理由として、上記1の(4)のヘのとおり、更正処分の対象となった事実(本件ゴルフ代が接待交際費として必要経費に算入されていること)及びそれに対する法的評価(本件ゴルフ代の一部が家事費に該当し、必要経費に算入することができないこと)が記載され、更正された金額がどのように算定されたものであるかが具体的に明らかにされているといえる。
 したがって、本件所得税各更正処分に係る理由附記は、上記イの理由附記制度の趣旨目的に照らして十分なものと認められ、適法である。
(ロ) これに対し、請求人は、調査が不十分なため、接待の事実がないとした根拠となる調査の内容が記載されておらず違法であると主張するが、本件所得税各更正処分は、上記(イ)のとおり、帳簿に記載された本件ゴルフ代の支払金額自体を否認したものではない上、請求人自身、本件調査において、本件確認表に「×」を付した者に対する接待の事実がないことを認めていたのであるから、上記イの理由附記制度の趣旨に照らして、本件各更正通知書に、調査の内容まで記載する必要があったとはいえない。
 よって、請求人の主張には理由がない。

(3) 争点3(「偽りその他不正」及び「隠ぺい又は仮装」の有無)について

イ 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、以下の事実が認められる。
(イ) 請求人は、本件各年分を通じて、毎年30回以上にわたり、本件ゴルフクラブにおいてプレーを行っていた。
(ロ) このうち、請求人が、請求人の不動産所得に係る接待交際費として、本件各年分に係る総勘定元帳の「接待交際費」勘定に記載した接待相手及び金額は、別表3−1ないし別表3−7の「総勘定元帳」欄の「接待相手及び金額」欄記載のとおりである(総勘定元帳)。
(ハ) これに対し、本件ゴルフクラブにおいて実際にプレーをした者は、別表3−1ないし別表3−7の「本件各計算書等」欄の「プレー者等」欄記載のとおりであった(本件各計算書等)。
 なお、同表の「プレー者等」欄に記載された者のうち、Gは女子プロであり、H及びJは、いずれも当時における請求人の従業員である。
(ニ) 請求人は、本件ゴルフクラブでプレーをした際、1回ごとにゴルフ代を支払っていたわけではなく、数回分のゴルフ代をまとめてクレジットカードで支払っていた(請求人の調査担当職員に対する申述)。
 本件ゴルフクラブは、請求人がプレー当日にゴルフ代を支払わなかった場合には、本件各請求書を発行し、請求人がゴルフ代の支払をした際に、本件各領収証と本件各計算書とが一体になった書類を発行していた(本件各計算書等)。
(ホ) 請求人は、本件ゴルフクラブから本件各領収証及び本件各計算書等を受け取ると、自ら又は従業員に指示して、本件各領収証の余白に、適当な接待相手を記載し、その後、従業員が、本件各領収証と本件各計算書等とに切り離した上で、別々に保管しており、請求人は、本件各計算書等が保管されていることを認識していた(請求人の当審判所に対する答述)。
(ヘ) 本件各領収証に記載されている金額は、上記(ニ)のとおり、数回分のゴルフ代を合計した金額であり、その中には、別表3−1ないし別表3−7の「本件各計算書等」欄の「プレー者等」欄記載のとおり、請求人のみのプレー代、請求人と女子プロの2人のプレー代並びに請求人、女子プロ及び従業員等とのプレー代も含まれている(本件各計算書等及び請求人の調査担当職員に対する申述)。
 請求人は、本件各領収証の余白に、近い時期に一緒に飲食をした者や、過去に一緒にゴルフをしたことがある者等の氏名等を適当に記載していた(請求人の当審判所に対する答述)。
(ト) 長男Cは、1年に1回程度、請求人の不動産所得に係る総勘定元帳への記帳を行っていたが、その際、本件各計算書等に記載された実際のプレー者ではなく、本件各領収証の余白に記載された氏名等を総勘定元帳の「摘要」欄に転記していた。
 もっとも、長男Cは、本件各領収証に記載された氏名等をそのまま転記せずに、より必要経費になりやすいと思われる相手先の氏名等を総勘定元帳に記載することもあり、その場合には、本件各領収証の余白の記載を総勘定元帳の記載に合致するよう書き換えるなどしていた(長男Cの当審判所に対する答述)。
(チ) また、長男Cは、本件各領収証の余白に相手先の記載がない場合には、同人の判断で、必要経費になりそうな適当な相手先を、総勘定元帳に記載していた(長男Cの当審判所に対する答述)。
(リ) 請求人は、上記(イ)のとおり、本件ゴルフクラブで多数回プレーをし、ゴルフ代を支出しているところ、長男Cは、上記1の(4)のロのとおり、請求人のほか、A社及び母Bに係る事業等の記帳事務も担当しており、請求人が本件ゴルフクラブに支払ったゴルフ代を、本件各領収証を基に、適宜、請求人、A社及び母Bの必要経費等に配分して算入していた。
 なお、当初決めた配分を、決算期が近くなってから、所得金額等の調整のために変更することもあった(長男Cの当審判所に対する答述)。
(ヌ) 請求人は、本件各領収証の余白に、実際にプレーをした者と異なる者の氏名等を記載する行為を10年以上前から行っていた。そのような行為をした理由は、接待交際費を水増しして、税金を少なくするためであった(請求人の調査担当職員に対する申述)。
ロ 法令解釈
(イ) 通則法第68条第1項に規定されている、事実の隠ぺいとは、売上除外、証拠書類の廃棄等、課税要件に該当する事実の全部又は一部を隠すことをいい、事実の仮装とは、架空仕入・架空契約書の作成・他人名義の利用等、存在しない課税要件事実が存在するように見せかけることをいうと解すべきである。
 なお、通則法第68条第1項は、隠ぺい又は仮装行為の主体について、「納税者が」と規定しているが、納税者以外の者が隠ぺい又は仮装の行為を行った場合に、形式的にそれが納税者自身の行為でないというだけで重加算税の賦課が許されないとすることは,重加算税制度の趣旨及び目的を没却することになるから、それが納税者本人の行為と同視できるときには、重加算税を賦課することが許されると解すべきである。
(ロ) また、通則法第70条第5項に規定されている、偽りその他不正の行為とは、税額を免れる意図の下に、税の賦課徴収を不能又は著しく困難ならしめるような何らかの偽計その他の工作を行うことをいうと解すべきである。
 なお、通則法第70条第5項は、行為の主体について何ら規定していないから、納税者の親族又は従業員等が偽りその他不正の行為を行った場合であっても、これにより納税者が税額の全部又は一部を免れている以上、更正等の除斥期間を延長して、適正な課税を実現することが租税の公平負担の原則に資するから、このような場合も、通則法第70条第5項が適用されると解すべきである。
ハ 当てはめ
(イ) これを本件についてみると、請求人は、上記イのとおり、接待交際費を水増しして、税金を少なくする意図の下、本件各領収証の余白に実際にゴルフをした者以外の、適当な接待相手先を記載し、長男Cが、これを総勘定元帳に転記し、又は、より必要経費と認められやすい相手先名に変更して総勘定元帳に記帳するなどし、当該記帳に基づき、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入して所得税の申告をしたことが認められる。
 なお、実際に本件各領収証に相手先を記載し、総勘定元帳に記帳したのが、請求人自身ではなく、記帳事務を担当していた長男C又は請求人の従業員であったとしても、請求人は、これらの行為を容易に防止することが可能であったといえるから、これらの者の行為は、請求人の行為と同視することができるというべきである。
(ロ) そうすると、上記(イ)の一連の行為は、平成13年分から平成16年分までの所得税について、税額を免れる意図の下、税の賦課徴収を著しく困難ならしめる工作をしたものと評価することができ、通則法第70条第5項に規定する偽りその他不正の行為に当たる。
(ハ) また、本件各領収証の余白及び総勘定元帳の「接待交際費」勘定の「摘要」欄に、実際にはプレーしていない者の氏名等を記載した行為は、帳簿書類に虚偽の記載をすることで、実際には存在しない接待交際費を存在するように仮装する行為であり、請求人は、その仮装したところに基づき、所得金額を過少に計算して作成した確定申告書を提出したのであるから、かかる行為は、通則法第68条第1項に規定する事実の一部を仮装し、その仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときに当たるというべきである。
ニ 請求人の主張について
(イ) これに対し、請求人は、接待相手としてテナント代表者等の氏名を記載したのは、税務上認められやすいからと単純に考えただけであり、本件各領収証の相手先のメモは、ほとんど鉛筆書きであり、書換えや加筆ではないから、偽りその他不正の行為及び隠ぺい又は仮装の行為に該当しないなどと主張するが、これらの行為自体、そもそも偽りその他不正の行為及び仮装行為に当たるというほかはなく、本件各領収証への記載が鉛筆書きであったとしても、上記結論には何ら影響しない。
(ロ) また、請求人は、本件ゴルフ代のうち、家事関連費を事業主勘定に振替処理することを失念しただけであるとも主張するが、本件ゴルフ代に関し、事業主勘定への振替処理が行われた事実は、一度として認められない上、請求人は、上記イの(ヌ)のとおり、接待交際費を水増しして税金を少なくする意図で、本件各領収証に適当な接待相手を記載していたことを自認しているのであるから、事業主勘定への振替を単に失念しただけであるとの主張は採用できない。
(ハ) さらに、請求人は、本件調査の際、調査担当職員の求めに応じ関係書類を提示しており、かつ、本件各計算書等の有無に関する質問がなかったから、当該書類の保存があることを伝えなかっただけで、調査を不能又は著しく困難にするような偽計その他不正の行為は行っていないとも主張する。
 しかし、本件では、本件各計算書等を提示しなかったことではなく、本件各領収証及び総勘定元帳に虚偽の接待相手を記載したことが、偽りその他不正の行為及び仮装行為に該当するのであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。
(ニ) なお、請求人は、原処分のうち「隠ぺい又は仮装」に該当する金額は、わずかであり、高額かつ悪質なほ脱に該当しないとも主張するが、通則法第70条第5項の規定は、金額の多寡により適用されるものではないから、この点においても請求人の主張には理由がない。

(4) 争点4(本件ゴルフ代の接待交際費該当性)について

イ 認定事実
 請求人及び長男Cの当審判所に対する答述等、当審判所の調査の結果によれば、別表3−1ないし別表3−7の「本件各計算書等」欄の「プレー者等」欄に掲げる者のうち、請求人が、実際にゴルフ接待をしたとする相手先と請求人との関係は、別表4のとおりであると認められる。
ロ 法令解釈
 所得税法第37条第1項によれば、ある支出が必要経費として総収入金額から控除されるためには、客観的にみてそれが業務と直接の関連を有し、当該業務の遂行上通常必要な支出であることを要する。
 また、所得税法第45条第1項第1号は、家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるものは、必要経費に算入することができない旨規定している。
 なお、所得税法施行令第96条によれば、青色申告者が、取引の記録等に基づいて、家事関連費のうち所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であったことを明らかにした部分がある場合には、その部分は、必要経費に算入することができる。
ハ 当てはめ
(イ) これを本件ゴルフ代についてみると、請求人が接待の相手方であると主張する者のうち、A社等のテナント代表者等については、請求人の不動産所得に係る業務の遂行とは、直接関係がないといわざるを得ない。
 また、請求人自身のテナント代表者等及びその関係者についても、請求人が、賃貸物件の補修の必要性や、家主である請求人に対するクレーム等を把握するために、これらの者とゴルフをする必要があったとは認め難く、上記1の(4)のハのとおり、請求人が、Q町ビル及びS町物件等について、A社にその修理等を委託していることも考え併せると、請求人の不動産所得に係る業務の遂行上、これらの者とゴルフをしなければならない必要性は認め難い。
 さらに、かつての勤務先銀行の後輩等とゴルフをすることによって、間接的に、不動産貸付業に有益な情報が得られる場合があるとしても、これらの者とゴルフをすることが、業務の遂行上直接必要であったとまではいい難い。
(ロ) 請求人は、上記(3)のイの(イ)のとおり、本件ゴルフクラブの会員として、平成13年から平成19年まで、毎年相当の回数のプレーをしており、別表3−1ないし別表3−7のとおり、女子プロと2人でプレーしていることが多い上、請求人が接待交際費に該当すると主張する部分(同表の「請求人主張額」欄記載の部分)についても、いずれも女子プロを同伴させていることが認められる。
(ハ) 以上によれば、本件ゴルフ代は、結局のところ、請求人の趣味・し好としてのゴルフプレーのために支出された家事上の経費であると評価せざるを得ず、家事費に該当するから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないというべきである。
(ニ) なお、本件ゴルフ代が、上記(ハ)のとおり、家事費としての性格を有する以上、仮に、本件ゴルフ代のうちに請求人の業務の遂行上直接必要である部分が含まれているとしても、家事関連費に該当するというべきであり、請求人は、業務の遂行上直接必要である部分を記録等に基づいて明らかにしたとはいえないから、いずれにせよ、本件ゴルフ代は、その全額について請求人の必要経費に算入することができないというべきである。

(5) 本件所得税各更正処分について

 以上のとおり、本件ゴルフ代は、原処分庁が本件所得税各更正処分において必要経費に算入した部分も含めて、その全額を請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができないと解すべきであるから、これを前提に請求人の本件各年分の不動産所得の金額を計算すると、別表1の「審判所認定額」欄の「不動産所得の金額」欄記載のとおりとなる。
 その結果、納付すべき税額は、別表1の「審判所認定額」欄の「納付すべき税額」欄記載のとおりとなり、これらの金額は、いずれも本件所得税各更正処分の額と同額か又はこれを上回るから、本件所得税各更正処分はいずれも適法である。

(6) 本件消費税等各更正処分について

 請求人の本件各課税期間の消費税等の納付すべき税額は、別表2の「審判所認定額」欄の「納付すべき消費税額」及び「納付すべき地方消費税額」欄記載のとおりとなり、平成17年課税期間及び平成18年課税期間については、いずれも原処分の額と同額である。
 なお、平成19年課税期間については、原処分の旅費交通費及び車両取得費の計算に誤りがあるものの、審判所認定額が原処分の額を上回る。
 よって、本件消費税等各更正処分は、いずれも適法である。

(7) 本件所得税各賦課決定処分について

イ 上記(5)のとおり、本件ゴルフ代は、その全額について請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できず、本件所得税各更正処分はいずれも適法であるところ、請求人は、上記1の(4)のニのとおり、本件ゴルフ代を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入して、納税申告書を提出している。
 このうち、請求人が、総勘定元帳の「接待交際費」勘定の「摘要」欄に、当該プレー日に実際にプレーをした者の氏名等を記帳した部分の金額(別表3−1ないし別表3−7の「審判所認定額」欄の「過少申告加算税対象金額」欄記載の金額)については、通則法第68条第1項にいう隠ぺい又は仮装の行為があったとまではいえないが、請求人が、上記「摘要」欄に、実際にはプレーしなかった者の氏名等を記帳した部分及び請求人等が別の日にプレーをした際のゴルフ代を付け込んだ部分の金額(別表3−1ないし別表3−7の「審判所認定額」欄の「重加算税対象金額」欄記載の金額)については、同項に規定する仮装行為があったといえるから、重加算税を賦課すべきである。
 そうすると、重加算税の対象となる所得金額は、別表5の10欄のとおりであり、これに基づき当該重加算税の額を算定した結果は、別表1の「審判所認定額」欄のとおりとなり、これらの金額は、原処分の額と同額又はこれを上回ることから、本件各年分の重加算税の各賦課決定処分はいずれも適法である。
ロ また、請求人には、本件所得税各更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、通則法第65条第4項に規定する正当な理由があるとは認められないため、同条第1項及び第2項の規定に基づき過少申告加算税が賦課されるべきところ、当該過少申告加算税の額は、別表1の「審判所認定額」欄のとおりとなり、平成13年分から平成15年分まで、平成17年分及び平成18年分については、いずれも原処分の額と同額又はこれを上回るから、これらの年分の過少申告加算税の各賦課決定処分はいずれも適法である。
 平成16年分については、当審判所の認定した重加算税対象金額が、原処分のそれを上回ったため、別表1の「審判所認定額」欄の過少申告加算税の額が、原処分に係る過少申告加算税の額を下回るが、同表の「審判所認定額」欄の過少申告加算税の額と重加算税の額との合計額が、原処分に係る過少申告加算税の額と重加算税の額との合計額を上回ることから、同年分の過少申告加算税の賦課決定処分は適法である。
 これに対し、平成19年分の過少申告加算税の額については、原処分に計算誤りがあり、○○○○円が正当であるから、賦課決定処分の一部について取り消すべきである。

(8) 本件消費税等各賦課決定処分について

イ 本件消費税等各更正処分は、上記(6)のとおり適法であるところ、請求人は、上記(7)のイのとおり、本件ゴルフ代に係る接待の相手先を仮装したことが認められ、その仮装したところに基づき、控除対象仕入税額を計算して、消費税等の申告をしていることから、通則法第68条第1項に規定する重加算税が賦課されるべきところ、重加算税の対象となる本件ゴルフ代に係る課税仕入れの支払対価の額は、上記(7)のイと同様、別表5の10欄のとおりであり、これに基づき重加算税の額を算定した結果は、別表2の「審判所認定額」欄のとおり、いずれも原処分の額と同額となる。
ロ また、請求人には、本件消費税等各更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、通則法第65条第4項に規定する正当な理由があるとは認められないため、同条第1項及び地方税法附則第9条の9《譲渡割に係る延滞税等の計算の特例》第1項の規定により過少申告加算税が賦課されるべきところ、過少申告加算税の額は、別表2の「審判所認定額」欄のとおり、いずれも原処分の額と同額又はこれを上回る。
ハ よって、上記イ及びロのとおり、本件消費税等各賦課決定処分はいずれも適法である。

(9) その他

 原処分のその他の部分については、当審判所に提出された証拠資料によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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