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財産分与
- 資産の譲渡
- 財産分与(3件)
- 換価分割
- 共同宅地造成による減歩負担
- 譲渡事実の認定
- 収入すべき時期
- 収入金額の計算
財産分与を原因として行った土地の所有権移転は特有財産の譲渡に当たるとした事例
裁決事例集 No.8 - 6頁
請求人が取得した不動産については、その取得及び維持管理に関し配偶者の寄与、貢献があったとしても、当該不動産は名実ともに請求人の取得した財産であると認められているので、同人の特有財産であったというほかはない。
したがって、請求人が離婚に伴う財産分与の調停に基づく債務を履行するために、本件不動産の所有権を配偶者に移転したことは所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に当たるとした原処分は相当である。
昭和49年5月1日裁決
離婚に伴う財産分与として、特有財産である土地の所有権を被分与者に移転したことは、譲渡所得課税の対象となるとした事例
裁決事例集 No.30 - 1頁
請求人は、離婚に伴う財産分与として本件土地の所有権を被分与者に移転したことにつき、その実質は共有財産中の所有地を特定し、真正な登記名義を回復したにすぎず、仮に本件土地が請求人の特有財産であったとしても、財産分与は対価を伴わない無償譲渡であり、被分与者の潜在的持分に着目して共有財産を分割するという清算的性格を有するものであるから、財産分与に譲渡所得の概念を持ち込むことには無理がある旨主張するが、本件土地の取得について被分与者が何らかの形で貢献していることは否定できないとしても、そのことをもって本件土地が直ちに被分与者との共有になるものとはいい得ず、本件土地は、請求人の特有財産であったものと認められ、また、夫婦の一方がその特有財産である不動産を財産分与として他方に譲渡した場合、そこに資産の移転が存することは明らかであって、その譲渡は、分与義務の消滅という経済的利益の享受を伴うものであるから有償の譲渡と認めるのが相当であり譲渡所得課税の対象となる。
昭和60年11月26日裁決
請求人が調停離婚により前配偶者に分与した不動産は、請求人の特有財産と認められるから、共有財産(持分各2分の1)の譲渡には当たらないとした事例
請求人が調停離婚により前配偶者に分与した不動産は、その取得に関して前配偶者の協力があったとしても、当該不動産は名実ともに請求人の名で取得した財産であるから、同人の特有財産であったというほかなく、したがって、共有財産の譲渡には当たらないので、その資金の全部について請求人が譲渡したこととなる。
平成4年11月25日裁決