総則

人格のない社団等

  1. 納付義務者
    1. 公益法人等の収益事業の範囲
    2. 人格のない社団等(2件)
    3. その他
  2. 所得の帰属

請求人は、地方自治法上の財産区ではなく、人格のない社団等に該当すると判断した事例

裁決事例集 No.62 - 181頁

 請求人は、地方自治法1条の2第3項に規定する特別地方公共団体の財産区(自治法上の財産区)に該当するから、その所有地の賃貸につき法人税の納税義務を負わない旨主張する。
 しかしながら、請求人においては、その定例会がその議決機関とされ、区長及び役員が執行機関とされていること、請求人の収入及び支出は町の予算及び決算に編入されていない(町と別に決算を行っている)こと等の事実を総合すると、請求人は、名称こそ財産区と称しているが、その実態は自治会であり、法人税法上の人格のない社団等に該当すると認められるため、その所有地に係る不動産賃貸業(収益事業)につき、法人税の納税義務を負う。

トップに戻る

団地の管理組合である請求人は、人格のない社団等に該当し、団地共用部分の賃貸による収入は、請求人の収益事業による収入であるとした事例(平19.4.1〜平24.3.31の各事業年度の法人税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成25年10月15日裁決)

平成25年10月15日裁決

《ポイント》
 本事例は、団地共用部分を携帯電話会社に対し無線基地局設置のために賃貸して得た収入について、団地の管理組合である請求人の収益事業(不動産貸付業)による収益と認めたものである。

《要旨》
 請求人は、人格のない社団等という言葉は一般的に知られておらず、原処分庁は周知や指導をしていないのであるから、請求人には人格のない社団等に該当するか否かの認識がない旨主張する。
 しかしながら、法人税法第2条《定義》第8号は、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを「人格のない社団等」と定義し、当該人格のない社団等とは、まる1団体としての組織を備え、まる2多数決の原則が行われ、まる3構成員の変更にかかわらず団体が存続し、まる4その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定している団体をいうと解されているところ、請求人が建物の区分所有等に関する法律第30条《規約事項》に基づいて定めた管理組合規約によれば、請求人は、上記まる1ないしまる4の要件を充足する団体であると認められるから、人格のない社団等に該当する。

《参照条文等》
 法人税法第2条第8号、第3条

《参考判決・裁決》
 最高裁昭和39年10月15日第一小法廷判決(民集18巻8号1671頁)

トップに戻る