所得金額の計算

交換

  1. 収益の帰属事業年度
  2. 益金の額の範囲及び計算
  3. 損失の帰属事業年度
  4. 損金の額の範囲及び計算
  5. 圧縮記帳
    1. 国庫補助金等
    2. 交換(2件)
    3. 特定出資
  6. 引当金
  7. 繰越欠損金
  8. 借地権の設定等に伴う所得の計算
  9. 特殊な損益の計算
  10. 適格合併

交換により取得した土地は、交換の相手方が取得してから事業の用に供した事実もなく、交換のために取得したと認められるから、交換の特例は適用されないとした事例

裁決事例集 No.32 - 254頁

 本件取得資産は、交換取引の相手方が取得してから交換の時まで1年以上経過しており、その間請求人に賃貸していたので、同社が本件取得資産を交換目的で取得したと断定することができないと請求人は主張するが、同社が本件取得資産を取得して1か月未満という極めて短期間のうちに、本件取得資産と請求人が所有する本件譲渡資産との交換の覚書を取り交わすと同時に、両物件について相互に賃貸し合う旨の不動産賃貸契約を締結したのは、実質的に不動産の賃貸を目的としたものではなく、あくまでも便宜的、形式的措置であり、他に同社が本件取得資産を事業の用に供した事実もなく、地域開発のコンサルタントという同社の事業内容等も勘案するとき、本件取得資産を同社が交換のために取得したと認めるのが相当であるから、法人税法第50条第1項本文かっこ書により交換の特例の適用はない。

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A市土地開発公社が公有用地の代替地という目的で取得した土地は法人税法上も棚卸資産であり、法人税法第50条《交換により取得した資産の圧縮額の損金算入》第1項に規定する取得資産には該当しないとした事例

裁決事例集 No.70 - 225頁

 請求人が交換により取得した土地(以下「本件土地」という。)は、公有用地の代替地という目的で取得され、A市に引き取られることを予定された土地であることからすれば、販売用資産としての商品としてみるべきであり、本件公社が流動資産に計上した経理処理は相当であると認められる。さらに、取得後の事情の変化等によって、当初の保有目的が変更されたという事実も認められないことから(本件土地の賃貸借は、土地の積極的な利用の一環にすぎず、土地の最終的な利用の妨げとならない範囲で行われているものにすぎないから)、固定資産への区分変更は行われていないとするのが相当であり、請求人の主張する本件公社の性格及び本件土地の取得後の実態を検討してみても、本件土地を固定資産であると認定すべき事由は見当たらない。
 そうすると、土地開発公社経理基準要綱の定めに従った本件公社の経理処理を法人税法上も否定する理由はないから、本件土地を流動資産とした本件公社の経理処理については、法人税法上も相当と判断される。
 したがって、本件土地は、棚卸資産である販売用資産としての商品に該当するから、法人税法第50条の適用要件、すなわち、同条第1項に規定する「取得資産」は固定資産に限られるとする要件を満たしておらず、同条の規定の適用は認められない。

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