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退職給与引当金
退職給与引当金勘定を有する法人が内規に従って退職給与を支給しなかったことについて「正当の理由」があるとした事例
裁決事例集 No.7 - 27頁
退職給与引当金勘定を有する請求人が、退職従業員の一部の者に退職給与を支給しなかったのは、当該従業員が会社の退職金規定及び就業規則による正規の手続を経ないで、無断退職したことに起因するものであるから、退職給与を支給しないことについて「正当の理由」があったと認めるのが相当である。
昭和48年9月12日裁決
修正決算における退職給与引当金等の繰入れ額は損金算入できないとした事例
裁決事例集 No.15 - 55頁
法定申告期限までに提出のあった確定申告書に添付されている貸借対照表は、適法に成立した定時株主総会において承認されたものであり、その貸借対照表においては、退職給与引当金勘定の金額は、当事業年度開始の日における金額をそのまま計上し、また、価格変動準備金の計上はなく、これらの繰入れ額及び積立額の損金算入に関する明細等の記載もなかったが、その後、原処分庁が本件更正に係る調査に着手したころまでに、退職給与引当金については所定額を取り崩すとともに新たに所定額を繰入れ計上し、また、価格変動準備金については新たに所定額を積立て計上するなど、計算誤りを是正する修正決算書類を作成し、これを調査担当者に提出したとしても、これは確定申告において不備であった資料を整備していたことの域を出ないもので、これにより当初決算が左右されるとは認められず、当該繰入れ額及び積立額について損金経理をしていたとは認められないので、これを当該事業年度の損金の額に算入すべきでないとした原処分は正当である。
また、退職給与引当金勘定について、所定の取崩し額を調査により認定し、益金の額に算入するとともに繰入れ額は請求人が損金経理をしていなかったことなどの事実に基づき損金算入の要件を欠くとして当該繰入れ額を損金の額に算入しないこととした原処分も正当である。
昭和52年10月15日裁決
取り崩した退職給与引当金勘定の金額につき、いわゆる申告調整の方法によって当期利益から減算することは認められないとした事例
裁決事例集 No.25 - 84頁
当該事業年度の確定した決算において、退職給与引当金勘定の金額を任意に取り崩して営業外収益に計上した場合に当該金額を申告調整の方法で当期利益から減算することは、退職給与引当金取崩し額を益金の額から減算することを認める法令の規定がない点や法人税法第55条第3項が退職給与引当金の任意取崩し額を益金に算入すべきことを規定している趣旨からみれば、法令の予定しないところであり、認められないと解するのが相当である。
昭和57年12月24日裁決