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登録免許税法の特例

共有物分割による不動産の所有権の移転登記の税率の特例

  1. 住宅用家屋の所有権の移転登記等の税率の軽減
  2. 住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減
  3. 不動産登記に係る不動産価額の特例
  4. 共有物分割による不動産の所有権の移転登記の税率の特例(2件)

請求人らから同時にされた各共有地の持分移転登記申請については、その各土地は共同で競落したことに基因しているもので、1筆の共有地からの同一事件に係る分筆登記によって生じたものではないから、租税特別措置法第84条の4第2項の適用はないとした事例

裁決事例集 No.61 - 721頁

 租税特別措置法第84条の4第2項の特例は、[1]共有物分割による持分移転登記の申請に係る土地全てが、もともと共有の1筆の土地であって、同一の分筆登記によって生じたものであること、[2]共有物分割による持分移転登記が、[1]の分筆で生じた他の土地の共有物分割による持分移転登記と同時に申請されていること、の二つの要件を備えている場合に限って適用されるものであるから、仮に、数筆の土地について共有物分割による持分移転登記が同時に申請された場合であっても、その申請に係る土地が、もともと共有であった1筆の土地から同一事件に係る分筆登記によって生じたものでない場合には適用がないところ、本件申請に係る本件各土地は、請求人らが共同で競落したことに基因して共有することとなったものであって、分筆登記前の土地について共有関係があったものでないから、本件登記申請には本件特例の適用がない。

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請求人が共同相続人と共に相続により取得した建物を単独所有とした登記は共有物の現物分割ではないとして、租税特別措置法第84条の4第4項の適用はないとした事例

裁決事例集 No.65 - 982頁

 請求人は、判決により持分移転の登記をしたものであり、登録免許税を不当に免れようとしているものではなく、租税特別措置法第84条の4の立法趣旨に反するものではないから、同条第4項の特例の適用を認めるべきである旨主張するが、同条第4項の特例が適用されるためには、共有物分割による持分移転の登記申請に係る建物すべてが、もともと共有の1棟の建物であって、同一の分割登記又は区分登記によって生じたものであること、及び共有物分割による持分移転の登記が、分割又は区分によって生じた他の建物の共有物分割による持分移転の登記と同時に申請されていることが必要であるところ、本件建物は、上記の要件が備わっていないのであるから、同条第4項の特例の適用がないことは明らかである。
 また、本件特例の解釈・適用に当たっては、その要件をたやすく拡張することはできないというべきであるので、立法の不備を運用によって補うべきであるとの請求人の主張には理由がない。

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