別紙2

当事者の主張
請求人 原処分庁
(1) 通則法第23条第2項第1号の「判決」とは、相続税申告に係る課税標準又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決(被相続人に係るP市p町e番○○、同所同番○○、同所同番○○及び同所同番○○の山林(合計面積141,331平方メートル、以下「本件土地」という。)の売買代金1,350,000,000円の12分の1相当額(以下「本件売買代金債権」という。)が相続財産かどうかという事実、換言すれば、請求人がV社に対して同売買代金の支払を求める立場にあるかどうかという事実)であって、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることを確定させたものであれば、それだけで十分である。 (1) 通則法第23条第2項第1号の「判決」とは、申告に係る課税標準等又は税額等の基礎となった事実(例えば契約の成否、相続による財産取得の有無、特定の債権債務を発生させる行政処分の効力の有無等)を訴えの対象とする判決をいうものと解するのが相当である。
(2) f地方裁判所(以下「f地裁」という。)が平成○年(○)第○号未払売買代金請求事件に関して平成16年○月○日にした、請求人の請求を棄却する旨の判決(以下「本件判決」という。)は、請求人がV社に対して支払を求めた本件売買代金債権が被相続人に係る相続税の申告書に計上されたV社からの未収入金(課税標準)に含まれていたか(すなわち両者の財産が同一か)どうかについて、具体的に言及していないが、このことについては、V社作成のA氏未払金勘定経過一覧表(以下「本件一覧表」という。)、j弁護士作成の平成17年6月23日付報告書(以下「本件報告書」という。)、同報告書に添付の証拠説明書及び訴状等から、優に確認でき、それと同一の売買代金債権の存在が認められないことが本件判決により確定したのであるから、昭和62年5月25日時点での被相続人に対する未払金残高も当然その分だけ減額になる。
 したがって、本件判決により相続税の申告に係る課税標準又は税額等の計算の基礎となった事実が相続税の申告の基礎としたところと異なることが確定しており、通則法第23条第2項第1号により相続税の更正の請求ができることは明らかである。
(2) 本件における課税標準は、相続税の課税価格の合計額○○○○円であり、基礎となった事実は、未収入金263,066,487円が相続財産を構成することであるが、本件判決においては、相続財産の取得の有無等、相続税の課税標準等の内容について判断されていないから、通則法第23条第2項第1号に規定する相続税の申告に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したものとは認められない。
 請求人は、本件売買代金債権が被相続人の相続財産として申告されていたことは、本件一覧表や本件報告書等から確認できることから、本件判決が通則法第23条第2項第1号に該当することは明らかである旨主張するが、本件判決において本件一覧表等を基礎として、本件売買代金債権が相続税の課税標準等とされていたか否かについては何ら判断されておらず、また、本件一覧表等は、別件訴訟で提出された証拠であり、相続税の課税価格に計上された未収入金263,066,487円に本件売買代金債権が含まれている事実を立証するものとは認められない。
(3) 請求人の相続税の申告当時の認識は次のとおりである。
 本件土地は被相続人を含む12名の者が買い受けたもので、V社が所有者であったとはまったく認識していなかった。
 したがって、上記12名の者が昭和49年9月25日にV社に対し、本件土地を代金1,350,000,000円で売った旨の売買契約(以下「本件売買契約」という。)は、いずれの当事者間でも有効に行われたと認識していたのであり、売買代金については実際には支払われていないが、V社の決算書類を見ても長期未払金として処理されており、認識を変える事情にはなかった。
 なお、昭和52年9月21日ころV社から請求人に対し、6,000万円が支払われたが、請求人は、被相続人から当該金員が売買代金の一部であるとの説明を受けていた。
(3) 請求人は、相続税の申告時に本件売買契約が通謀虚偽表示により無効であったことを知っていたと認められるから、更正請求の基となった本件判決は、通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」には該当しない。

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