(平成24年7月24日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、相続により取得した取引相場のない株式について、当該株式の発行会社が出資する外国子会社所有の船舶を取得価額から減価償却費を控除した価額(以下「帳簿価額」という。)により評価して外国子会社への出資の評価額を求め、これを基に当該株式の評価額を算定して相続税の申告をしたところ、G税務署長が、船舶の評価は帳簿価額ではなく、精通者意見価格を基に算定すべきであるとして更正処分等を行ったのに対し、請求人が、原処分庁の算定した船舶の評価額が適正でないこと及び債務超過である外国子会社への出資は零円でなく債務超過額で評価すべきことを理由に、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

(2) 審査請求に至る経緯

 審査請求(平成23年8月4日請求)に至る経緯は、別表1のとおりである。
 なお、G税務署長は、原処分庁所属の調査担当職員の調査に基づき、平成23年3月24日付で別表1の「更正処分等」欄の金額のとおり、相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下、それぞれ「本件更正処分」、「本件賦課決定処分」という。)を行った。

(3) 関係法令等の要旨

 関係法令等の要旨は、別紙2のとおりである。

(4) 基礎事実

 以下の事実は、請求人及び原処分庁双方に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。
イ 平成20年11月○日に開始した被相続人をH(以下「本件被相続人」という。)とする相続(以下、相続が開始した平成20年11月○日を「本件相続開始日」という。)の法定相続人は、妻である請求人及び子4名である。
ロ 本件被相続人は、J社の株式(以下「本件株式」という。)9,000株を保有していたところ、請求人は、遺産分割協議により本件株式を含む本件被相続人の全ての遺産を相続した。
 なお、本件株式は、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17国税庁長官通達、以下「評価通達」という。)168の(3)に定める取引相場のない株式で、かつ、同189の(4)に定める開業後3年未満の会社等の株式である。
ハ J社は、パナマ共和国を本店所在地とする株式会社であるK社、L社、M社、N社、P社、Q社、R社及びS社(以下「S社」といい、これら8社を併せて「本件各外国子会社」という。)の各株式(以下「本件各外国子会社株式」という。)を保有しており、出資割合はいずれも100%である。
 なお、本件各外国子会社株式は、いずれも金融商品取引法第2条《定義》第16項に規定する金融商品取引所又は同取引所に類するものであって外国に所在するものに上場されていない又は当該上場の申請がされていない株式であり、かつ、同法第67条の11《店頭売買有価証券登録原簿への登録》第1項に規定する店頭売買有価証券登録原簿又は同登録原簿に類するものであって外国に備えられるものに登録されていない又は当該登録の申請がされていない株式である。
ニ 本件各外国子会社は、本件相続開始日現在において、別表2に記載の23隻の船舶(以下「本件各船舶」という。)をそれぞれ同表のとおり所有していた。
 なお、本件各船舶のうちe船舶、f船舶及びg船舶の3隻(以下、これらを併せて「本件各売却予定船舶」といい、本件各売却予定船舶を除く20隻を「本件各継続保有船舶」という。)は、本件相続開始日において売買契約を締結していたが、引渡しは未了となっていた。
ホ 請求人は、本件各船舶のうちe船舶を除く22隻について、本件相続開始日における船価評価額の算定をW社に依頼したところ、W社は、算定を依頼された船舶の船価評価額を米ドルで表示した平成21年5月19日付の船価評価書(以下「本件評価書」という。)を作成した。
 なお、本件評価書における船価評価額は、当該各船舶に係る用船契約を基に収益還元法を用いて算定されている。
ヘ 請求人は、次のとおり、本件株式の相続税評価額を純資産価額方式(評価通達185に定める評価方法をいう。)により算定した。
(イ) 本件各船舶のうち、本件各売却予定船舶については売却予定価額を、本件各継続保有船舶については帳簿価額を基にして、別表2の「申告額」欄のとおり、それぞれ評価額を算定した。
(ロ) 次に、本件各外国子会社株式の純資産価額の計算上、本件各船舶の評価額を別表2の「申告額」欄のとおり資産に計上し、別表3の「申告額」欄のとおり、「純資産価額」欄が債務超過となっている5社の株式の評価額を零円とした上で、本件各外国子会社株式の評価額の合計額を2,710,954,000円と算定した。
(ハ) そして、本件株式の純資産価額の計算上、本件各外国子会社株式の評価額の合計額を資産に計上した上で、本件株式の1株当たりの相続税評価額を16,432円と算定した。
ト 原処分庁は、次のとおり、本件株式の相続税評価額を純資産価額方式により算定した。
(イ) 本件各船舶のうち、本件各売却予定船舶については売却予定価額から手付金額を控除した売買残代金請求権の額を基に、また、本件各継続保有船舶については当該船舶に係る本件評価書の各船価評価額(以下、これらを併せて「本件各評価額」という。)をそれぞれ邦貨換算した金額を基に、別表2の「原処分額」欄のとおり、評価額を算定した。
(ロ) 次に、本件各外国子会社株式の純資産価額の計算上、本件各船舶の評価額を別表2の「原処分額」欄のとおり資産に計上し、別表3の「原処分額」欄のとおり、「純資産価額」欄が債務超過となっている5社の株式の評価額を零円とした上で、本件各外国子会社株式の評価額の合計額を5,066,949,000円と算定した。
(ハ) そして、本件株式の純資産価額の計算上、別表4のとおり、本件各外国子会社株式の評価額の合計額を資産に計上した上で、本件株式の1株当たりの相続税評価額を38,784円と算定した。

(5) 争点

  1. 争点1 本件各外国子会社株式の評価に当たり、本件各評価額を基に本件各継続保有船舶の評価額を算定することの適否
  2. 争点2 本件株式の評価に当たり、債務超過にある外国子会社の株式を零円と評価することの適否

トップに戻る

2 主張

(1) 争点1について

原処分庁 請求人
 原処分庁が、本件各評価額を精通者意見価格として採用し、本件各継続保有船舶の評価額を算定したことは、次のとおり適正である。  原処分庁が、本件各評価額を精通者意見価格として採用し、本件各継続保有船舶の評価額を算定したことは、次のとおり適正ではない。
イ 船舶の評価は、評価通達136のとおり、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価するが、売買実例価額が明らかでない場合でも、精通者意見価格が明らかであれば、それにより評価することができる。 イ 船舶の評価は、評価通達136のとおり、売買実例価額を基に精通者意見価格等を参酌して評価するため、売買実例価額が明らかでない場合は、精通者意見価格を参酌して評価することはできない。
ロ 本件各評価額は、船舶の価格事情に精通し適正な船価評価を期待できる精通者が評価した客観的な価額であり、原処分庁は、本件各売却予定船舶の売却予定価額をはじめ各種検討した上で本件各評価額を本件相続開始日における時価として適正であると判断して採用していることから、他の精通者意見価格がなくとも問題はない。 ロ 本件各評価額は、1業者による評価額で他の評価額がないため客観性が保たれているとはいえず、また、市場価格が大幅に下落する前に売買契約を締結していた本件各売却予定船舶の売却予定価額では比較対象にならない上、原処分庁は、本件各評価額が本件相続開始日における時価を反映した評価額であるかを検証していない。
ハ 収益還元法は、船舶の価格事情に通じた精通者が、時価の算定に当たり複数の評価方法を考察、検証した上で選択したものであり、評価通達136は精通者の選択する評価方法についてまで定めるものではないことから、収益還元法を選択したことは適正である。
 また、原処分庁は、本件各評価額の妥当性について検討した上で客観的な評価額であると判断している。
ハ 収益還元法は、評価通達136を含め法令等に規定がないことから、相続財産の時価を算定するのに適正な評価方法ではない。
 また、仮に、収益還元法により評価するとしても、既にある契約の用船料でなく、本件相続開始日において新規契約した場合の用船料に基づき評価すべきである。
ニ 本件各評価額は、相続税法第22条及び評価通達136に照らし、請求人から提出を受けた各種資料を基に検討した結果、本件相続開始日における船価評価を行う際の精通者意見価格として採用したものであり、原処分の本件各継続保有船舶の評価額の算定過程には何ら瑕疵はない。 ニ 本件各評価額のうちに誤った基礎資料を用いて算定しているものがあることから、基礎資料を適正に判断して本件各評価額が算定されているとは認められない。
 また、仮に、本件各評価額を基に船舶の評価を行うとしても、その基礎資料に誤りがある場合には、誤りのない基礎資料に基づいた再評価額によるべきである。
ホ 船舶の評価において、精通者意見価格から30%の控除ができるとする法令等の根拠はない。 ホ 評価の安全性の観点から、あるいは、用船中の船舶は貸家と同様である点から、本件各評価額から30%を評価減相当分として控除すべきである。
ヘ 本件各継続保有船舶については、精通者意見価格が明らかであるので、評価通達136のただし書にある、同種同型の船舶の課税時期の新造価額から減価償却費を控除する方法(以下「評価通達136のただし書による原価法」という。)により評価することはできない。
 なお、帳簿価額を基とする評価方法は、本件各売却予定船舶の売却予定価額が帳簿価額を大幅に上回っている事実などを踏まえると合理的であるとは認められず、また、松山地方裁判所平成19年2月14日判決(平成14年(行ウ)第12号課税処分取消請求事件)(以下「本件判決」という。)においては、個別の事例について例外的に認められたものであり、全ての船舶の評価について認めているわけではない。
ヘ 本件各継続保有船舶については、売買実例価額、精通者意見価格が明らかにできないため、評価通達136のただし書による原価法により評価することになる。
 そして、帳簿価額を基とする評価方法は、相続税法第22条及び評価通達136のただし書による原価法の趣旨に沿うもので、本件判決においても認められていることから、本件各継続保有船舶は帳簿価額を基として評価すべきである。

(2) 争点2について

原処分庁 請求人
 株式とは出資額を限度とした有限責任であり、パナマ共和国においても同様であるところ、J社は本件各外国子会社株式について出資額を限度とした有限責任を負うのみであるから、外国子会社が債務超過であったとしても、その株式は零円と評価することとなる。
 なお、J社は本件各外国子会社の借入金の債務保証をしているが、本件相続開始日において本件各外国子会社の借入金は弁済不能な状態ではないため、J社の純資産価額の計算上、保証債務の額として負債に計上することはできない。
 J社は、本件各外国子会社へ100%出資するとともに、本件各外国子会社の借入金全額について債務保証をしており、実質的には自身の債務と変わらない無限責任というべき状態にある。
 評価の原則は、財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情を考慮するものであるところ、本件各外国子会社の債務状況は本件株式の評価額に影響を及ぼすべき事情に当たるので、本件各外国子会社のうち債務超過となっている外国子会社の株式については、債務超過の額で評価すべきであり、本件株式の評価においても債務超過の額で株式の評価額を計上すべきであるので、これを零円と評価したことは適正ではない。

トップに戻る

3 判断

(1) 争点1について

イ 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ) 本件相続開始日当時の船舶取引市場の状況は、国土交通省海事局作成の「平成21年版 海事レポート」及び一般財団法人Y協会他2社作成の「○○○○報告書 平成21年4月」によれば、国際金融危機の影響により、平成20年9月以降年末にかけて、中古船市場においては価格が大幅に下落するとともに取引件数が激減し、新造船市場においても発注件数が極端に少なく、新造船建造契約のキャンセルも発生する状況にあった。
(ロ) W社の業務内容及び船価評価業務の概要は、W社の会社案内資料、本件評価書の記載事項及びW社の取締役Z(以下「Z取締役」という。)の当審判所に対する答述によると、次のとおりである。
A W社は、日本初の海運造船業界向けポータルサイトの運営を目的として平成12年2月に設立された法人であり、その出資者は、日本及びアジアの海事産業有数の企業群である大手商社、大手海運会社、海運造船業界専門出版社など計16社である。
 その業務は、まる1インターネットを通じた海運造船業界関係のニュース及び情報の配信、まる2海運造船業界向けのE−マーケットプレースの構築及び運営、まる3海運関連情報、レポート、船価評価などのコンサルティングサービスの提供を行うもので、これらの情報等は、金融機関や大手商社等に提供されており、その取引範囲も日本にとどまらず、アジア及び欧米に及んでいる。
B W社が有する船舶のデータベースは、船舶の売買仲介業者及び金融機関から入手する世界中の新造船及び中古船の取引事例を蓄積したもので、過去の事例ごとの取引内容並びに船舶の種類、サイズ、船齢別に、取引時期ごとの船価及び用船料が把握できるものであり、これを活用した同社の船価評価は年間約5,500隻に及び、国内でもトップクラスの実績がある。
C W社は、船価評価を実施するに当たり、取引事例比較法、原価法及び収益還元法の三通りの評価方法により考察、検証の上、最終評価額を決定するが、求められているのは市場価格であることから、取引事例比較法を評価方法の中核にしている。
 なお、特殊船など売買取引事例が希少であるため取引事例比較法が使用できない場合は、船ごとの船型・仕様などの特性を認識し、それらを検証の上、そのケースでの最適と思われる方法を採用している。
(ハ) 本件評価書は、Z取締役の当審判所に対する答述及び本件評価書の添付資料「運航採算シミュレーション(2008年11月23日時点)」によると、次のとおり作成された。
A W社は、本件相続開始日当時、国際金融危機の影響を受けて中古船市場での取引件数が激減していたため売買実例に基づく取引事例比較法では適正な船価評価ができず、また、新造船市場も新規に発注するような状況になく原価法で使用する再調達取得原価(新造船価)を適正に設定することが困難であったため原価法でも評価できないことから、残された評価方法である収益還元法によることが、本件相続開始日における船舶の市場価格を求めるための最適な方法と判断した。
B W社が採用した収益還元法による算定方法は次のとおりであり、必要な評価要素の数値は、過去の評価事例及び本件相続開始日当時の経済状況を踏まえて設定した。
まる1 船舶の資金調達について、その80%を借入金、20%を自己資金と設定。
まる2 評価対象船舶の本件相続開始日における用船契約の用船料を基に将来の収入を計算し、そこからその船型の一般的な運航管理費用、元本償還額及び支払利息を差し引いて用船期間1年ごとのキャッシュフローを算定。
まる3 船型等を基にデータベースにより評価対象船舶の将来(用船期間経過後)の推定売船価格を算定。
まる4 まる2の1年ごとのキャッシュフロー及びまる3の推定売船価格をそれぞれ現在価値に引き直して合計。
まる5 まる4の現在価値の合計がまる1の自己資金に等しくなるような船価を求めて船舶の評価額を算定。
C 本件各評価額の算定に当たり、上記Bのとおり、本件相続開始日における用船契約の用船料を基に収入を計算したのは、用船契約が船主と用船者の信頼関係に基づき成立するもので、市況が悪化しても既にある契約を解約せずにそのまま履行される場合が多く、本件各継続保有船舶についても用船者の信頼性が高いことを考慮して本件相続開始日における用船契約の用船料に基づく収入が見込めると判断したためである。
D W社が本件相続開始日における本件各評価額の算定の基にしたのは、請求人側から提供された評価対象船舶の船名、船種、建造年月、建造価格、用船料、用船期間などを記載した「J社株式会社 所有船舶明細」(以下「本件船舶明細書」という。)であり、用船契約書は確認していない。
(ニ) 請求人は、本件各評価額には誤った基礎資料を用いて算定されたものがあるとして、本件各継続保有船舶のうちh船舶及びd船舶の再評価をW社に依頼し、それぞれの評価額を別表5の「再評価額」欄のとおりとする平成23年7月29日付の船価評価書(以下「本件再評価書」という。)を、当審判所に対して提出した。
(ホ) W社は、次の事実に基づき本件再評価書を作成した。
A h船舶について
 本件各評価額のうちh船舶の評価額は、用船期間中の用船料を本件船舶明細書に記載のとおり9,600米ドル/日として算定していたが、当該船舶の用船契約書の用船料は別表5の「再評価した理由」欄のとおりであり、用船料が相違していた。
B d船舶について
 本件各評価額のうちd船舶の評価額は、本件船舶明細書に記載のとおり一定期間後に用船者が船舶を買い取るオプション(以下「買取りオプション」という。)が付されていない用船契約であるとして推定売船価格を算定していたが、J社によると平成17年の用船契約の成立当初に買取りオプション(10年後12億円)について口頭の合意があり、用船者であるX社の平成17年8月22日付の当該用船契約に係る同社社内メールの「期中買取オプション 10年経過時 12億円」の表記と合意内容が一致し、更に、後日作成された用船契約の追加事項を定めた契約書である「ADDENDUM」の記載内容とも一致することから、当該買取りオプションは本件相続開始日において有効であった。
(ヘ) 当審判所は、別表5の「番号」欄のまる3ないしまる7の各船舶について、本件各評価額の算定に用いた本件船舶明細書の記載内容が当該各船舶の用船契約書の内容と一致しなかったことから、W社に対して当該各船舶の用船契約書に基づく再評価を依頼したところ、W社は、同表の「再評価した理由」欄の理由により、同表の「再評価額」欄のとおり再評価額を算定した(以下、別表5の「船舶名」欄の各船舶を併せて「本件各再評価船舶」といい、同表の「再評価額」欄の各再評価額を併せて「本件各再評価額」という。)。
 なお、本件各再評価額のその他の算定条件は、本件各評価額と変更はない。
ロ 法令等解釈
(イ) 相続税法における財産の評価
 相続税法第22条は、相続により取得した財産の価額は、同法に特別の定めがあるものを除き、当該財産の取得の時における時価によるものと規定しており、ここにいう「時価」とは、相続開始時における財産の客観的な交換価値をいうものと解するのが相当であるところ、相続財産の客観的な交換価値は必ずしも一義的に確定されるものではないことから、課税実務においては、原則として評価通達の定めによって評価した価額をもって時価とすることとされている。かかる取扱いは、租税負担の公平、効率的な税務行政の実現等の観点から、評価通達に定められた評価方法が合理的なものである限り、当審判所においても相当であると認められる。
(ロ) 取引相場のない株式の評価方法
A 取引相場のない株式は、その発行会社の規模も上場会社に匹敵するものから個人企業と変わらないものまで千差万別であることなどから、評価通達は、取引相場のない株式の価額について、合理的、かつ、その実態に則した評価を行うため、評価会社の規模を大会社、中会社、小会社に分かち、上場会社に匹敵するような大会社の株式は、上場会社の株式の評価との均衡を図ることが合理的であるので、原則として、類似業種比準価額方式(評価通達180《類似業種比準価額》に定める評価方法をいう。)により評価し、その経営実態において個人企業に近い小会社の株式は、会社経営と所有の分離もなく株式の流動性も少ないことから、純資産価額方式により評価することとし、その中間にある中会社の株式については、大会社の評価方式と小会社の評価方式を併用して評価することとしている。これらの評価方法は、評価会社の規模等に応じて適正な評価を行うために定められているものと解され、かかる取扱いは当審判所においても合理的であると認められる。
B 評価通達5−2によれば、国外にある財産の価額についても、評価通達の定めにより評価することから、外国法人が発行する取引相場のない株式に準ずる株式であっても、上記Aの評価方法が適用されることになるが、類似業種比準価額方式は、上記Aのとおり、上場会社の株式の評価との均衡を図ることを理由に採用されているものであり、比準する類似業種株価等の計算の基となる標本会社は、日本国内に株式を上場している内国法人を対象としていることからすると、同方式を適用する株式は、内国法人が発行する取引相場のない株式を対象としているものと解される。そうすると、外国法人が発行する取引相場のない株式に準ずる株式については、当該外国法人の会社規模に関わらず、純資産価額方式により評価するのが相当である。
(ハ) 船舶の評価方法
A 評価通達136は、船舶の価額は、原則として売買実例価額、精通者意見価格等を参酌することとし、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない場合には、評価通達136のただし書による原価法により評価する旨定めているところ、相続税法第22条にいう時価とは、上記(イ)のとおり客観的な交換価値をいうのであり、その取引において売主と買主との間の自由な合意により形成された売買価格は、船舶の売買時点における客観的な交換価値として、当該時価の認定の極めて大きな資料となる一方で、売買実例については、それが偏在していたり、売買条件修正が困難な場合もある。また、多数の船舶の取引事例を収集・蓄積した上で、実例ごとの取引の内容、船舶の種類、サイズ、船齢などの別に、取引時期ごとの船価及び用船料を把握し、これらの分析を基に船価評価の鑑定を行っている船舶の取引事例に通じた精通者の意見価格も時価を算定するに当たって参酌すべき代表的要素であるといえる。したがって、これらの算定方法は時価を算定するに当たって十分合理性があるところ、その意味は、時価を算定するに当たって参酌すべき代表的な要素として、売買実例価額及び精通者意見価格等を例示しているにすぎないのであって、そのことは評価通達が参酌すべき要素を必ずしも上記2つに限定していないことからすると、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等が存在する場合には、それぞれ参酌して評価することとし、そうとはいえ必ずしも売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない場合には、評価通達136のただし書による原価法により評価することとしているのは、船舶の適正な時価を求める評価方法として合理的であると解され、かかる取扱いは当審判所においても相当であると認められる。
B 評価通達136の趣旨が上記のとおりであることからすると、まる1売買実例価額及び精通者意見価格等が明らかな場合にはこれらを参酌して、まる2売買実例価額又は精通者意見価格等のいずれかが明らかな場合にはいずれか明らかな価額又は価格等を基として、まる3売買実例価額及び精通者意見価格等が明らかでない場合には評価通達136のただし書による原価法により評価するのが相当である。
 また、上記(イ)のとおり、評価通達によることができるのは、評価通達に定められた評価方法が合理的なものである場合に限られることからすると、評価通達136において参酌できる売買実例価額、精通者意見価格等とは、合理性があるものに限られると解するのが相当である。
ハ 当てはめ
(イ) 本件株式の評価方法について
 本件株式は、上記1の(4)のロのとおり、開業後3年未満の会社等の株式に該当することから、本件株式の評価方法は評価通達189−4により純資産価額方式になるところ、J社は、上記1の(4)のハのとおり、本件各外国子会社株式を保有しているから、本件株式の純資産価額の計算上、本件各外国子会社株式を資産に計上する必要がある。
 次に、本件各外国子会社株式は、上記1の(4)のハのことからすると、外国法人が発行する取引相場のない株式に準ずる株式といえるから、上記ロの(ロ)のBのとおり、その評価額は純資産価額方式により算定するのが相当である。そして、本件各外国子会社は、上記1の(4)のニのとおり本件各船舶を保有しているから、本件各外国子会社株式の純資産価額の計算上、本件各船舶の価額を資産に計上する必要がある。すなわち、本件株式の評価に当たっては、まず、本件各船舶の評価額を算定する必要があるということになる。
 この点、本件各船舶のうち本件各継続保有船舶の評価額の適否について争いがあるから、以下検討する。
(ロ) 本件各評価額について
A W社について
 本件各評価額を算定したW社は、上記イの(ロ)のA及びBのとおり、海運業界及び造船業界の関係会社の共同出資により設立された法人で、関係業界が信頼を置く法人であるということができ、また、船舶取引市場の事情に通じた専門家で、新造船及び中古船に関するデータベースを多数有し、それに基づく船価評価の実績も豊富であることから、適正な船舶の評価を行うことの信頼性が高い精通者に当たると認められる。
 また、W社の船舶の評価方法は、上記イの(ロ)のCのとおり、取引事例比較法を中核に原価法及び収益還元法を加えた三手法で考察、検証して評価額を決定するところ、これは、一般に評価対象財産の経済的価値を判定する場合には、まる1それが市場においてどれほどの値段で取引されているものであるか(市場性)、まる2それにどれほどの費用が投じられて造られたものであるか(費用性)、まる3それを利用することによってどれほどの収益が得られるものであるか(収益性)という三つの観点から考慮するのが通例であり、当該三手法は、上述のまる1ないしまる3の各観点に対応して一般的に是認され、現に利用されていることから、船舶の評価方法として相当なものであると認められる。
B 収益還元法の採用について
 本件各評価額は、上記1の(4)のホのとおり、収益還元法を用いて算定されているところ、本件相続開始日当時は、上記イの(イ)及び(ハ)のAのとおり、国際金融危機の影響で中古船の売買件数及び新造船の発注件数が激減しており、その状況において成立した売買価格及び新造船価格についても特殊な状況下で個別の事情を多く含んでいる価格であることから、不特定多数の当事者間において通常成立すると認められる価格を算定するための適切かつ必要な事例が存在するとは認め難く、取引事例比較法及び原価法による評価ができる状況にはなかったものと認められる。
 そして、取引事例比較法、原価法及び収益還元法という鑑定評価の三手法は、相互に補完し合い同一の価格を指向するものであることから、基本的には併用すべきものであるが、これら三手法を併せて初めて評価機能を果たすということではなく、個々に独立して対象財産の通常成立すると認められる価格を評価するものであり、また、収益還元法は、上記Aのとおり、評価対象財産が生み出す収益に着目し、その評価対象財産を買うことによっていくらの収益を得られるか、換言すれば、その評価対象財産から一定の収益を得ることとした場合に、一般的な需要者はいくらであればその評価対象財産を買うであろうかという観点から、評価対象財産を評価しようとする方法であることから、用船契約が締結されている本件各継続保有船舶を評価する場合には有効な手法であると解される。
 そうすると、上記イの(ハ)のAのとおり、W社が、本件相続開始日当時における船舶取引市場の状況を踏まえ取引事例比較法及び原価法を断念したのはやむを得ないことであり、本件各継続保有船舶の評価額の算定に収益還元法を採用したことは合理的であると認めるのが相当である。
C 本件各評価額の算定方法について
 本件各評価額の算定方法は、上記イの(ハ)のBのとおり、船舶を建造又は購入する場合に一般的である借入による資金調達を評価要素の一つとした、収益還元法の一手法であるDCF法に基づいた算定方法であるといえることから、本件各評価額は合理的な方法により算定されたものと認められる。
D 本件各評価額の合理性について
(A) 本件各評価額については、上記Aのとおり、船価評価の専門家であるW社が、上記Bのとおり、諸条件を検討の上収益還元法を採用したもので、その採用過程に不合理な点は認められない。また、W社は、上記イの(ハ)のBないしD及び上記Cのとおり、本件各評価額を本件船舶明細書の記載内容を基に、合理的な算定方法に基づいて本件相続開始日における価格として算定したものであるから、本件各評価額は、本件船舶明細書の記載内容に即した時価を反映した合理的なものといえる。
 そうすると、本件各評価額のうち、算定の基とした本件船舶明細書の記載内容と当該船舶の本件相続開始日における用船契約の内容が一致しているものについては、本件相続開始日における適正な時価として合理的なものといえ、本件各継続保有船舶に係る評価通達136にいう精通者意見価格と認められる。
(B) しかしながら、本件各再評価船舶に係る本件各評価額については、上記イの(ホ)及び(ヘ)のとおり、本件船舶明細書の記載内容が、本件相続開始日の用船契約に係る用船料あるいは買取りオプション事項と一致しない誤ったものであり、本件相続開始日における用船契約の内容を反映したものでないため、本件相続開始日における時価として合理的なものであるとはいえず、評価通達136にいう精通者意見価格とは認められない。
 この点に関して、原処分庁は本件各継続保有船舶の評価額の算定過程には何ら瑕疵はない旨主張するが、上述のとおり、本件各評価額のうち本件各再評価船舶に係るものについては、本件相続開始日における用船契約の内容とは異なる条件に基づき評価されていることから、原処分庁の主張には理由がない。
(ハ) 本件各再評価額について
 本件各再評価船舶に係る本件各評価額は、上記(ロ)のDの(B)のとおり、合理的なものであるとはいえないところ、上記イの(ニ)ないし(ヘ)のとおり、W社において、本件相続開始日における用船契約の内容に基づいて、次のとおり見直した本件各再評価額は、合理的な算定方法に基づくもので時価を表象したものといえることから、評価通達136にいう精通者意見価格と認められる。
A h船舶の評価額について、上記イの(ホ)のAの事実を基に見直した結果、別表5のまる1の「再評価額」欄のとおりとなる。
B d船舶の評価額について、上記イの(ホ)のBの事実を基に見直した結果、別表5のまる2の「再評価額」欄のとおりとなる。
C 別表5の「番号」欄のまる3ないしまる5の各船舶の評価額について、用船契約書記載の期間別の各用船料を基に見直した結果、同表のまる3ないしまる5の「再評価額」欄のとおりとなる。
 また、別表5の「番号」欄のまる6の船舶の評価額について、用船契約書記載の用船料等を基に見直した結果、同表のまる6の「再評価額」欄のとおりとなる。
 さらに、別表5の「番号」欄のまる7の船舶の評価額について、買取りオプションが付されていないものとして見直した結果、同表のまる7の「再評価額」欄のとおりとなる。
(ニ) 本件各継続保有船舶の評価について
 本件各継続保有船舶については、上記イの(イ)及び(ハ)のAのとおり、売買実例価額とすべき事例がなく、上記(ロ)のD及び(ハ)のとおり、本件各継続保有船舶のうち、本件各再評価船舶を除くものについては本件各評価額が、本件各再評価船舶については本件各再評価額が、それぞれ評価通達136にいう精通者意見価格であると認められる。そうすると、本件各継続保有船舶は、合理性のある精通者意見価格が明らかであることから、上記ロの(ハ)のとおり、当該精通者意見価格を基に評価するのが相当である。
 したがって、請求人の主張する評価通達136ただし書による原価法により評価することはできず、加えて、帳簿価額を基に船舶の評価ができる場合にも該当しないというべきである。
ニ その他の請求人の主張について
(イ) 請求人は、仮に、本件各継続保有船舶を収益還元法で評価するとしても、本件相続開始日において新規契約した場合の用船料に基づき評価すべきである旨主張する。
 しかしながら、収益還元法は、上記ハの(ロ)のBのとおり評価対象財産が生み出す収益を基に算定する手法であり、現に収益を生み出している財産については現実に生み出される収入に基づいて収益を計算すべきであり、加えて上記イの(ハ)のCのとおり、市況が悪化したとしても用船契約は解約されずそのまま履行される場合が多いと認められることから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
(ロ) また、請求人は、評価の安全性の観点から、あるいは、用船中の船舶は貸家と同様である点から、本件各評価額から30%相当額の控除が認められるべきである旨主張する。
 しかしながら、上記ハの(ニ)にいう本件各継続保有船舶に係る精通者意見価格は、上記ハの(ロ)のD及び(ハ)のとおり、本件相続開始日における時価として合理的な評価額であるから、安全性を考慮する必要はなく、また、本件相続開始日において有効である用船契約に基づき算定されたもの、すなわち、用船中であるとの要素が既に斟酌されているものであるから、当該精通者意見価格から30%相当額を控除して評価する必要はない。
したがって、請求人の主張には理由がない。

(2) 争点2について

イ 認定事実
 パナマ共和国の株式会社における株主は、別紙2の7のとおり、会社の債権者に対してその有する株式の出資に関する未支払額を限度としてのみ責任を負うとされているところ、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、J社は、本件相続開始日において本件各外国子会社株式の出資について未支払額はないことが認められる。
ロ 債務超過にある外国子会社の株式を零円と評価することの合理性
 上記(1)のハの(イ)のとおり、本件各外国子会社株式は、純資産価額方式により評価することとなるところ、評価通達185のとおり、同方式による評価方法は、大要、評価対象会社の保有する資産から同会社が負っている債務を控除して評価額を算定するという、ストックとしての純資産に着目して株式を評価する手法であり、株主が会社の残余財産分配請求権を有することに照らし、会社を解散し、清算した場合に株主が所有する株式数に見合う会社財産を手にすることに着目して株式を評価する手法であるといえるから、純資産価額方式がこのような手法である以上、同方式で評価対象会社の株式を評価する場合には、その評価額が零円を下回ることはないというべきである。したがって、純資産価額方式により債務超過状態にある会社の株式を評価する場合には、その評価額は、零円とするのが相当である。
 この点について請求人は、J社は本件各外国子会社に対し100%出資するとともに本件各外国子会社の借入金全額を債務保証する無限責任の状態で自身の債務と変わらないことから、本件各外国子会社の債務状況は本件株式の評価額に影響を及ぼすべき事情に当たるので、本件株式の評価に当たっては、債務超過である外国子会社の株式の評価額は債務超過の額で評価して計上すべきである旨主張する。
 しかしながら、上記イのとおり、J社は、本件各外国子会社の株主としては何らの法的な責任を負うことはなく、本件各外国子会社株式の株主の責任において本件各外国子会社の債務を負うことはない。そして、J社が本件各外国子会社の借入金全額を債務保証しているとしても、それは、本件各外国子会社の債務の保証人としての責任を負っているものであって、請求人の上記主張は、本件各外国子会社の株主としての責任と債務の保証人としての責任を混同したものといわざるを得ない。
 したがって、請求人の主張は採用できない。

(3) 本件株式の相続税評価額について

イ 本件各船舶の相続税評価額
(イ) 本件各継続保有船舶
 本件各継続保有船舶の相続税評価額は、上記(1)のハの(ニ)のとおり、本件各継続保有船舶のうち、本件各再評価船舶を除くものについては本件各評価額を、本件各再評価船舶については本件各再評価額を基にして、それぞれ算定するのが相当であるところ、この基にする評価額は、別表6の「審判所認定額」の「船舶の評価額」欄のとおりとなる。そこで、同欄の評価額を基にして相続税評価額を算定したところ、同表の「審判所認定額」の「相続税評価額」欄のとおりとなる。
(ロ) 本件各売却予定船舶
 本件各売却予定船舶の相続税評価額は、売却予定価額を基に算定する点に争いがないため、売却予定価額から手付金相当額を控除した売買残代金請求権の額により算定したところ、別表6の「審判所認定額」の「相続税評価額」欄のとおりとなる。
ロ 本件外国子会社株式の相続税評価額
 本件各外国子会社株式の相続税評価額は、上記(1)のハの(イ)のとおり、純資産価額方式により算定するところ、本件各外国子会社のうち、船舶の相続税評価額の変更があった6社について、上記イのとおり算定した別表6の船舶の相続税評価額をそれぞれ資産に計上して、当該各外国子会社の純資産価額を算定すると、別表7−1ないし別表7−6のとおりとなり、本件各外国子会社株式の相続税評価額の合計額は、別表8の資産の部の海外子会社出資金の「相続税評価額」欄のとおり4,126,430,000円となる。
ハ 本件株式の相続税評価額
 本件株式の相続税評価額は、上記(1)のハの(イ)のとおり、純資産価額方式により算定するところ、上記ロのとおり算定した本件各外国子会社株式の相続税評価額の合計額4,126,430,000円をJ社の資産に計上して、本件株式の1株当たりの純資産価額を算定すると、別表8の「課税時期現在の1株当たりの純資産価額(相続税評価額)」欄のとおり29,692円となり、これに株式数9,000株を乗じて算定すると、請求人が取得した本件株式の相続税評価額は267,228,000円となる。

(4) 本件更正処分について

 請求人が取得した本件株式の相続税評価額は、上記(3)のハのとおり267,228,000円であり、これにより請求人の取得した財産の価額の合計額を算定すると、別表9のまる3の「審判所認定額」欄のとおり○○○○円となる。
 そうすると、請求人の相続税の課税価格は別表9のまる8の「審判所認定額」欄のとおり○○○○円、納付すべき税額は同表のまる13の「審判所認定額」欄のとおり○○○○円となる。
 以上の結果、請求人の相続税の課税価格及び納付すべき税額は本件更正処分の金額を下回るから、本件更正処分は、その一部を別紙1のとおり取り消すべきである。

(5) 本件賦課決定処分について

 本件更正処分は、上記(4)のとおり、その一部を取り消すべきであるところ、上記(4)の納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちに本件更正処分前の税額の基礎とされていなかったことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由があるとは認められない。
 そこで、通則法第65条第1項及び第2項の規定に基づき請求人の過少申告加算税の額を算定すると、請求人の過少申告加算税の額の基礎となる税額は○○○○円、同条第2項の規定による加算税の基礎となる税額は○○○○円であり、正当に計算した過少申告加算税の額は、別表10のまる5の「審判所認定額」欄のとおり○○○○円となり、この金額は本件賦課決定処分の金額を下回るから、本件賦課決定処分は、その一部を別紙1のとおり取り消すべきである。

(6) その他

 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

トップに戻る

トップに戻る