第二次納税義務

第二次納税義務の通則

  1. 第二次納税義務の通則(4件)
  2. 清算人等の第二次納税義務
  3. 共用的な事業者の第二次納税義務
  4. 無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務
  5. 事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務
  6. その他

主たる納税義務が存続する限り、第二次納税義務がこれと別個に独立して時効により消滅することはないとした事例

裁決事例集 No.39 - 445頁

 第二次納税義務の本質は、主たる納税義務者に対する徴収処分の延長あるいは一段階として捕らえるべきものであるから、第二次納税義務は、主たる納税義務の存否と運命を共にするものと考えるのが相当であって、主たる納税義務が存続する限り、第二次納税義務がこれと別個に独立して時効により消滅することはないものと解すべきであるところ、本件納税者に対する納税義務については、昭和59年8月27日に督促状が発付されたことにより同年9月6日に時効が中断され、同日より5年以内である平成元年4月10日に請求人に対する第二次納税義務の告知が行われた事実が認められるから、請求人の第二次納税義務は時効により消滅していないというべきである。

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同族会社の判定の基礎となった株主が、その同族会社の滞納国税の内容及び発生過程を知らされていなくとも、国税徴収法第37条に規定する第二次納税義務は成立するとした事例

裁決事例集 No.41 - 335頁

 同族会社の判定の基礎となった株主である請求人は、第二次納税義務の告知の原因となった同社の滞納国税について、その内容及び発生過程を全く知らされていないため、右告知は納得できない旨主張するが、国税徴収法第37条の規定によれば、納税者(滞納会社)が同族会社で、その判定の基礎となった株主が当該納税者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産を有し、かつ、当該財産に関して生ずる所得が当該納税者の所得となっている場合において、当該納税者がその供されている事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分をしても、なおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該株主は、当該財産を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負うものとされ、当該第二次納税義務を負うこととなる者が、第二次納税義務の告知の原因となった滞納国税について、その内容及び発生過程を知り得たか否かをその成立要件としているものではないと解されるところ、本件告知は、国税徴収法第37条の規定に従い適法に行われていることが認められ、したがって、この点に関する請求人の主張は失当である。

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相続税法第34条の連帯納付義務者から金銭の贈与を受けた者に対する国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分が適法であるとした事例

裁決事例集 No.65 - 1024頁

  1.  国税徴収法第39条と詐害行為取消しとの関係
     国税徴収法第39条の第二次納税義務は、滞納者の悪意を要件としていないものと解されていることに加えて、無償譲渡等の処分のみを対象としていること、無償譲渡等の処分が国税の法定納期限の1年前の日以後にされたものであること、特殊関係者を除き、利益が現に存する限度に限られること、訴訟手続は要しないことなどの点において詐害行為取消しとは法律的構成を異にしている。また、国税通則法第42条は民法第424条の準用規定であるにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度の目的は、徴税手続の合理化及び効率化を図ることにあると解すべきである。
     そうすると、国税徴収法第39条の適用においては、無償譲渡等の行為が詐害行為等に該当するか否かの判断まで求められるものではなく、同条が明文で規定するすべての要件を充足すれば当然に適用が可能であると解するのが相当である。
  2.  合理的理由に基づく贈与と国税徴収法第39条との関係
     請求人は、無償譲渡等の処分に関し、東京地裁昭和45年11月30日判決を引用して、贈与が合理的な理由に基づく場合には国税徴収法第39条を適用すべきでない旨主張する。
     しかしながら、請求人が引用する同判決は、金銭の授受に対価性があると認定された事例であって、本件とは前提を異にするし、本件贈与が請求人のいう「子あるいは血縁の者や親交の深い者に対して贈与税を支払った上でなされた一般的な形態」のものであるならば、正に国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当することとなるのであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
  3.  「法定納期限の1年前の日」の解釈
     国税徴収法第39条の「法定納期限の1年前の日」については、請求人が主張するように解すべき法令上の規定はなく、本件の場合、A(第二次納税義務の主たる納税義務者、相続税の連帯納付義務者)の法定納期限は、B(相続税の本来の納税義務者)の法定納期限である平成4年1月20日と同一と解されるところ、その1年前の日の平成3年1月20日が「法定納期限の1年前の日」に当たると解するのが相当である。
     なお、請求人のいう不合理は、徴収不足と無償譲渡等との基因関係の問題で処理されるべきものであって、本件の場合とは前提を異にし、また、お知らせ文書や督促状を受けてから8年以上も遡って第二次納税義務を負うという異常な結果を招来するという指摘については、第二次納税義務に除斥期間はなく、無償譲渡等後8年経過していたとしても、それをもって第二次納税義務の対象としないということはできない。
     おって、請求人は、相続税法第34条第1項の連帯納付義務についても告知が必要である旨主張するが、国税通則法第36条第1項が納税の告知を要する場合として列挙する各号は限定的なものと解されており、また、相続税法第34条第1項について告知を要する旨を定めた法令上の規定はないことから、採用できない。
  4.  第二次納税義務の補充性
     国税徴収法第39条に規定する「徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは、納付通知書を発する時の現況において、納税者に帰属する財産で滞納処分により徴収できるものの価額が、滞納国税の総額に満たないと認められることをいうと解されるところ、補充性の判断においては、納税者に帰属する財産の減価理由までも要求するものではないことは明らかであるし、また、第二次納税義務者に対し、主たる納税義務者である相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務者のその本来の納税義務者に係る延納の担保の内容等を明らかにすべき旨を定めた法令上の規定はなく、この点についての請求人の主張は採用できない。
     なお、請求人は、Aが「相続により受けた利益の価額」は、取得した財産の価額から相続税法第19条の2規定の適用前の相続税額を控除した額であると主張するが、取得した財産の価額から控除するのは現に納付すべき相続税であると解するのが相当である。
  5.  Aの連帯納付義務
     第二次納税義務の納付告知を受けた者は、主たる納税義務が不存在又は無効でない限り、当該納付告知の取消しを求める訴えにおいて、主たる納税義務の存否又は数額を争うことはできないと解されており、また、相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、相続税の徴収を確保するため、相互に各相続人等に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解されている。
     これを本件についてみると、主たる納税義務の不存在又は無効とは、主たる納税義務が相続税法第34条第1項の連帯納付義務の場合、連帯納付義務の不存在又は無効の判断は、本来の納税義務が不存在又は無効であるかにより判断すべきところ、Bの申告手続に無効となるべき重大かつ明白な瑕疵は認められないことから、Aの連帯納付義務の違法等を理由に本件告知処分は違法であるとする請求人の主張は採用できない。

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破産手続が異時廃止により終了したとしても、それによって破産法人の法人格は消滅せず、清算の目的の範囲内で、その法人格は存続しているとした事例

平成25年5月21日裁決

《ポイント》
 本事例は、破産手続が異時廃止により終了したとしても、清算の目的の範囲内でその法人格は存続するから、破産手続廃止決定を受けた滞納法人を主たる納税義務者とする滞納国税の納税義務は存続しているとしたものである。

《要旨》
 請求人は、滞納法人は費用不足で破産手続廃止となったことにより、その法人格が消滅し、その納税義務も消滅したから、請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分、不動産の差押処分及び債権の差押処分は取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、滞納法人の破産手続は、破産法第220条《破産手続終結の決定》第1項が規定する配当等による終結ではなく、同法第217条《破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定》第1項が規定する異時廃止によって終了していることから、会社法第475条《清算の開始原因》に規定する清算が行われた場合と同じであるということはできず、そうすると、破産手続開始の決定による解散の効果として、同条第1号の規定により清算しなければならず、同法第476条《清算株式会社の能力》の規定により、清算の目的の範囲内で滞納法人の法人格は存続していることから、請求人の主張はその前提を欠くものであって採用できない。

《参照条文等》
 会社法第471条、第475条、第476条
 破産法第35条、第217条、第220条

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