(平成23年2月8日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、電子機器製造業を営む審査請求人(以下「請求人」という。)の従業員が請求人の売上代金等を不正に取得していたことによって生じた損害賠償請求権について、原処分庁が、当該不正行為による損害の生じた日の属する各事業年度の益金の額に算入すべきであるなどとして原処分を行ったのに対し、請求人が、その求償内容が個別具体的に確定した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであるなどとして、その一部の取消しを求めた事案である。

(2) 審査請求に至る経緯

イ 法人税の処分について
(イ) 請求人は、平成13年10月1日から平成14年9月30日まで、平成14年10月1日から平成15年9月30日まで、平成15年10月1日から平成16年9月30日まで、平成16年10月1日から平成17年9月30日まで、平成17年10月1日から平成18年9月30日まで及び平成18年10月1日から平成19年9月30日までの各事業年度(以下「平成14年9月期」などといい、各事業年度を併せて「本件各事業年度」という。)の法人税について、青色の確定申告書に別表1の「確定申告」欄のとおり記載して、提出期限(法人税法第75条の2《確定申告書の提出期限の延長の特例》第1項の規定により1月間延長されたもの。)までに提出した。
(ロ) 次いで、請求人は、原処分庁所属の調査担当職員の調査(以下「前回調査」という。)を受け、平成14年9月期、平成15年9月期及び平成16年9月期の法人税について、別表1の「修正申告等」欄記載のとおりとする各修正申告書を平成17年8月3日に提出したところ、原処分庁は、同月30日付で同表の「修正申告等」欄記載のとおりの過少申告加算税の賦課決定処分をした。
(ハ) さらに、原処分庁は、原処分庁所属の調査担当職員の調査(以下「本件調査」という。)に基づき、平成21年12月18日付で、本件各事業年度の法人税について、別表1の「更正処分等」欄記載のとおりの各更正処分(以下「本件法人税各更正処分」という。)並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分(以下「本件法人税各賦課決定処分」といい、本件法人税各更正処分と併せて「本件法人税各更正処分等」という。)をした。
(ニ) 請求人は、本件法人税各更正処分等を不服として、国税通則法(以下「通則法」という。)第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第1項第2号ロの規定により、平成22年2月16日に審査請求をした。
ロ 消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の処分について
(イ) 請求人は、平成14年10月1日から平成15年9月30日まで、平成15年10月1日から平成16年9月30日まで、平成16年10月1日から平成17年9月30日まで及び平成17年10月1日から平成18年9月30日までの各課税期間(以下「平成15年9月課税期間」などといい、各課税期間を併せて「本件各課税期間」という。)の消費税等について、確定申告書に別表2の「確定申告」欄のとおり記載して、法定申告期限までに提出した。
(ロ) 次いで、請求人は、前回調査を受け、平成15年9月課税期間及び平成16年9月課税期間の消費税等について、別表2の「修正申告等」欄のとおりとする各修正申告書を平成17年8月3日に提出したところ、原処分庁は、同月30日付で同表の「修正申告等」欄記載のとおりの過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分をした。
(ハ) さらに、原処分庁は、本件調査に基づき、平成21年12月18日付で、本件各課税期間の消費税等について、別表2の「更正処分等」欄記載のとおりの各更正処分(以下「本件消費税等各更正処分」という。)及び重加算税の各賦課決定処分(以下「本件消費税等各賦課決定処分」といい、本件消費税等各更正処分と併せて「本件消費税等各更正処分等」という。)をした。
(ニ) 請求人は、本件消費税等各更正処分等を不服として、平成22年2月16日に異議申立てをした。
(ホ) 異議審理庁は、本件消費税等各更正処分等に対する異議申立てについて、通則法第89条《合意によるみなす審査請求》第1項の規定により審査請求として取り扱うことが適当であると認め、平成22年3月30日付で請求人に同意を求めたところ、請求人は同年4月2日に同意したので、同日審査請求がされたものとみなされた。
ハ そこで、これらの審査請求について併合審理をする。

(3) 関係法令等

 別紙2のとおりである。

(4) 基礎事実

イ 請求人は、○○○○の開発設計、製造及び販売等を目的として、昭和27年4月○日に設立された資本金○○○○円の同族会社である。
ロ 請求人は、本件各事業年度において、消費税等の経理処理として、税抜経理方式を採用している。
ハ Rは、平成13年6月に請求人の○○事業部副事業部長の職に就任し、本件各事業年度において、○○事業部長を補佐するとともに、○○事業部長に対して企画立案、進言し、利益等に対してその責任を負う立場にあった。
ニ Rは、請求人の会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取るとともに、E農業協同組合F支所(平成15年6月○日の支所統廃合後はG支所。)に開設した請求人の会計帳簿に記載のない「○○○○事業部」名義(平成15年10月○日の名義変更後は「H社」名義。)の普通貯金口座(以下「本件貯金口座」という。)に、請求人に帰属する別表3記載の売上代金及び雑収入(以下「本件売上代金」という。)を振り込ませる方法により、これを不正に取得した(以下、本件売上代金を取得した行為を「本件不正行為」という。)。
ホ 本件不正行為は、平成20年7月ころに発覚し、Rは、同年9月16日付で、請求人に対し、本件不正行為を行って請求人に損害を与えた事実を認めるとともに、本件不正行為により請求人に与えた損害を請求人の請求があり次第、直ちに弁済する旨申し立てた(以下、Rに対する損害賠償請求権を「本件損害賠償請求権」という。)。
 なお、請求人は、本件不正行為が○○事業部の副事業部長という立場を利用して行われた極めて悪質な行為であるとして、平成20年12月○日にRを懲戒解雇した。
ヘ 原処分庁は、本件調査に基づき、本件売上代金及び本件貯金口座に係る別表4記載の受取利息(以下「本件貯金利息」といい、本件売上代金と併せて「本件売上代金等」という。)の額が本件各事業年度の益金の額及び本件各課税期間の資産の譲渡等の対価の額に算入されていないなどとして、平成21年12月18日付で本件法人税各更正処分及び本件消費税等各更正処分をするとともに、本件売上代金等が計上されていなかったことにつき事実の隠ぺい又は仮装があったなどとして、同日付で本件法人税各賦課決定処分及び本件消費税等各賦課決定処分をした。
 なお、本件法人税各更正処分に係る各通知書(以下「本件法人税各更正通知書」という。)には、要旨別紙3のとおり、更正の理由が付記されている。

(5) 争点

イ 本件法人税各更正通知書に付記された更正の理由に不備があるか否か。
ロ 本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入されるか否か。
ハ 本件不正行為を請求人の行為と同視し、請求人に隠ぺい又は仮装の行為があったとして重加算税を課することができるか否か。
ニ 本件不正行為が通則法第70条第5項に規定する偽りその他不正の行為に当たるとして、同項の規定が適用されるか否か。
ホ 平成14年9月期の売上げの計上漏れに係る仮受消費税等相当額(以下「本件仮受消費税等相当額」という。)は、平成14年9月期の益金の額に算入されるか否か。

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2 主張

(1) 争点イ(更正の理由付記に不備があるか否か)について

イ 請求人
 本件法人税各更正通知書に付記された更正の理由において、本件不正行為による損失の所得減算及び損害賠償請求権の所得加算の処理がなされていないところ、本件不正行為による損失及び損害賠償請求権の収益の計上については、更正の理由が付記されていないというべきである。
ロ 原処分庁
 本件法人税各更正通知書に付記された更正の理由において、本件不正行為による損失と損害賠償請求権の発生を同時に損金及び益金の額に算入し、これらを相殺した結果、売上げ等の計上漏れを益金の額に算入する旨記載されているため、請求人の主張には理由がない。

(2) 争点ロ(本件損害賠償請求権の額の益金算入時期)について

イ 原処分庁
 次の理由から、本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入される。
(イ) 不法行為による損害賠償請求権については、通常、損失が発生したときには損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金とに計上するのが原則であるが、通常人を基準にして、その存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況があった場合には、当該不法行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入しないこととなる。
(ロ) 本件不正行為は、請求人が適正な業務管理及び監査を行っていれば認識することが可能であったと認められるところ、請求人は、これを行っていなかったために本件不正行為を認識できなかったにすぎないから、本件損害賠償請求権につき、その存在、内容等を把握できず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえない。
ロ 請求人
 次の理由から、本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入されない。
(イ) 不法行為による損害賠償請求権の収益計上は権利確定主義によるべきであるところ、請求人が本件不正行為を把握したのは平成20年9月期である。そして、請求人は、本件不正行為をRと同人の上司で常務取締役であったJ(以下「J常務」という。)の共同行為と認識しているものの、両者の主張に食い違いがあり、損害賠償請求権を行使しようにも求償内容が個別具体的に確定しないことから、権利行使ができない状況にある。このように、本件損害賠償請求権は、回収可能性の予見にも欠ける特殊な債権といえるから、R及びJ常務が不法行為について自認するか又は訴訟等により求償内容が個別具体的に確定したときの収益計上が認められるべきである。
(ロ) 法人税基本通達2−1−43は、他の者から支払を受ける損害賠償金について、回収基準による計上を容認しているところ、R及びJ常務は、原処分時に既に退職して社外の者となっており、同通達に定める「他の者」に該当するため、本件損害賠償請求権については同通達の適用があり、請求人が実際に支払を受けた日の属する事業年度の収益に計上すれば足りる。
(ハ) 原処分庁は、請求人が適正な業務管理を行っていなかった旨及び通常人を基準にして本件不正行為を認識できた旨主張するが、請求人は適正に業務管理を行っており、不正行為を防げたというのは予断をもった推論である。また、原処分庁は、3週間に及ぶ前回調査を行っていながら、本件不正行為の事実を把握できなかったのであるから、通常人を基準にして本件不正行為を認識できたとはいえない。
(ニ) 原処分庁は、本件貯金口座をR個人の貯金であると認定しているところ、その原資が請求人に帰属するものであるとしても、本件貯金利息が請求人に帰属するものではない。

(3) 争点ハ(請求人に重加算税を課することができるか否か)について

イ 原処分庁
 次の理由から、本件不正行為を請求人の行為と同視し、請求人に隠ぺい又は仮装の行為があったとして重加算税を課することができる。
(イ) Rは、請求人の○○事業部内においてJ常務に次ぐ地位で○○事業部の経理処理を指示できる立場にあり、その立場を利用して本件不正行為を行っていた。そして、請求人は、Rの行為を適正に監督せず任せきりにしていたところ、請求人が適正な業務管理及び監査を行っていれば請求人としても本件不正行為を認識することが可能であり、認識すればこれを防止若しくは是正するか又は過少申告にならないよう措置することが十分可能であった。
(ロ) 仮に、請求人が主張するとおりJ常務が本件不正行為に関与したとすれば、Jは請求人の常務取締役であったのであるから、本件不正行為は、正に請求人の行為と同視すべきものである。
(ハ) 請求人は、本件損害賠償請求権を取得したこと自体には隠ぺい又は仮装はない旨主張するが、重加算税の各賦課決定処分は、請求人が、Rの隠ぺい又は仮装の行為に基づいた経理処理を行い、売上金額等を過少に計上した確定申告を行ったことをもってされたものであり、本件損害賠償請求権が収益に計上されていないことをもってされたものではないため、請求人の主張には理由がない。
ロ 請求人
 次の理由から、本件不正行為を請求人の行為と同視できず、請求人に隠ぺい又は仮装の行為があったとして重加算税を課することはできない。
(イ) 本件不正行為は、Rがその立場を利用して行った全くの個人的な不正行為であり、請求人は被害者であるところ、仮に、請求人に業務管理に不行き届きな部分があったとしても、それをもって本件不正行為が請求人の隠ぺい又は仮装の行為に当たることにはならない。また、請求人は、本件不正行為を「請求人のために行った行為」として承認しておらず、承認するつもりもないから、請求人の職務執行としての行為に当たらない。
(ロ) R及びJ常務は、共に請求人の幹部であったが、請求人との関係からみれば委任関係か雇用関係かの違いはあるにしても、両名は共に「使用者対被用者」という従属関係にある立場の者であることに変わりがない。また、Rは、事業部門の責任者ではあっても、会社全体の業務管理には権限が及ばず、納税申告に直接影響を及ぼす事柄に関与するような地位・権限のある者ではない。
(ハ) 仮に、本件不正行為が請求人の行為として認定されたとしても、本件損害賠償請求権を取得したこと自体には隠ぺい又は仮装がない。

(4) 争点ニ(通則法第70条第5項の規定が適用されるか否か)について

イ 原処分庁
 次の理由から、本件不正行為は通則法第70条第5項に規定する偽りその他不正の行為に当たり、同項の規定が適用される。
(イ) 請求人は、本件不正行為により売上金額等の額を過少に計上した申告書を提出しており、これが通則法第70条第5項にいう「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ」た場合に当たることは明らかである。
(ロ) 請求人は、本件調査において社内調査で把握した事実を提供したとして、請求人に偽りその他不正の行為がない旨主張するが、本件調査における請求人の対応は、本件不正行為が偽りその他不正の行為に当たるか否かの認定を左右しない。
(ハ) 請求人は、請求人にはほ脱の意図がなかったなどと主張するが、客観的に偽りその他不正の行為によって税額を免れた事実が存在する以上、請求人において偽りその他不正の行為の認識があるか否かにかかわらず、通則法第70条第5項の適用がある。
ロ 請求人
 次の理由から、本件不正行為は通則法第70条第5項に規定する偽りその他不正の行為に当たらず、同項の規定は適用されない。
(イ) 通則法第70条第5項に規定する偽りその他不正の行為とは、税額を免れる意図の下に税の賦課徴収を不能又は著しく困難にするような何らかの偽計その他の工作をいうものと解されているところ、本件不正行為は、Rが請求人から金員を不正に取得する目的で、事情を知らない部下をも利用して周囲を欺き、自身の犯罪行為を隠ぺいするために行った個人的な不正行為であって、Rには、その職務範囲及び権限からして、請求人の納税申告書に関与する余地はないのであるから、本件不正行為において、Rが「税額を免れる意図」を持っていたとは客観的にみても到底考えられない。
(ロ) 請求人は、本件調査において、請求人が把握していた事実等を原処分庁所属の調査担当職員の求めに応じて包み隠さず提供し、質問聴取にも誠意を持って応じたところであり、虚偽答弁や非協力な対応をした事実がない。
(ハ) 上記のとおり、請求人にはほ脱の意図も、何らかの偽計行為を行った事実もなく、また、ことさらに過少申告をしたこともないのであるから、請求人には偽りその他不正の行為により税額を免れた事実はない。

(5) 争点ホ(本件仮受消費税等相当額の益金算入時期)について

イ 原処分庁
 原処分時において、平成14年9月課税期間分の消費税等の更正可能期間は徒過しており、これに係る納付すべき税額はないから、本件仮受消費税等相当額は、消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(平成元年3月1日付直法2−1国税庁長官通達。以下「取扱通達」という。)6の定めにより、平成14年9月期の益金の額に算入される。
ロ 請求人
 次の理由から、本件仮受消費税等相当額は平成14年9月期の益金の額に算入されない。
(イ) 平成14年9月課税期間分の消費税等の更正可能期間が徒過したのは平成21年12月1日であるところ、本件仮受消費税等相当額は、平成14年9月期の売上げの計上漏れに対応する未払消費税等として会計処理されるべき性質のものであり、税抜経理処理における仮受消費税等及び仮払消費税等とのいわゆる精算差額とは異なる。
(ロ) 本件仮受消費税等相当額は、平成14年9月課税期間分の消費税等の更正可能期間の末日である平成21年11月30日時点においては、納付すべき消費税等として確定しており、翌平成21年12月1日において初めて納付すべき消費税等でなくなるというべきであるから、同日を含む事業年度において益金に算入されるべきものである。

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3 判断

(1) 平成19年9月期の法人税の更正処分について

 通則法第75条第1項は、国税に関する法律に基づく処分に不服がある者は、不服申立てができる旨規定しているところ、同項に規定する不服申立ての対象となる処分というためには、それにより、直接納税者の権利義務に影響を及ぼす法律上の効果を発生させる行為であること、換言すれば、納税者にとって不利益な処分であることが必要であると解される。
 そして、不利益処分に当たるか否かは、当該更正処分により納付すべき税額が増加したか否かにより判断すべきところ、平成19年9月期の法人税の更正処分は、別表1の「更正処分等」欄記載のとおり、納付すべき税額を増加させる更正処分でないことは明らかであり、請求人の権利又は利益を侵害するものとはいえない。
 したがって、請求人は、平成19年9月期の法人税の更正処分の取消しを求める利益はなく、当該更正処分に対する審査請求は、請求の利益を欠く不適法なものである。

(2) 争点イ(更正の理由付記に不備があるか否か)について

イ 法人税法第130条第2項において、青色申告に係る法人税の更正をする場合には、更正通知書に更正の理由を付記しなければならない旨規定しているのは、同法の青色申告制度の趣旨にかんがみ、原処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、その恣意を抑制するとともに、更正の理由を相手方に知らせ不服申立ての便宜を与えることをその目的としているものと解するのが相当である。
 ところで、青色申告に係る更正処分の態様は、帳簿の記載自体を認めないで更正処分をする場合や事実に対する法的評価につき納税者と見解を異にして更正処分をする場合など様々であるが、個々の更正処分につき要求される理由付記の程度は、上記法人税法第130条第2項の規定の趣旨と当該更正処分の具体的態様に照らし決せられるべきものであり、帳簿の記載自体を認めないで更正処分をする場合はともかく、法的評価の相異による更正処分の場合には、それがいかなる事実に対する法的評価であるかを明確に判断することができる程度に理由が表示されていれば足り、それ以上に当該法的評価の根拠を示すことや資料を摘示することは要しないと解するのが相当である。
ロ これを本件各事業年度(平成19年9月期を除く。)の各更正処分についてみると、上記1(4)ヘによれば、請求人が理由付記に不備があるとする本件売上代金等に係る更正処分は、法的評価につき請求人と見解を異にして更正処分をする場合に当たるところ、その理由付記においては、更正処分の対象となった事実として、Rが開設した本件貯金口座に請求人の売上先からの入金がされていたことが記載され、また、これに対する法的評価として、まる1本件貯金口座への入金額が請求人の売上げの入金であること、まる2本件貯金口座への入金額から仮受消費税を除いた金額及び本件貯金利息の金額を売上げ及び受取利息の計上漏れとして所得金額に加算したこと、まる3Rがこれらの金員を請求人に入金しておらず、請求人に当該金額に相当する資産損失が生じていること、まる4請求人がRに対し資産損失相当額の返還請求権を取得することが記載されているから、これがいかなる事実に対する法的評価であるか明確に判断できるのであって、本件法人税各更正通知書に付記された理由に違法となる不備があるということはできない。

(3) 争点ロ(本件損害賠償請求権の額の益金算入時期)について

イ 法令解釈
 法人税法上、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資本等取引以外の取引に係る当該事業年度の収益の額とするものとされ(法人税法第22条第2項)、当該事業年度の収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算すべきものとされている(同条第4項)から、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定した日の属する事業年度の益金に計上すべきものというべきである。
 そして、本件のような不法行為による損害賠償請求権については、不法行為による損失の発生と損害賠償請求権の発生、確定はいわば表裏の関係にあり、通常、損失が発生した時には、損害賠償請求権も発生、確定しているから、原則として、これを同時に損金と益金とに計上すべきものというべきである。
 もっとも、例えば加害者を知ることが困難であるとか、権利内容を把握することが困難なため、直ちには権利の行使を期待することができないような場合には、損害賠償請求権は法的には発生しているものの、未だ権利実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないから、当該事業年度の益金に計上すべきといえない場合もあり得るところであるが、この判断は、税負担の公平や法的安定性の観点からして客観的にされるべきものであるから、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきである。
ロ 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の各事実が認められる。
(イ) J常務は、平成11年4月に請求人の常務取締役兼○○事業部長に就任し、本件各事業年度において、○○事業部を統括し、○○事業部に関わる事項に対しての権限を有するとともに、代表取締役社長に対してその実施成果についての責任を負う立場にあった。
(ロ) 請求人は、平成20年12月○日に株主総会を開催し、J常務に業務上の不正行為があり、会社の名誉と信頼を著しく損なう行為があったとして、取締役の解任及び役員退職金の不支給について承認可決したところ、J常務は、これに格別の異を唱えることなく、同月○日付で、取締役を辞任する旨を請求人に届け出た。
ハ 本件不正行為に関する関係者の申述等
(イ) Rが作成した平成20年7月22日付の書面には、要旨次のとおり記載されている。
A 本件不正行為の仕組みについては、J常務の指示もあり、これをRが実行した。
B 当初は、○○事業部の厚生費として使用していたが、そのうち個人的な流用も行いズルズルと回数を繰り返してしまった。
(ロ) Rが作成した平成20年7月23日付の「謝罪書」と題する書面には、要旨次のとおり記載されている。
A 私は、職務上の地位を利用して、K社から個人的に開設した本件貯金口座に金員を振り込ませ、その金員を着服横領した。
B この不正行為は、J常務の指示もあり行ったものであり、これにより得た不正の利益はJ常務にも分け前として渡した。
(ハ) Rが作成した平成20年8月4日付の「報告書」と題する書面には、要旨次のとおり記載されている。
A K社から本件貯金口座に振り込ませた金員の使途は、懇親会、事業部主催ゴルフコンペ、親睦旅行等に使い、その余り分を折半ということで分けた。
B 毎月20万円くらいを折半し、45回ほどになるので、各々450万円くらいになると思う。
(ニ) Rは、平成21年4月22日に、原処分庁所属の調査担当職員に対し、要旨次のとおり申述した。
A ○○事業部は独立独歩という立場をとっており、失敗したときの補償費用や個人的な問題解決のための資金が必要とJ常務から言われたことがあった。そこで、私が本件貯金口座を開設して、入金させる方法をとった。
B 本件貯金口座から引き出した金員は、ゴルフコンペの商品代などの社員の親睦に使用した。ゴルフコンペは1回当たり4、5組で、20回くらいやったと思う。また、○○事業部の有志で親睦旅行に行ったときの費用の足しや飲み会などの補助にも使った。そういうものに使うためならいいかなとの思いもあった。
C J常務は、本件貯金口座について具体的なことは知らないと思うが、J常務には、本件貯金口座から引き出して現金を渡していたので、感じ取っていたと思う。
D J常務には、社の封筒に入れて、月1回10万円くらい渡していた。J常務から要求はなかったが、J常務はE農協に口座があることを知っていると思ったので、自分から持っていき、社内で渡していた。
(ホ) J常務は、請求人の顧問弁護士であるM弁護士の事実確認に対し、Rからゴルフ代等の支払を受けていた事実を認めたが、本件不正行為をRに指示したことについては否定し、Rの単独行為である旨申し立てた。
ニ 判断
(イ) 上記ハ(イ)から(ニ)までのとおり、Rは、本件不正行為がJ常務の指示に基づいて行われたものであり、これにより取得した金員をゴルフコンペ等の費用に充てるとともに、その余の金員をJ常務と折半していた旨の申述等をしているところ、当該申述等は、全体として首尾一貫しており、その内容も具体的であり、これに、上記ハ(ホ)のJ常務がRからゴルフ代等の支払を受けていたと認めたことや上記ロ(ロ)の取締役の解任及び役員退職金の不支給について何らの異議も唱えなかったことなどJ常務の本件不正行為への関与をうかがわせる事実が存在することを考え併せると、上記ハ(ホ)のとおりJ常務が否定していても、Rの上記申述等の信用性は高いものといえ、J常務は本件不正行為に加担し、これによりねん出された資金によりゴルフ代の支払等の供与を受けていたと認めることができる。
 そして、上記ロ(イ)のとおり、J常務が請求人の常務取締役であり、上記のとおり、J常務が本件不正行為の事実を把握していたと認められることからすると、請求人の経営に参画する常務取締役が本件不正行為の事実を把握していたのであるから、通常人を基準とすると、請求人において、本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、権利行使を期待できないといえるような客観的状況にあったということはできない。
 そうすると、上記イによれば、本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入される。
(ロ) この点に関し、請求人は、RとJ常務の主張に食い違いがあり、求償内容が個別具体的に確定しないことから、損害賠償請求権を権利行使できない状況にある旨主張するが、通常人を基準にして、請求人において、本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握できたと認められることは上記(イ)のとおりであって、また、本件不正行為がRとJ常務の共同行為というのであれば、共同不法行為者が連帯責任を負う(民法第719条第1項)以上、両者間の負担割合が具体的に確定しなくとも両者に損害の全額を請求できるのであって、両者間の求償内容の確定の困難性が上記判断を左右するものではないから、請求人の主張は採用できない。
(ハ) また、請求人は、R及びJ常務が原処分時に社外の者となっており、法人税基本通達2−1−43に定める「他の者」に該当するため、同通達の定めに基づき、請求人が実際に損害賠償金の支払を受けた日の属する事業年度の収益に計上すれば足りる旨主張する。
 ところで、法人税基本通達2−1−43は、他の者から支払を受ける損害賠償金の額は、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入している場合にはこれを認める旨定めており、ここでいう「他の者」には役員又は使用人は含まれないものと解するのが相当である。同通達が支払を受けた損害賠償金の算入時期について「他の者から」という限定を付しているのは、法人の役員又は使用人の不法行為により収入の圧縮や経費の過大計上が行われた場合、その者の地位や法人との関係からすれば、外形的には法人自身がなした行為と個人的な行為との峻別がつかないため、このような場合にまで例外的な取扱いを認めない趣旨であると解するのが相当であり、この取扱いは、当審判所においても相当であると認められる。
 そして、上記通達の趣旨からすれば、同通達でいう「他の者」に当たるか否かの判断時期については、不法行為が行われたときに判断すべきであるから、不法行為時に請求人の役員ないし使用人であったR及びJ常務が原処分時に社外の者となっていることをもって、同通達の適用があるということはできず、請求人の主張は採用できない。
(ニ) なお、請求人は、本件貯金口座の原資が請求人に帰属するものであるとしても、本件貯金利息が請求人に帰属するものではない旨主張する。
 しかしながら、本件貯金利息は、請求人の本件売上代金を原資として生じた法定果実であり、上記ハ(イ)から(ニ)までのRの申述等によれば、本件貯金口座の支配者であるRが本件売上代金を自己の物として収受する権限がないことを認識していたことが認められる以上、本件売上代金とともに請求人に返還されるべきものであるから、本件売上代金とともに請求人に帰属するというべきであり、また、以上述べたところによれば、本件不正行為による損害賠償請求権の範囲内に含まれ、通常人を基準とすれば、請求人において、本件売上代金のみならず、その法定果実である本件貯金利息についても認識でき、本件貯金利息の額に相当する損害賠償請求権についても認識できたと認めることができるから、本件貯金利息の額を益金の額に算入してなされた原処分に違法があるということはできず、請求人の主張は採用できない。

(4) 争点ハ(請求人に重加算税を課することができるか否か)について

イ 法令解釈
 通則法第68条第1項に規定する重加算税の制度は、納税者が過少申告をするにつき事実の隠ぺい又は仮装という不正な方法に基づいて行われていた場合に、過少申告加算税よりも重い行政上の制裁を課すことによって、悪質な納税義務違反の発生を防止し、もって申告納税制度による適正な徴税の実現を確保しようとするものであると解するのが相当である。
 そして、通則法第68条第1項は、隠ぺいし、又は仮装する行為の主体を納税者としているから、本来的には、納税者自身による隠ぺい又は仮装の防止を企図したものと解されるが、上記の重加算税制度の趣旨及び目的からすると、納税者以外の者が隠ぺい又は仮装を行った場合であっても、それが納税者本人の行為と同視できるときには、重加算税を賦課することができると解するのが相当である。
ロ 判断
(イ) 上記1(4)ニのとおり、Rは、請求人の会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取り、本件売上代金を請求人の会計帳簿に記載のない本件貯金口座に振り込ませる方法により請求人に帰属する売上げを除外しており、請求人は、これにより過少申告をしていたのであるから、本件不正行為は、通則法第68条第1項に規定する事実の隠ぺい又は仮装の行為に当たる。
 そして、上記(3)ロ(イ)のとおり、J常務が請求人の常務取締役であり、上記(3)ニ(イ)のとおり、J常務が本件不正行為の事実を知りながら本件不正行為によってねん出された資金によりゴルフ代の支払等の供与を受けていたことからすると、請求人の経営に参画する常務取締役が本件不正行為に加担しており、これによって過少申告の結果が生じたと認めることができるから、本件不正行為を請求人の行為と同視し、請求人に重加算税を課することができるというべきである。
(ロ) なお、請求人は、本件不正行為が請求人の行為として認定されたとしても、本件損害賠償請求権を取得したこと自体には隠ぺい又は仮装がない旨主張する。
 しかしながら、通則法第68条第1項及び国税通則法施行令第28条第1項の規定によれば、更正により納付すべきこととなった税額(以下「更正対象税額」という。)のうちに、隠ぺいし、又は仮装された事実に基づいて計算される部分と隠ぺいし、又は仮装されていない事実に基づいて計算される部分とがある場合には、まず、隠ぺいし、又は仮装されていない事実のみに基づいて更正があったものとした場合の納付すべき税額(以下「過少申告加算税対象税額」という。)を計算し、次いで更正対象税額から過少申告加算税対象税額を控除して、重加算税の計算の基礎となるべき税額を計算することとなるのであり、更正対象税額のうち本件損害賠償請求権の取得を原因とする税額部分については重加算税の計算の基礎となるべき税額に含まれていないのであるから、本件損害賠償請求権を取得したこと自体に隠ぺい又は仮装がないことをもって、重加算税を課されないこととはならず、請求人の主張には理由がない。

(5) 争点ニ(通則法第70条第5項の規定が適用されるか否か)について

イ 通則法第70条の規定の趣旨は、法律関係の早期安定という観点から、本来納付すべき税額の徴収を制限するものであると解されるところ、偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた国税についての更正まで、同条第1項に規定する期間内に行わしめるものとすることは、実質的な租税負担の公平の観点から相当でない。
 そこで、通則法第70条第5項は、上記のような国税に係る更正について7年間という長い期間を定めたものと解され、同項による期間の延長は、納税者が本来納付すべきであった正当税額の納付を求めるものであって、納税者に対して特段の負担を新たに発生させるものではない。
 そうすると、特に行為主体が限定されることなく規定されている同項にいう「偽りその他不正の行為」とは、税の賦課徴収を不能又は困難にするような何らかの偽計その他の工作を伴う不正な行為を行っていることをいい、偽りその他不正の行為を行ったのが納税者であるか否か、あるいは納税者自身において偽りその他不正の行為の認識があるか否かにかかわらず、客観的に偽りその他不正の行為によって税額を免れた事実が存在する場合には、同項の適用があると解するのが相当である。
ロ これを本件についてみると、上記1(4)ニのとおり、Rは、請求人の会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取り、本件売上代金を請求人の会計帳簿に記載のない本件貯金口座に振り込ませる方法により請求人に帰属する売上げを除外しており、請求人は、これにより過少申告をしていたのであるから、客観的に偽りその他不正の行為によって税額を免れた事実が存在するといえる。
 そうすると、本件不正行為は、通則法第70条第5項の「偽りその他不正の行為」に当たり、同項の規定が適用される。
ハ なお、請求人は、Rの職務範囲及び権限や同人が税額を免れる意図を持っていなかったことから、請求人に偽りその他不正の行為はない旨主張する。
 しかしながら、上記(3)ロ(イ)及びニ(イ)並びに上記1(4)ハ及びニのとおり、Rが請求人の役員であるJ常務とともに本件不正行為に及んでいること、この両者の地位が事業活動から申告に至るまでの過程において重要なものといえること、本件不正行為が請求人の収入である売上代金等を取得するという行為である以上、当然に請求人に税額を免れさせる結果につながる行為であることは容易に認識できるものであることからすると、上記両者は、金員の不正取得や本件不正行為の隠ぺいの意図とともに、税額を免れる意図も有していたと推認することができる。
 よって、請求人の主張は、前提を誤ったものであり採用できない。

(6) 争点ホ(本件仮受消費税等相当額の益金算入時期)について

イ 消費税等の経理処理において税抜経理方式を採用している場合、原則として仮受消費税等と仮払消費税等との差額が納付すべき又は還付を受ける消費税等の額と一致するから、本来法人税の申告の損益に影響を及ぼさないところであるが、実際には、法人が納付すべき消費税につき、消費税法第37条《中小企業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の適用を受ける場合等には、実際に納付すべき消費税等の額は仮受消費税等と仮払消費税等との差額とは異なった金額となる。
 この点について、取扱通達6は、課税期間の終了の時における仮受消費税等の金額から仮払消費税等の金額を控除した金額と当該課税期間に係る納付すべき消費税等の額又は還付を受ける消費税等の額との差額について、その課税期間を含む事業年度において、益金又は損金の額に算入するものとする旨定めているところ、仮受消費税等と仮払消費税等との差額が納付すべき又は還付を受ける消費税等の額と一致するという整合性が失われている部分についてはその部分に係る消費税等は事業者の損益に吸収されると解するのが相当であるから、この取扱いは当審判所においても相当であると認められる。
ロ これを本件についてみると、上記1(4)ロのとおり、請求人は平成14年9月期において税抜経理方式を採用しているところ、原処分庁は、平成14年9月課税期間における本件仮受消費税等相当額の課税漏れについて、通則法第70条第5項の規定により消費税等の更正処分をすることができないことから、取扱通達6の定めにより、平成14年9月期の法人税の更正処分において本件仮受消費税等相当額を雑収入として益金の額に算入しているが、当該金額は、消費税等の更正処分がなされて清算された清算差額とは異なり、更正の期間制限により消費税等の更正処分ができないことにより、納付すべき消費税等の額が発生せず、未払消費税等相当額と清算できない状況になっているものである。
 そうすると、本件仮受消費税等相当額は、消費税等を納付しなくてよいことにより収益として確定するものであるから、平成21年12月1日が含まれる事業年度において、雑収入として益金の額に算入すべきものであり、平成14年9月期の益金の額に算入されない。

(7) 原処分について

イ 平成19年9月期の法人税の更正処分について
 上記(1)のとおり、平成19年9月期の法人税の更正処分に係る審査請求は不適法である。
ロ 平成14年9月期の法人税の更正処分及び賦課決定処分について
 上記(2)から(6)までによれば、上記(2)から(5)までの各争点について、原処分にこれを取り消すべき理由はないが、上記(6)の争点については、上記(6)ロのとおり、本件仮払消費税等相当額は平成14年9月期の益金の額に算入されないこととなるから、これを減算して平成14年9月期の所得金額及び納付すべき法人税額を算定すると、所得金額は○○○○円、納付すべき法人税額は○○○○円となり、これらの金額はいずれも原処分の額を下回るから、平成14年9月期の法人税の更正処分は、その一部を別紙1のとおり取り消すべきである。
 また、この更正処分の一部が取り消されることに伴い、平成14年9月期の賦課決定処分は、その一部を別紙1のとおり取り消すべきである。
ハ その他の原処分について
 上記イ及びロ以外の原処分については、いずれの争点についても、これを取り消すべき理由はない。

(8) 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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