総則

旅費として支給される金品

  1. 納税義務者
  2. 課税取得の範囲
  3. 非課税所得
    1. 旅費として支給される金品(4件)
    2. 強制換価手続等に係る資産の譲渡による所得
    3. 生命保険金
    4. 損害賠償金等
    5. その他
  4. 所得の帰属
  5. 所得の発生
  6. 収入金額

執行官が執行官法の規定により受ける旅費、宿泊料は非課税所得ではなく事業所得の収入金額に当たるとした事例

裁決事例集 No.5 - 11頁

 執行官がその職務の執行につき、執行官法第7条及び第10条の規定により旅費、宿泊料として受ける金額は、一般の国家公務員がその職務につき支給される旅費、宿泊料とは全く性格を異にし、事業遂行上の対価として事業所得の「収入金額とすべき金額」に該当すると同時に、旅費、宿泊料として現に支払うべき金額については「所得を生ずべき業務について生じた費用」として必要経費に該当する。

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役員及び使用人に支給した休暇帰国のための旅費は請求人の業務上必要な旅費に当たるとした事例

裁決事例集 No.8 - 1頁

 請求人がその役員及び使用人に対して与えた休暇帰国のための旅行は、一定期間(約3年)を超える勤務の後に従来からの慣例に従い、請求人の業務を兼ねて行われたものであり、本人の業績によって休暇帰国の認否及び旅費の支給額が左右されるような報償的性格を持つものではなく、また、その支給内容は、直行往復の航空券の現物交付であること等の事実が認められるもので、休暇帰国のための旅費については、役員等の分はもとより、その家族分をも含め、請求人の業務上の支出として認めるのが相当である。

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年俸契約による給与等を得ている請求人の単身赴任費相当額又は通勤費相当額が非課税所得に当たるとの請求人の主張が排斥された事例

裁決事例集 No.58 - 23頁

 請求人と請求人が雇用されている会社との給与に関する契約は年俸契約であり、単身赴任手当や通勤手当等は一切支給されていないところ、請求人は、単身赴任費相当額又は通勤費相当額は所得税法第9条第1項第5号の課税されない通勤手当に類するものであるから、給与所得の金額は、これらの金額を給与等の金額から控除した後の金額を基礎として算出すべきである旨主張する。
 しかしながら、所得税法第9条第1項第5号は、給与所得を有する者で通勤するものがその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる一定の部分を非課税所得とする旨規定しており、この規定の「これに類するもの」とは、現金支給に代えて支給される通勤用定期乗車券の現物等がこれに当たるものと解されているところ、請求人にあっては、給与等のほかに通常の給与に加算して受けるものは一切なく、本件非課税規定による通勤手当は存在しないのであるから、請求人の主張には理由がない。
 なお、給与所得の金額の計算上収入金額から控除すべき金額は、所得税法第28条の規定による給与所得控除額及び所得税法第57条の2の規定による特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えたときの超えた部分の金額とされているところ、本件単身赴任費相当額は、特定支出の控除の対象となる特定支出とは認められず、本件において給与所得の収入金額から控除できる金額は、給与所得控除額のみである。

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人材派遣会社から支払われた給与のうちの通勤費相当額は非課税所得に該当しないとした事例

裁決事例集 No.75 - 176頁

 人材派遣業を営むA社の派遣社員である請求人は、同社から支払われた給与のうち、請求人が負担した自宅から派遣先までの通勤費相当額は、非課税とすべき旨主張する。
  しかしながら、A社は、請求人に対して通勤手当を給与に加算して別途支給しておらず、請求人に所得税法第9条第1項第5号にいう「通常の給与に加算して受ける通勤手当」に該当するものがあるとは認められない。この他、請求人が負担した通勤費相当額を非課税所得とする規定はないから、これを非課税所得として、各年分の給与所得の金額の計算上、給与等の収入金額から除外することはできないとした本件各更正処分はいずれも適法である。

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