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贈与税の課税財産の範囲
贈与登記
贈与登記があっても贈与がないとした事例
裁決事例集 No.11 - 72頁
本件宅地について、贈与を原因として請求人に所有権移転登記がなされている事実を捕え、贈与があったものとした原処分に対し、数年来当該宅地上に請求人名義の居宅を建築し居住していたこと、贈与者である叔父名義に所有権が登記されていたのは、第2次大戦後の所有権認定に際し、法定家督相続人たる請求人が未成年者であったため、家産保護の立場からそうしたものであること等の事実が認められるから、真正な土地の所有者は請求人であり、登記事項の異動は、その実質が贈与行為によるものではなく、真正な所有者名義の回復を図るものであると解されるので、請求人の主張は相当である。
昭和50年12月22日裁決
真正な所有権者への名義の回復登記であると主張する贈与登記について、実質的にも贈与によるものであると認定した事例
裁決事例集 No.22 - 179頁
本件土地は、請求人の亡父が生前に取得し、所有していたものであって形式上第三者である贈与者の名義にされていたものにすぎないから、請求人に対する名義変更登記の原因が贈与であるとしても、実体は相続により所有権を取得した請求人への真正な登記名義の回復登記であるとの主張について、亡父が本件土地を取得していたことを証明する証拠はなく、当該第三者が本件土地の取得時から請求人に贈与するまでの長期間自己のためにする意思をもって平穏、かつ公然に管理し、その一部は売却するなど使用収益していたこと、また、相続開始から贈与に至るまでの間当該第三者から請求人に本件土地の承継又は引渡しがなされたとする事実もないので、本件土地は贈与登記時に当該第三者から請求人に贈与されたものと認めるのが相当である。
昭和56年6月16日裁決