贈与税の課税財産の範囲

配偶者控除

  1. 贈与財産の範囲
  2. 贈与事実の認定
  3. 課税財産
    1. みなす贈与財産
    2. 負担の控除
    3. 配偶者控除(2件)

贈与財産は仮住まいの土地家屋と認められ、配偶者控除の適用はできず、また、実際の居住とは異なる住民登録をして、配偶者控除の適用要件を満たしているように仮装した行為は重加算税の適用対象になるとした事例

裁決事例集 No.45 - 267頁

 請求人は、居宅新築資金に当てるため売却することとした貸家について、主たる居住用財産に見せかけ、夫より持分の贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けるとともに、譲渡所得については、夫と共に居住用財産の売却の特別控除の適用を受けようとしたものであるが、本件資産は、電気の使用量等からみて、居宅完成までの仮住まいであったことは明らかであり、特例の受けられる居住用財産ではない。
 請求人は、実際の居住とは異なる住民登録をし、本件資産に1年以上居住していたように仮装するとともに贈与を受けた翌年の3月15日まで居住したようにし、当該住民票を添付して贈与税の配偶者控除を適用して申告をしたが、この行為は国税通則法第68条第1項の重加算税の適用対象になる。

トップに戻る

居住用と居住用以外の建物の敷地となっている土地の持分である本件受贈財産のそのすべてが居住用家屋の敷地であるとはいえないとした事例

裁決事例集 No.62 - 329頁

 請求人は、居住用と居住用以外の建物の敷地となっている不動産につき持分で贈与を受けた場合には、贈与当事者の真意を汲んで配偶者の特別控除の特例の適否を判定すべきであると主張するが、当該特例は、生存配偶者の老後の生活安定に配慮する趣旨から、一生に一度限り、その取得した居住用財産の課税価格から2千万円を限度として控除することを、登記簿の謄本等の提出を要件として認める措置であり、その解釈は厳格にされるべきである。
 したがって、本件においては、本件受贈財産のそのすべてが居住用家屋の敷地であるとはいえず、請求人の更正の請求には理由がない。

トップに戻る