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相続税法の特例

農地等に係る贈与税等の納税猶予

  1. 国等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税
  2. 農地等に係る贈与税等の納税猶予(3件)
  3. 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
  4. 相続開始前3年以内に取得した土地等又は建物についての相続税の課税価格の計算の特例
  5. 相続税の延納税額についての物納の特例
  6. その他

農地につき贈与税の納税猶予の適用を受け、引続き農業経営を行っているとしても、相続税の期限内申告においてその農地を相続税の課税価格に算入した上、相続税の納税猶予の適用を受ける旨の記載、担保の提供、農業委員会の証明書の添付等がない場合、相続税の納税猶予の適用はないとした事例

裁決事例集 No.39 - 545頁

 被相続人からその生前に農地の贈与を受け、租税特別措置法第70条の4の規定による贈与税の納税猶予の特例の適用を受けていた相続人が、被相続人の死亡後も引続き農業経営を行い、当該農地を農業の用に供している場合においても、相続税の課税価格に当該農地の相続開始時の時価を算入して相続税額の計算をするとともに、相続税の期限内申告書に相続税の納税猶予の特例の適用を受ける旨を記載し、かつ、申告期限内において、担保の提供、農業委員会の証明書等の提出がなければ、租税特別措置法第70条の6の規定による相続税の納税猶予の特例の適用を受けることは認められない。

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相続税の納税猶予の特例の適用を受け、その後特定転用の承認の対象となった建物について、納税猶予の期限を確定させることとなる建物の譲渡の事実があったとした事例

裁決事例集 No.63 - 620頁

 請求人は、相続税の納税猶予の特例の適用を受けていた本件建物を譲渡した事実はないから、納税猶予の期限は確定していない旨主張する。
 しかしながら、本件建物については、[1]請求人は資産譲渡の申告を行い、他方、譲渡先法人において資産計上した申告を行っていること、[2]本件建物を含む他の譲渡物件と一括して対価の支払いの事実があったと認められること、[3]本件建物を含む他の譲渡物件に係る収益及び費用は譲渡先法人が一括計上し、その状態が長期間継続していること、[4]譲渡先法人の設立目的(請求人の節税目的)等を総合勘案すると、他の物件と同様に譲渡先法人に対して譲渡されたものと認められる。
 したがって、租税特別措置法の一部を改正する法律附則(平成9年法律第22号による改正前のもの)第19条8項第4号に該当し、租税特別措置法70条の6第7項の規定により、納税猶予の期限は確定したと認められる。

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特例農地の貸借が相続税の納税猶予に係る期限の確定事由に当たり、倉庫の建築工事に着工した日に使用貸借の設定があったものと認定した事例

裁決事例集 No.63 - 635頁

 請求人は、本件土地に係る貸借は民法に規定する使用貸借ではないから、租税特別措置法第70条の6第7項に規定する相続税の納税の猶予に係る期限の確定事由には当たらない旨主張し、一方、原処分庁は、農業委員会からの「農地等の異動事実の通知書」を原処分庁が収受した日が使用貸借のあった日である旨主張する。
 しかしながら、請求人の主張には理由がなく、また、収受した日をもって本件土地につき使用貸借があった日とすることには何ら根拠がないことであるといわざるを得ないから、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。
 そこで、当審判所は倉庫の建築工事に着工した日に使用貸借の設定があったものと認定し、その認定した猶予期限に基づき利子税の額を計算すると、その額は本件督促処分に係る利子税の額に満たないことになるから、原処分はその一部を取消すべきである。

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