ホーム >> 公表裁決事例集等の紹介 >> 公表裁決事例要旨 >> 所得税法関係 >> 訴訟費用
必要経費
訴訟費用
還付加算金に係る雑所得の金額の計算上、課税処分の取消訴訟に要した費用等は必要経費に該当しないとした事例
請求人は、本件訴訟に係る判決の確定に伴い受領した本件各還付加算金は、不当利得に対する損害賠償金的性格を有し、本件各過納金と一体不可分のものであること、また、本件訴訟費用等及び本件借入金利息等は投下資本に該当することは明らかであり、原資の維持に必要な部分として、所得を構成しないことから、本件訴訟費用等は、本件各還付加算金を得るために直接要した費用として必要経費に算入できる旨主張する。
しかしながら、本件訴訟は本件各還付加算金を得るために提起されたものではなく、本件訴訟の結果として本件各還付加算金が発生したにすぎないことから、本件各還付加算金が本件各過納金と一体不可分のものとはいえず、また、還付加算金は、過納金の発生の原因にかかわらず支払われるものであって、過納金に付される一種の利子であることから、損害賠償の性格を有していない。
また、本件において、還付加算金を得るための行為は、請求人にとって業務とはいえず、所得を生ずべき業務について生じた費用ともいえないから、本件訴訟費用等は雑所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。
平成20年12月9日裁決