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税額控除
- 特定設備等の特別償却
- 中小企業者の機械等の特別償却
- 新築貸家住宅等の割増償却
- 交際費等の課税の特例
- 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例
- 土地の譲渡等がある場合の特別税率
- 収用等の場合の課税の特例
- 特定資産の買換えの場合等の課税の特例
- 準備金
- 税額控除(3件)
- 新規取得土地等に係る負債の利子の課税の特例
- 移転価格税制
- タックスヘイブン対策税制
特定外国子会社が納付する我が国の事業税は、税額控除の対象となる外国法人税に該当しないとした事例
請求人は、法人税法第69条の規定は所得に対する国際間の二重課税を排除するためのものであり、その立法趣旨から、所得を課税標準として課された我が国の事業税を外国法人税に該当しないとすれば、二重課税となる旨主張するが、本件事業税は、事業そのものの収益収得力に着目して課せられる税であり、所得に課せられる所得税及び法人税とはその性格を異にするものであって、所得計算上必要経費又は損金として認められることとなっており、所得計算上必要経費又は損金とは認められない我が国の所得税、法人税又は地方税とは異なり二重課税のおそれがないから、我が国の事業税は立法趣旨等からみても外国法人税に該当しない。
なお、我が国の事業税は、その性格上、売上金額、資本金額、固定資産の価額及び従業員数等のいわゆる外形標準を課税標準とすることが適当と認められるところ、実務において、特定の業種以外の業種について所得を課税標準としているのは、所得税、法人税と共通する数値を採用することによる行政の簡素化、課税技術上の問題等の見地から売上金額や資本金額等に代えて採用しているものと認められるから、所得税、法人税が所得を課税標準としているのとは意味合いが異なる。
平成4年2月12日裁決
試験研究費の額が増額した場合等の法人税の特別控除(租税特別措置法第42条の4)について、修正申告により増加した法人税額に対応する控除の増額は認められないとした事例
請求人は、租税特別措置法(平成9年法律第22号による改正前のもの)第42条の4《試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除》第3項に規定する法人税の特別控除について、自主的に提出した修正申告により増加した法人税額に対応する金額については控除が認められるべきである旨主張するが、同項の適用については、「確定申告書等」にその控除を受ける金額の記載があり、かつ、当該金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限られ、また、その控除される金額は、「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」とされており(同条10項)、そして、ここにいう「確定申告書等」については、法人税法第2条第30号に規定する中間申告書及び同法第31号に規定する確定申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)とされ(措置法第2条第2項第11号)、「確定申告書等」には修正申告書が含まれないものであるから、請求人の主張には理由がない。
なお、「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」とは、当該申告書に記載された控除税額そのものでなく、当該申告書に記載された事項を基礎として計算される正当額をいうものと解される。
平成13年11月6日裁決
リースにより賃借した臨床検査用機器は、機械及び装置には該当しないから、中小企業者等が機械等を賃借した場合の税額控除制度は適用されないとした事例
請求人は、リースにより賃借した本件各減価償却資産が、剛性のある物体から構成されている、
一定の相対運動をする機能を持っている、
それ自体が仕事をする、という機械の判定要件である三つを満たすものであり、法人税法施行令《減価償却資産の範囲》第13条第3号に規定する「機械及び装置」に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人の主張する三つの要素は、機械及び装置の一般的な要素とはいえるものの、法人税法施行令第13条第3号に規定する「機械及び装置」というためには、複数のものが設備を形成して、その設備の一部としてそれぞれのものがその機能を果たしていなければならないと認められるところ、本件各減価償却資産は、検査、分析、判定、測定等を行うことにより、その工程が全て終了するものであること、
それ自体単体で個別に作動するものであり、他の機器と一体となって機能を発揮するものではないことなどの性質を有していることから、上記の要件を満たしているものということはできないので、同号に規定する「機械及び装置」には該当しない。
また、本件各減価償却資産は、それ自体で固有の機能を果たし、独立して使用されるものであるので、法人税法施行令第13条第7号に規定する「器具及び備品」に該当するが、租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》第3項の適用対象となる器具及び備品は、事務処理の能率化に資するものとして財務省令に定めるものに限定されているところ、本件各減価償却資産の機能からすれば、同項に規定する「器具及び備品」にも該当しないので、同項の規定は適用できない。
平成19年10月30日裁決