所得の種類

株式の低価取得

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 譲渡所得
  8. 一時所得
    1. 新株引受に伴う経済的利益
    2. 立退料
    3. 生命保険金
    4. 示談金、和解金
    5. 補償金
    6. 厚生年金基金の解散に伴う分配金
    7. 適格退職年金の解約一時金
    8. 株式の低価取得(2件)
    9. 一時所得と認めなかった事例
    10. その他
  9. 雑所得

取引相場のない株式について、純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)を参酌した価額と取引価額の差額に相当する金額を経済的利益として一時所得と認定した事例

裁決事例集 No.66 - 155頁

 請求人は、請求人が代表取締役となっているE社の株式をF社から取得した本件取引は、利害関係のない第三者間の自由な経済取引であり、このような取引において成立した価額は客観的交換価値である時価そのものといえるから、請求人には経済的利益は発生しない旨主張する。
 ところで、所得税法第36条第1項に規定する経済的利益には、資産を低い対価で譲り受けた場合におけるその資産のその時における価額、すなわち時価とその対価の額との差額に相当する利益が含まれると解される。また、時価とは、その時点における客観的交換価値を指すものと解すべきであり、この交換価値とは、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間において自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であって、いわゆる市場価格をいうものと解される。
 ところが、E社の株式は、取引相場のない株式であり、かつ、適正と認められる売買実例及び類似法人で株式等の価額がある株式とは認められないので、所得税基本通達23〜35共−9により純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額を算定するのが相当であり、その価額の具体的な算定に当たっては、財産評価基本通達178以下の例によるのが相当である。
 そして、財産評価基本通達により算定したE社株式の時価と本件取引価額との差額に相当する金額については、経済的利益として享受したものと認められ、この経済的利益に係る所得は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得のいずれにも該当せず、かつ、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外の一時の所得であって、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものであるから、所得税法第34条第1項に規定する一時所得に該当する。

トップに戻る

非公開株式で売買実例のない株式について、低額譲受けに係る経済的利益があるか否かの判断に当たり、覚書、契約書及び合意書等を詳細に検討し、これらの覚書等に拘束されることなく、当該株式の時価と取得価額との差額が、所得税法第36条第1項かっこ内に規定する「金銭以外の物又は権利その他経済的利益」に該当すると認定した事例

裁決事例集 No.67 - 309頁

 請求人は、L社の株式を取得することは、d社の株式を譲渡する以前から合意されていたもので、d社の株式の譲渡とL社の株式の取得は、不可分一体の取引であり、これらの取引により、請求人において経済的利益は生じない旨主張する。
 しかしながら、請求人がL社の株式を取得することが、d社の株式を譲渡する以前から合意されていたと認めることはできず、また、そもそも請求人の譲渡した株式と請求人の取得した株式は異なるものであることから、これらの取引が買戻し取引と認めることもできないので、L社の株式の取得の時における時価とその取得価額との差額は、請求人における低額譲受けに係る経済的利益として課税されることとなる。

トップに戻る