総則

先物取引による所得

  1. 納税義務者
  2. 課税取得の範囲
  3. 非課税所得
  4. 所得の帰属
    1. 実質所得者課税
    2. 所得の帰属者
      1. 資産の貸付けによる所得
      2. 資産の譲渡による所得
      3. 漁業補償金による所得
      4. 共有店舗の事業から生ずる所得
      5. 先物取引による所得(2件)
      6. 代理店手数料収入による所得
      7. LLCの事業に係る所得
      8. 人格のない社団
      9. その他
  5. 所得の発生
  6. 収入金額

請求人は、本件先物取引は取引員に欺もうされた取引で無効あるいは取り消し得る取引であるとしているが、請求人の自己の意思と判断に基づく取引であるので、本件先物取引から生じた所得は請求人に帰属するとした事例

裁決事例集 No.54 - 115頁

 請求人は、本件先物取引は取引員に欺もうされて行ったものであり、無効あるいは取り消し得る取引であるので、本件先物取引から生じた所得は請求人に帰属しない旨主張する。
 しかしながら、[1]請求人が先物取引会社に対して差し入れている書面、[2]先物取引会社が請求人に対して取引成立の都度送付している売買報告書等、[3]請求人は先物取引会社の求めに応じて委託証拠金等の金員を支払っていること及び[4]失物取引会社は請求人から請求があった都度委託証拠金や帳尻金を支払っていることから、本件先物取引は、請求人が自己の意思と判断の下で先物取引会社に委託して行ったものと認められ、本件先物取引から生じた所得は請求人に帰属すると判断するのが相当である。

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商品先物取引による所得は請求人に帰属すると認められ、また、年末における建玉に係る値洗い損の額は単なる計算上の金額に過ぎず、これを必要経費に算入することはできないとした事例

裁決事例集 No.61 - 83頁

 請求人は、本件商品先物取引の委任契約は請求人の手仕舞いの依頼により終了したというべきであるから、当該取引に係る所得は請求人に帰属しない旨主張するが、本件委任契約は、当該取引に係るすべての決済が終了した日まで継続しており、それまでの間の当該取引が一任売買であるということもできず、仮に一任売買であったとしても、請求人が当該取引から生じた利益を現実に享受している以上、当該取引に係る所得は、請求人に帰属すると認めるのが相当である。
 また、請求人は、仮に、本件商品先物取引に係る所得が請求人に帰属するとしても、年末における建玉に係る値洗い損の額は、雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張するが、値洗い損の額は単なる計算上の金額にすぎず、その年において債務が確定したということはできないから、雑所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。

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