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所得金額の計算
過年度仮装経理の修正損失
- 収益の帰属事業年度
- 益金の額の範囲及び計算
- 損失の帰属事業年度
- 損金の額の範囲及び計算
- 圧縮記帳
- 引当金
- 繰越欠損金
- 借地権の設定等に伴う所得の計算
- 特殊な損益の計算
- 適格合併
仮装経理に基づく過大申告額を修正経理した場合の損失はその仮装経理を行った事業年度の損金とすべきであり、修正経理を行った事業年度の損金には算入できないとした事例
裁決事例集 No.34 - 53頁
過去8事業年度にわたり、仮装経理に基づき過大に申告した所得金額に相当する金額につき、本件事業年度の確定決算において一括して修正経理を行い特別損失に計上した金額については、その全額を本件事業年度の損金の額に算入すべきであるとの請求人の主張に対して、本件特別損失の額は、本件事業年度に生じたものでないことは明らかであるから、その生じた各事業年度の損金の額に算入すべきものであり、その結果、もし、損金の額に算入する機会を失うこととなる金額が生じたとしても、それは国税通則法に規定する5年の更正の期間制限によるものであるから、このゆえをもって不相当な措置ということはできない。
昭和62年11月6日裁決
本件事業年度の損金の額に算入した過年度棚卸資産廃棄損は、本件事業年度前の仮装経理における棚卸資産過大計上額であって、本件事業年度において生じた損失ではないから、本件事業年度の損金の額には算入されないとした事例
請求人は、本件事業年度において、民事再生法に基づく再生手続開始の申立てを行い、同法に基づく財産価額の評定の準備を始めていたのであるから、評価損として計上した過年度棚卸資産廃棄損の額を本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。
しかしながら、過年度棚卸資産廃棄損の額は、請求人が本件事業年度前の各事業年度の棚卸資産に係る粉飾額を計上したものにすぎず、その全額が本件事業年度において生じたものでないことが明らかであるから、過年度棚卸資産廃棄損の額を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。
平成18年11月21日裁決