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課税範囲

医療の給付、社会福祉事業等、助産に係る給付

  1. 課税取引
  2. 非課税取引
    1. 土地等の譲渡及び貸付け
    2. 物品切手等の譲渡
    3. 国等の手数料等
    4. 医療の給付、社会福祉事業等、助産に係る給付(3件)
    5. 授業料、入学金等
    6. 住宅の貸付け
  3. 免税取引

無認可保育所の経営に係る資産の譲渡等には消費税法6条《非課税》の適用はないとした事例

裁決事例集 No.63 - 645頁

 請求人は、無認可保育所も児童福祉法にいう保育所に該当するから、無認可の保育施設が行う資産の譲渡等は消費税法施行令(平成11年施行令第262号により改正前のもの)第14条の2第1号に規定する児童福祉施設が行う資産の譲渡等に該当し、非課税である旨主張するが、児童福祉法では、国、都道府県及び市町村以外の者については、知事の許可を得て保育所を設置することができる旨規定し、また、保育所と目的を同じくする施設であっても、知事等の認可を受けていない施設については「保育所」といっていないから、児童福祉法にいう「保育所」には無認可の保育施設は含まれないと解するのが相当である。したがって、請求人が経営する無認可保育所の事業として行われた資産の譲渡等には消費税法第6条《非課税》の適用がない、とした原処分は適法である。

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市が国民健康保険の被保険者の健康の保持増進を目的とする施策により、施術料の一部を負担している鍼灸師が行う施術は、消費税法施行令第14条第19号に規定する「医療及び療養」に該当しないとした事例

裁決事例集 No.75 - 680頁

 請求人は、A市の本件施設利用規則の定めに基づく負担金はいわゆる「公費負担」に該当し、また、鍼灸師が行う施術は医療であり、本件施術は消費税法施行令第14条第19号に規定する医療及び療養に該当する旨主張するが、本件施術に係る負担金は、A市の施策に基づきその要する費用の一部をA市が負担しているものであるが、1国民健康保険法の規定に基づく療養費の支給が行われるものではなく、また、2保険者であるA市が、本件条例及び本件施設利用規則に基づき療養費を支給している事実は認められず、さらに、3当該施策は、本件条例、本件施設利用規則などによれば、A市が被保険者の健康の保持増進を目的として行う国民健康保険法第82条の規定に基づく保健事業であると認められることから、本件施術は、国又は地方公共団体の施策に基づく「療養又は医療の給付に係る療養又は医療」及び「療養費又は医療費等の支給に係る医療又は療養」とは認められず、消費税法施行令第14条第19号に規定する「医療及び療養」には該当しないことから、原処分は相当である。

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助産施設として利用されていた建物の譲渡は、消費税法上、課税資産の譲渡等に当たるとした事例

平成24年1月31日裁決

《ポイント》
 この事例は、産科、婦人科等の診療の用に供されていた建物及び敷地を請求人が医療法人に譲渡したことにつき、当該建物の譲渡が消費税法第6条第1項及び同法別表第一第8号に規定する非課税取引に当たるか否かが争われたものである。

《要旨》
 請求人は、消費税法別表第一第8号の規定上、助産に係る資産の譲渡等は分娩と直接関連するものに限られるとはいえず、助産に関連する全ての資産の譲渡等をいうのであり、請求人が所有し、産科、婦人科等の診療の用に供されていた本件建物は助産施設であるから、その譲渡は、同号に規定する助産に係る資産の譲渡等に該当する旨主張する。
 しかしながら、消費税法別表第一第8号に規定する「助産に係る資産の譲渡等」とは、医師等の資格を有する者の医学的判断及び技術をもって行われる分娩の介助等ないしそれに付随する妊産婦等に対する必要な処置及び世話等をいうものと解されるのであり、助産の用に供されている施設建物の譲渡が「助産に係る資産の譲渡等」に該当すると解することはできない。

《参照条文等》
 消費税法第6条第1項、別表第一第8号

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