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為替差損益
- 収益の帰属事業年度
- 益金の額の範囲及び計算
- 損失の帰属事業年度
- 損金の額の範囲及び計算
- 圧縮記帳
- 引当金
- 繰越欠損金
- 借地権の設定等に伴う所得の計算
- 特殊な損益の計算
- 適格合併
国内事業に関して発生した為替差益の付替え相当額は、親会社との契約に基づき同社に帰属すべきものであるから、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであるとの請求人の主張を排斥した事例
裁決事例集 No.36 - 113頁
国内事業に関して生じた為替差損益部分に相当する額を収益金又は負担金として親会社に帰属させることを内容とする契約は、請求人の事業の特殊性からみて経済的合理性のあるものであり、この契約に基づき負担した金員は、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであると請求人は主張するが、請求人の日本支店が親会社へ邦貨又は外貨で支払ったとする事実も認められず、単に会計帳簿上の振替処理であることなどからみて、本件為替決済差益等の額について請求人の日本支店から親会社に至るまでの付替え経理は、当事者間における単なる資金移転取引であると解されるから、当該資金の移転に関連して請求人及び親会社の双方に損失又は利益は生じないと認めるのが相当である。
昭和63年12月15日裁決
外国法人からの仕入れ取引は円建てで行われたと認められるから、当該取引の決済により生じた為替差益相当額を過大仕入れによる寄付金と認定した原処分は相当でないとした事例
裁決事例集 No.38 - 156頁
本件取引については、[1]請求人の仕入先である外国法人の委託を受け、商品代金の請求及び回収等の業務を行っている会社が実在していること、[2]甲期間(昭和58年9月30日以前)は、実質外貨建て取引を行っていたものであるが、乙期間(昭和58年10月1日以後)においてはこれを廃止し円建て取引となったと認められること、[3]外貨建て取引から円建て取引になっても関係帳票及びその表示方法を変える必要はなかったものと認められることから、たとえ原処分庁からみて不合理な結果(為替差益の流出)が生じたとしても、このことのゆえに当該契約が仮装による無効なものと判断することはできないので、当該取引が実質外貨建て取引であることを前提として為替差益相当額を過大仕入による寄付金であるとする原処分庁の主張は採用できない。
平成元年12月15日裁決