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路線価による評価
- 評価の原則
- 土地及び土地の上に存する権利
- 家屋及び庭園設備
- 動産
- 取引相場のない株式
- 出資の評価
- 預貯金
- 貸付金債権等
- 預託金制のゴルフ会員権
- 施設建築物の一部の給付を受ける権利
- 構築物
相続により取得した借地権について、私道に仮路線価を設定して評価するのが相当であるとした事例
裁決事例集 No.35 - 151頁
本件借地権の設定された土地は、路線価の付されていない私道に面しているところ、その評価に当たっては、本件私道と状況が類似する付近の路線に付された路線価に比準して仮路線価を評定し、その仮路線価に基づいて評価するのが相当であるから、原処分庁が本件私道の面する公道に付された路線価によって評価したことは相当とは認められない。
昭和63年5月27日裁決
1. 本件贈与土地を評価するに当たり、過去3年分の路線価の平均額に基づいて算定することは相当ではないとした事例2. 本件土地の使用関係は、使用貸借であると認められるから、更地と同様に評価すべきであるとした事例
- 請求人は、平成元年3月30日付直資2−205、直評6の「改正相当地代通達」(例規)においては、借地権課税における相当地代の額の計算の基礎となる土地の価額は、当該土地に係る相続税評価額の過去3年間の平均額とすることを認めているのであるから、本件贈与土地についても認められるべきだと主張するが、この「改正相当地代通達」は、借地権の設定された土地について、権利金の支払に代え、相当の地代を支払うなどの特殊な場合の「相当の地代」の額を算定するためのものであり、土地自体を評価するためのものではない。
したがって、3年間の平均額ではなく、贈与年分の路線価に基づいて本件贈与土地の課税価格を算定したことには違法性はない。 - 本件土地上には贈与者の所有する建物があるが、本件土地の使用関係は使用貸借であると認められるから、原処分庁が本件贈与土地について更地と同様に評価したことは相当である。
平成4年3月4日裁決
特定路線価の評定方法に不合理と認められる特段の事情がない限り特定路線価を正面路線価として評価するのが相当とした事例
《ポイント》
本事例は、路線価の設定されてない道路のみに接する宅地を評価する場合において、当該道路に特定路線価が設定されているときは、当該特定路線価の評定方法に不合理と認められる特段の事情がない限り、当該道路と接続する路線に設定されている路線価を正面路線価として評価する方法よりも、当該特定路線価を正面路線価として評価する方法が合理的であることを初めて明らかにしたものである。
《要旨》
請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、路線価の設定されていない位置指定道路(本件位置指定道路)のみに接面しており、本件位置指定道路は、路線価の付された市道(本件市道)に接続しているところ、本件各土地の評価に当たっては、本件位置指定道路に設定された特定路線価(本件特定路線価)ではなく、本件市道に付された路線価を正面路線価とすべきである旨主張する。
しかしながら、特定路線価を設定して評価する趣旨は、評価対象地が路線価の設定されていない道路のみに接している場合であっても、評価対象地の価額をその道路と状況が類似する付近の路線価の付された路線に接する宅地とのバランスを失することのないように評価しようとするものであって、このような趣旨からすると、特定路線価は、路線価の設定されていない道路に接続する路線及び当該道路の付近の路線に設定されている路線価を基にその道路の状況、評価しようとする宅地の所在する地区の別等を考慮して評定されるものであるから、その評定において不合理と認められる特段の事情がない限り、当該特定路線価に基づく評価方法は、路線価の設定されていない道路のみに接続する路線に設定された路線価を基に画地調整を行って評価する方法より合理的であると認められる。本件特定路線価の評定についてみると、不合理とみられる特段の事情は見当たらないから、本件各土地の価額は、本件特定路線価を正面路線価として評価するのが相当である。
《参照条文等》
相続税法第22条
財産評価基本通達14、14−3