財産の評価

雑種地

  1. 評価の原則
  2. 土地及び土地の上に存する権利
    1. 評価基準の適用
    2. 倍率方式による評価
    3. 路線価による評価
    4. 各影響要因に基づく加減
    5. 私道
    6. 土地区画整理事業施行区域内の土地
    7. 貸宅地
    8. 使用貸借に係る土地
    9. 賃借権
    10. 借地権
    11. 区分地上権
    12. 土地所有権移転請求権
    13. 貸家建付他
    14. 雑種地(3件)
    15. 農地
    16. 山林
    17. その他
  3. 家屋及び庭園設備
  4. 動産
  5. 取引相場のない株式
  6. 出資の評価
  7. 預貯金
  8. 貸付金債権等
  9. 預託金制のゴルフ会員権
  10. 施設建築物の一部の給付を受ける権利
  11. 構築物

貸し付けている墓地用地の相続税評価額について、残存期間が50年を超える地上権が設定されている土地の評価に準じて評価した事例

裁決事例集 No.4 - 30頁

 本件土地は、昭和9年以来、寺の墓地の用に供され、今後も引き続き墓地として永代使用させるものと推認されるので、その評価については、相続税法第23条に規定する残存期間が50年を超える地上権が設定されている土地の評価に準じて扱うのが相当であると認められる。

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雑種地の価額を宅地比準方式により評価したのは相当であるとされた事例

裁決事例集 No.60 - 522頁

1 地目の判断は、課税時期の現況によって行うのであり、本件雑種地は、一般的には建物の建築が制限されているとはいえ、建築がまったくできないものではなく、その状況は、宅地の状況に最も類似し、山林と明らかにその状況を異にしているから、本件雑種地の価額は、本件雑種地と状況が類似する付近の宅地を比準地として、宅地比準方式により評価するのが相当である。

2 本件雑種地の評価において、50%相当額を控除したのは、本件雑種地は、その状況が宅地に類似しているとはいえ、実際には、都市計画法に基づく利用制限があることを考慮したためであり、相当である。

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急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について判断した事例(平成27年6月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成30年11月19日裁決)

平成30年11月19日裁決

《ポイント》
 本事例は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について、財産評価基本通達82に定める雑種地の評価方法(状況が類似する財産評価基本通達49に定める市街地山林)により評価するのが相当であるとしたものである。

《要旨》
 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地(本件排水路土地)の評価について、原処分庁は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》の前段に準じて、宅地の価額の100分の30に相当する価額によって評価すべきである旨主張し、請求人らは、評価通達24の後段に準じて、その価額は評価しないこととすべきである旨主張する。
 しかしながら、本件排水路土地及び本件排水路土地に隣接する急傾斜地崩壊防止施設の敷地の用に供されていた土地(本件施設土地)の地目は、いずれも雑種地であると認められるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、その利用目的等からすれば、評価通達7−2《評価単位》の(7)に定める利用の単位となっている一団の雑種地に該当するため、本件排水路土地は、本件施設土地と一の評価単位として、評価通達82《雑種地の評価》に定める雑種地の評価方法により評価することになる。そして、本件の場合、一の評価単位の大部分を占める本件施設土地が急傾斜地であることを考慮すれば、評価通達82に定める本件排水路土地及び本件施設土地と状況が類似する付近の土地は山林と判断するのが相当であるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、評価通達49《市街地山林の評価》に定める急傾斜地であるために宅地造成ができないと認められるから、本件排水路土地は、評価通達49のなお書のとおり、近隣の純山林の価額に比準して評価するのが相当である。

《参照条文等》
 相続税法第22条
 財産評価基本通達7−2、49、82

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