所得金額の計算

役務提供による収入

  1. 収益の帰属事業年度
    1. 通常の商品販売
    2. 委託販売
    3. 請負収入
    4. 仲介手数料収入
    5. 役務提供による収入(5件)
    6. 土地建物等の譲渡収入
    7. 賃貸料収入
    8. 利息収入
    9. 債務免除益
    10. 契約金収入
    11. 名義書換料収入
    12. 過年度損益修正
    13. 帳簿締切日との関係
    14. 違約金収入
    15. 損害賠償金
    16. 権利変換に伴う収入
  2. 益金の額の範囲及び計算
  3. 損失の帰属事業年度
  4. 損金の額の範囲及び計算
  5. 圧縮記帳
  6. 引当金
  7. 繰越欠損金
  8. 借地権の設定等に伴う所得の計算
  9. 特殊な損益の計算
  10. 適格合併

入学金の収益計上の時期は学生の身分を取得させた日であるとした事例

裁決事例集 No.3 - 18頁

 入学金は学生たる身分を取得するための対価であるから、その収益計上の時期は学生たる身分を取得する時期であると解すべきである。したがって、入学金の入金時をもってその収益計上時期とした原処分は誤りである。

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講習会に係る講習料についての収益の計上時期は講習会の終了時であるとした事例

裁決事例集 No.15 - 47頁

 請求人は、本件講習会にはその事後処理の事務である受講終了者の名簿の作成及び当該名簿の知事への送付等を含むものであり、これらの事後処理の事務は当事業年度には完了していないから、その受講料に係る収益の計上時期は、翌事業年度であると主張しているが、本件受講料に係る請求人の受講者に対する役務の提供は、当事業年度内に完了しており、本件受講料に係る各講習会の事業とその事業等の整理等として行う事後処理の事務とは区分することが相当と認められるので、本件受講料の収益の額の計上時期は当事業年度であるとする原処分は相当である。

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自動車の運転免許の技能教習料等のうち未教習部分に係る金額について前受金経理を相当であるとした事例

裁決事例集 No.23 - 107頁

 既納の技能教習料のうち、未教習部分に係る金額は、受講者に返還請求権があること及び入所後6か月を経過した受講者も未教習部分に対し受講する権利があることなどから、入所後6か月を経過した時点で既納の技能教習料のすべてを実現した収益とするのは相当でない。
 また、既納の学科教習料のうち、未教習部分に係る金額については、いったん納入されると受講者に返還請求権がないこと及び請求人は受講者に対し道路交通法規則に従い入所後6か月以内に学科教習をする義務があり、受講者が6か月以内に終了できる時間割表によって学科教習を実施していることなどからみれば、入所後6か月を経過した受講者の未教習に係るものは実現した収益とし、入所後6か月以内の受講者の未教習に係るものは、未実現の収益とするのが合理的である。

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請求人が建設業者との間においてテレビ共同聴視受信設備の維持管理業務を長期にわたって受託する旨の契約を締結し、その保守管理料を一括収受した場合の収益計上は、その一括収受額を契約期間で除して得た金額によることが相当であるとした事例

裁決事例集 No.35 - 93頁

 請求人は、本件金員(一括収受額)は建設業者からの預り金であるから、現実に保守及び事故等による工事をする都度、これに要した費用等相当額を費用及び収益に計上するとともに、本件委託契約が終了した時点において、本件金員と現実に要した維持管理費との間で過不足を生じた場合には、その時点で当該過不足分を収益又は損失として計上すべきであると主張するが、本件金員は、請求人に帰属する収益に該当するものであり、その収益として計上すべき時期については、本件金員は本件委託契約に基づき請求人の共聴設備の維持管理業務という役務提供の対価として支払われたものであり、かつ、当初から返還を要しないものであると認められるから、本件金員を収受した日の属する事業年度の益金の額に算入するのが相当であると考えられないではないが、本件のように、[1]長期にわたる維持管理収入を当初に一括して前受けするという契約で、[2]本件金員を収受した時点においては、契約上の義務である役務提供を何ら履行しておらず、将来請求人の役務提供が不可能となったときは本件金員の一部の返還義務を負うこともあり得るもので、[3]契約期間中に発生すべき原価等の額を当初において合理的に見積ることが事実上不可能と思われるものについては、本件金員を契約期間で除して得た金額を1年当たりの収益として各事業年度の益金の額に算入するという計上方法は、法人税法第22条第4項にいう一般に公正妥当な会計処理の基準に合致するものということができる。

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請求人は、本件発注者に対して、工事完了年月日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当であるとした事例

平成29年10月4日裁決

《ポイント》
  本事例は、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、工事完了年月日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるとしたものである。

《要旨》
 請求人は、改修工事(本件工事)を請け負い、主要な工事を終えて発注者(本件発注者)に対し、竣工日を平成27年3月27日とする竣工届(本件竣工届)を提出し、本件発注者から工事完了年月日を同月31日とする工事検査通知書(本件検査通知書)を受領しているが、本件工事には、次期工事が開始されるまでの間、本件工事の完了箇所及び次期工事予定区域を囲うためにバリケードを設置して現場管理することが含まれ、それらを同年9月まで継続して行っていたのであり、本件工事は同年3月31日までに完了していなかったから、本件工事の請負代金の額は、同日を含む事業年度(本件事業年度)の益金の額に算入されない旨主張する。
 しかしながら、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、同月31日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当である。ただし、本件事業年度の益金の額に算入される本件工事の請負代金の額には、請求人が設置したバリケードの使用料が含まれており、それに個別対応する原価であるバリケードの賃借料の一部を本件事業年度の損金の額に算入すべきところ算入されていなかったことから、原処分の一部を取り消すべきである。

《参照条文等》
 法人税法第22条第2項
 民法第624条、第633条
 法人税基本通達2-1-5、2-1-6

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