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所得税法の特例
買換資産等の事業供用の認定事例
- 不動産所得及び事業所得等の特例
- 譲渡所得の特例
- 株式等に係る譲渡所得等の特例
- 住宅借入金(取得)等特別控除
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
- タックスヘイブン対策税制
- 寄附金特別控除
買換えにより取得した診療所の事業使用面積及び診療所の内装工事金額の事業使用面積については、請求人の主張に理由がなく、また、内装工事については、その内装工事をした事実がないとした事例
裁決事例集 No.42 - 170頁
- 取得した建物の事業使用面積106.5
のうち、現在台所と納戸として使用されている部分については、いずれも本件建物の裏手の居住専用玄関を入った一角に位置する台所と階段を上がった2階に位置する納戸となっており、診療室からは直接通じる構造にはなっていないこと、また、台所は待合室らしい造りとはなっていないこと及び納戸にはリハビリ用の器具備品も設置されていないこと等から、診療室(一角に患者専用の待合室が設けられている)のみが専ら事業に使用されていたとするのが相当であり、事業使用面積は、72.87
が相当である。
- 関係人の答述によれば、内装工事をしたとするA社は、昭和61年4月11日会社更生手続開始の申立てを行い、昭和63年1月13日に至り更生手続の廃止が決定され、破産した。また、会社更生法の申請時から操業を停止し、閉鎖したままであった。
また、A社の領収証は、番号を付しており、市販の用紙を使用することはなかったにもかかわらず、請求人提出の本件内装工事に係るA社発行の領収証は、市販の領収証であった。
以上のとおり、請求人は、本件内装工事を行ったとする主張を認めるに足る証拠を何ら提出せず、また、関係人の答述等からも明らかなとおり、本件内装工事代金を買換対象金額に算入することはできない。
平成3年10月25日裁決
区分所有登記のできない本件買換建物の取得価額は、事業の用に供されている部分の額のうち、請求人の所有持分に相当する額によるとした事例
請求人は、本件買換建物の3分の2を持分としており、当該建物の全延面積に占める事業の用に供している割合は30.36パーセントであるから、本件買換建物の事業の用に供している部分の額は全額取得価額として認めるべきであると主張するが、本件買換建物は、区分所有のできない建物である以上、請求人は事業用部分の全部を取得したものとはいえず、事業用部分のうち請求人の持分である3分の2相当を取得したものとなるから、本件買換建物の取得価額のうち事業用部分に相当する額の3分の2に相当する額が、請求人の事業用部分に係る取得価額となる。
平成4年1月20日裁決
賃貸料として6か月分相当額を一括計上しているが、賃貸は一時的なものにすぎず、相当の対価を得て継続的に行う事業に準ずるものに該当しないとして、租税特別措置法第37条第1項の適用を認めなかった事例
請求人が、事業用資産と主張する本件土地は、Q社との賃貸借契約日からわずか3週間足らずでK社に譲渡の意思表示をしている事実、さらには賃貸借期間を1年としたことについて、賃貸条件を1年ごとに更新するためのものである旨の請求人の主張を裏付けるに足りる証拠も認められないことを総合勘案すると、当該土地の賃貸は一時的なものにすぎず、相当の対価を得て継続的に行う事業に準ずるものに該当するとはいえないから、本件土地の譲渡所得の金額の計算において、租税特別措置法第37条第1項の適用は認められない。
平成13年3月29日裁決