裁決事例集 No.57

国税通則法関係

更正の請求/通常の事由

裁決事例要旨 裁決事例

後日確定した代金の返還を事由とする更正の請求は認められないとした事例(平成7年7月1日〜平成8年6月30日事業年度法人税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

更正の請求/基礎となった事実関係に関する判決等

裁決事例要旨 裁決事例

本件判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する判決には該当せず、本件判決を基にして、同規定による更正の請求はできないとした事例(平成元年分及び2年分所得税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

還付金等の充当

裁決事例要旨 裁決事例

原処分庁が、請求人が租税特別措置法(平成7年法律第55号による改正前のもの。)第70条の10第8項第1号の規定による取下書を提出しない時期に、請求人が相続税の本税として納付した額を、請求人にまったく連絡することなく、相続税に係る利子税に充当したのは違法であるとして、充当処分が取り消された事例(平成3年12月12日相続開始相続税の過誤納金の各充当処分、平成7年分所得税の修正申告に係る過少申告加算税の過誤納金の充当処分、特例物納申請取下げに伴う利子税のお知らせ/充当処分は一部取消、その他は却下)

隠ぺい、仮装の認定

裁決事例要旨 裁決事例

本件相続開始直後、請求人自らが被相続人名義の証書式定額郵便貯金を解約して、新たに開設した請求人ら名義の通常郵便貯金口座に預入し、その存在を確知しているにもかかわらず、後に開設した相続財産管理口座には被相続人名義の通帳式郵便貯金を解約した金額のみを預入し、証書式定額郵便貯金を除外して相続税の確定申告をした請求人の行為は、事実を隠ぺいした場合に該当するとした事例(平成7年1月19日相続開始相続税に係る重加算税の賦課決定処分/棄却)

隠ぺい、仮装の認定、偽りその他不正の行為の認定

裁決事例要旨 裁決事例

多額の不動産所得を申告すべきことを認識しながら、関与税理士に資料を提出せず、かつ、虚偽の説明をするなどして、過少な申告書を作成させて提出した行為は、重加算税の賦課要件に該当するとともに更正等の期間制限に係る偽りその他不正の行為に該当するとした事例(平成4年分及び5年分所得税に係る各更正処分等並びに平成6年分及び7年分所得税に係る重加算税の各賦課決定処分/棄却)

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所得税法関係

借地権の更新料の所得区分

裁決事例要旨 裁決事例

借地権の更新料が土地の時価の10分の5以下である場合には、当該更新料が地代の年額の20倍に相当する金額を超えるとしても、譲渡所得には該当しないとされた事例(平成4年分所得税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

必要経費

裁決事例要旨 裁決事例

物納した土地上の賃貸用建物に係る本件解約損害金及び本件取壊し費用は、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用には該当せず、譲渡費用に該当するとした事例(平成7年分及び8年分所得税に係る更正処分等/棄却)

事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例

裁決事例要旨 裁決事例

不動産所得の金額の計算上、生計を一にする親族に支払った土地賃借料は必要経費に算入されないとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

事業所得の認定

裁決事例要旨 裁決事例

診療所開設遅延に係る本件和解金は、請求人の心身、資産に加えられた損害を補てんする性質のものではなく、本来所得となるものや得べかりし利益を喪失した部分を受領したもので、請求人の業務の遂行により生ずべき事業所得に係る収入金額に代わる性質を有するものと認められるとした事例(平成8年分所得税に係る更正処分等/棄却)

繰延資産の償却費

裁決事例要旨 裁決事例

事業開始前に事業の用に供する資産を借入金によって取得した場合において、事業開始前に支出した当該借入金の利子は繰延資産である開業費には該当しないとされた事例(平成6年分所得税に係る更正処分/棄却)

譲渡所得の認定

裁決事例要旨 裁決事例

本件ゴルフ会員権に係る取引は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡とは認められないとした事例(平成5年分所得税に係る更正処分等/棄却)

譲渡所得の取得価額

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が貸付債権の担保として根抵当権を設定していた土地を、自ら競売の申立てを行い、客観的価額を大幅に上回る貸付債権相当額で落札・取得して譲渡した場合において、当該落札による価額は、譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得に要した金額には当たらないとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

更正の請求の特例

裁決事例要旨 裁決事例

所得税法第64条第1項に規定する資産の譲渡代金が回収不能となった事実は、後発的事由を理由とする更正の請求をした日の2か月以上前に生じており、更正の請求は認められないとした事例(平成3年分所得税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

給与所得の源泉徴収

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の元理事長らが不正行為により流用等した金員等は、当該元理事長らに対する給与所得又は退職所得として、請求人は源泉徴収義務を負うと認定した事例(平成5年3月、同年8月、平成6年8月、同年11月、平成7年2月、同年5月、同年6月、同年8月、同年9月、平成8年3月、同年4月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分等/棄却)

外交員報酬の該当の可否

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の代理店は、請求人との販売委託契約書に基づき請求人の扱っている商品について、請求人と顧客との販売契約の申込みの勧誘等の業務委託を受け、請求人と顧客との売買契約の締結を媒介する役務を請求人に提供していることから、所得税法第204条に規定する外交員に該当するとした事例(平成6年2月〜平成9年7月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分等/平成8年3月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分は一部取消、その他は棄却)

居住用財産の譲渡の特例適用の可否

裁決事例要旨 裁決事例

譲渡した土地及び建物は、請求人の生活の本拠ではなく、居住用財産の譲渡とは認められず、請求人が住民票を異動したことは、特例の適用を受けるための事実を仮装するために行ったものであるから、重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

居住用財産の譲渡の特例適用の可否

裁決事例要旨 裁決事例

本件建物の2階を居住用とし、1階を店舗工場として同族会社に賃貸していた請求人が、当該同族会社の倒産後において1階部分を居住用に改装した事実はなく、また、居住用として利用する必然性も認められないので、1階部分については、居住用財産の課税の特例の適用はできないとした事例(平成7年分所得税の更正の請求に係る更正処分/棄却)

相続財産に係る譲渡所得の課税の特例

裁決事例要旨 裁決事例

遺留分減殺請求権を行使して取得した宅地を譲渡しても、その譲渡が相続税の法定申告期限の翌日以後2年経過後である場合には、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例の適用がないとした事例(平成9年分所得税に係る更正処分等/棄却)

相続財産に係る譲渡所得の課税の特例

裁決事例要旨 裁決事例

いわゆる超過物納に係る還付金相当額について譲渡所得の金額を計算する場合において、その物納許可に基づく物納財産の収納が相続税の法定申告期限から2年経過後であっても、本件譲渡が本件特例の適用期間を経過した後にされたものである以上、租税特別措置法第39条第1項の適用はないとされた事例(平成8年分所得税に係る更正処分等/棄却)

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法人税法関係

工事等請負収入に係る収益の帰属事業年度

裁決事例要旨 裁決事例

期末現在において未収になっている工事代金等は、損害賠償請求権を行使し、その支払いを受けるべきことが確定した事業年度の益金ではなく、請負工事の完了した日の属する事業年度の収益であるとされた事例(平成5年10月1日〜平成6年9月30日事業年度法人税に係る更正処分等及び平成5年10月1日〜平成6年9月30日課税期間消費税に係る更正処分等/棄却)

過年度仮装経理の修正損益

裁決事例要旨 裁決事例

本件事業年度の有価証券売却損は過年度仮装経理の修正経理とは認められず、架空の損失の計上と認定した事例(平成2年11月1日〜平成3年10月31日事業年度以降法人税に係る青色申告承認の取消処分、平成2年11月1日〜平成3年10月31日、平成3年11月1日〜平成4年10月31日、平成4年11月1日〜平成5年10月31日、平成5年11月1日〜平成6年10月31日、平成6年11月1日〜平成7年10月31日事業年度法人税に係る各更正処分等、平成2年11月1日〜平成3年10月31日課税事業年度法人臨時特別税に係る更正処分等、平成3年11月1日〜平成4年10月31日課税事業年度法人特別税に係る決定処分等、平成4年11月1日〜平成5年10月31日課税事業年度法人特別税に係る更正処分等/平成5年11月1日〜平成6年10月31日及び平成6年11月1日〜平成7年10月31日事業年度法人税に係る各更正処分等は却下、その他は棄却)

寄付金/低額譲渡

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が非上場株式を関係会社の代表者に対して額面金額で譲渡した価額は、通常取引価額に比べ低額であるから、その価額と譲渡価額との差額は寄付金であると認定した事例(平成5年10月1日〜平成6年9月30日事業年度法人税に係る更正処分等/棄却)

寄付金/債権放棄等

裁決事例要旨 裁決事例

不採算又は事業後継者難の特約店4社に対して、請求人が行った売掛金の減額処理は、請求人の経営遂行上真にやむを得ない費用であるから寄付金課税の対象にはならないとされた事例(平成8年4月1日〜平成9年3月31日事業年度法人税に係る更正処分等及び平成8年4月1日〜平成9年3月31日課税期間消費税に係る更正処分等/平成8年4月1日〜平成9年3月31日事業年度法人税に係る更正処分等は一部取消、平成8年4月1日〜平成9年3月31日課税期間消費税に係る更正処分等は全部取消)

理由附記の内容

裁決事例要旨 裁決事例

更正の理由の「加算」欄に記載された文言からは、なぜ寄付金に当たると判断したのか具体的な理由の記載が認められず、その理由を知ることができないので、本件更正処分に係る理由附記は法人税法第130条第2項に規定する要件を満たさない不適法なものであるとされた事例(平成5年4月1日〜平成6年3月31日及び平成7年4月1日〜平成8年3月31日事業年度法人税に係る各更正処分/全部取消)

特定設備等の特別償却

裁決事例要旨 裁決事例

本件鋳型造型機の附属機器等は通産省告示第145号で指定されていないことから特定設備等の特別償却の対象とはならないとした事例(平成7年4月1日〜平成8年3月31日及び平成8年4月1日〜平成9年3月31日事業年度法人税に係る各更正処分等/一部取消)

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相続税法関係

相続税の課税財産の認定

裁決事例要旨 裁決事例

請求人ら名義の関係会社の株式は相続財産と、請求人ら名義の定期預金は請求人らが生前に贈与により取得したものと認定した事例(平成7年4月3日相続開始相続税に係る更正処分等/共同審査請求人Xに対する更正処分等は一部取消、その他は棄却)

債務控除

裁決事例要旨 裁決事例

借地人に対する立退料支払債務は、確実と認められる債務といえ、債務控除の対象になると認められるが、借地権の引渡請求権(立退料の金額と同額)が相続財産となるので相続税の課税価格は減額されないとした事例(平成6年2月4日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

借地権の評価

裁決事例要旨 裁決事例

被相続人は賃借していた土地の所有者に対して別途建物を賃貸しており、その建物の賃貸料が相場より低いのは、その低い分だけ土地の賃借料と相殺されているのであるから、この相殺部分の金額を土地の賃借料に加算すると土地の賃借料は相当地代に当たるので、被相続人の有する借地権の評価額は零であるとの請求人の主張が排斥された事例(平成6年1月11日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

土地(山林)の評価

裁決事例要旨 裁決事例

本件土地の価額は、近隣の公示価格から推定した公示価格水準の額に80パーセントを乗じた額により評価すべきであるとの請求人の主張が排斥された事例(平成7年2月15日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

取引相場のない株式の評価

裁決事例要旨 裁決事例

課税時期が合併契約締結後合併期日までの間にある場合において、課税時期における株式の価額は、合併後の会社の純資産価額に影響されないとした事例(平成6年4月12日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

消費税法関係

課税資産の譲渡等の対価の額

裁決事例要旨 裁決事例

ビール、飲料水メーカーの特約店及び容器問屋に容器を納入する本件取引は、単なる役務の提供ではなく、自己の計算において容器等を売買しているものであるから、特約店等から受領する容器等保証金相当額は、消費税の課税資産の譲渡等の対価の額に該当するとされた事例(平成6年1月1日〜平成6年12月31日課税期間消費税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

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揮発油税法関係

揮発油税の課税物件

裁決事例要旨 裁決事例

件輸入貨物は揮発油税の課税物件として取り扱わないこととされている軽質原油であるとの請求人の主張が排斥された事例(平成9年3月26日申告にかかる揮発油税、地方道路税及び消費税に係る各更正処分、平成9年4月18日申告にかかる揮発油税、地方道路税、消費税及び地方消費税に係る各更正処分/棄却)

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国税徴収法関係

第二次納税義務

裁決事例要旨 裁決事例

滞納法人がその構成員である組合員に対して行った賦課金の返還行為が、国税徴収法第39条の無償譲渡等に当たるとされた事例(第二次納税義務の納付通知書による告知処分/棄却)

交付要求の解除請求

裁決事例要旨 裁決事例

国が担保として徴していた不動産抵当権の一部解除をした場合において、当該物件に抵当権を設定した請求人の強制換価手続に対しては、信義則上、国が交付要求することは許されないとの請求人の主張が排斥された事例(交付要求の解除を拒否する旨の通知処分/棄却)

換価代金等の配当

裁決事例要旨 裁決事例

遺産分割の調停で、他の相続人が延滞税を負担することとされたにもかかわらず、本件公売代金をこの延滞税に配当したのは違法である等との請求人の主張が排斥された事例(換価代金の配当処分、公売通知、不動産等の最高価申込者決定通知/換価代金の配当処分は棄却、その他は却下)

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