裁決事例集 No.72

国税通則法関係

更正の請求/基礎となった事実関係に関する判決等

裁決事例要旨 裁決事例

相続回復請求権は実質的にみて被相続人の遺産であるから、和解の成立時に現に取得した相続回復請求権の範囲内で課税すべきである旨の請求人の主張を排斥した事例(平成12年9月相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分/一部取消し)

国税の納付義務の確定/更正又は決定等

裁決事例要旨 裁決事例

年末調整を受けた給与所得者が、扶養親族に該当しない親族を給与等の支払者に扶養親族として届出て扶養控除の適用を受けていた場合において、当該給与所得者は納税申告書を提出する義務のある者には該当しないから、扶養控除を否認する決定処分は違法であるとした事例(平成13年分〜平成16年分の所得税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分/全部取消し)

無申告加算税/正当な理由

裁決事例要旨 裁決事例

消費税等の確定申告書を法定申告期限(平成18年1月4日)の8日前である平成17年12月27日に宅配便業者の宅配便を利用して発送したところ、同宅配物が平成18年1月5日に到達したことにつき、「正当理由が認められる場合」に該当するとの請求人の主張を排斥した事例(平16.11.1〜平17.10.31の課税期間の消費税及び地方消費税の無申告加算税の賦課決定処分/棄却)

重加算税/ことさらの過少申告

裁決事例要旨 裁決事例

相続税の申告に際して、相続財産である被相続人名義の投資信託を申告しなかった行為について、当初から相続財産を過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をしており、重加算税の賦課要件を満たすとした事例(平成15年2月相続開始に係る相続税の重加算税の賦課決定処分/棄却)

請求の利益

裁決事例要旨 裁決事例

債権差押処分の名あて人である請求人は不服申立適格を有するが、差押処分の対象となった債権が自己に帰属しない旨の主張は、自己の法律上の利益に関係のない違法をいうものであり理由がないとした事例(債権の差押処分/棄却)

主張制限

裁決事例要旨 裁決事例

審査請求人の主張事由は、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものであるとして、その主張を排斥した事例(公売公告処分/棄却)

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所得税法関係

株式を取得できる権利(アワード)が付与されたことに基づいて生じる経済的利益の収入すべき時期及び所得区分

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の勤務する会社が属するグループを支配する外国法人から、請求人に無償で同法人の株式を取得できる権利が付与されたことに基づいて生じる経済的利益は、当該権利が確定する諮問委員会の決定日が収入すべき日であり、雇用契約又はこれに類する原因に基づき提供された非独立的な人的役務の提供の対価として給付されたものとして、給与所得に該当するとした事例(平成12年分及び平成13年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

事業所得と認めた事例/弁護士業務に係る報酬

裁決事例要旨 裁決事例

弁護士が、弁護士会が定めた刑事弁護援助基金に関する規則に基づいて支払を受けた援助金は、事業所得に当たるとした事例(平成15年分の所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

所得区分/退職所得と認めた事例

裁決事例要旨 裁決事例

年金受給者が、厚生年金の給付水準の引下げに際し、将来の年金の総額に代えて受給した一時金は、勤務先を退職した年分の退職所得に当たるとした事例(平成16年分の所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

所得区分/営業権の譲渡

裁決事例要旨 裁決事例

弁護士業の廃業に際し共同経営者から支払を受けた金員は、営業権の譲渡によるものではなく、清算金と認められるから事業所得に当たるとした事例(平成14年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/一部取消し)

譲渡所得における取得費の意義

裁決事例要旨 裁決事例

民事再生法に基づく再生計画により、預託金会員制ゴルフ会員権につきその預託金債権の全額が切り捨てられるとともに優先的施設利用権だけのゴルフ会員権を取得した場合、その優先的施設利用権だけのゴルフ会員権の取得価額はその取得時の時価であるとした事例(平成16年分の所得税の更正処分/棄却)

株式の譲渡所得における取得価額の認定

裁決事例要旨 裁決事例

特定口座内において受入非特定上場株式等を譲渡した場合におけるその取得価額は、実際の取得価額ではなく、みなし取得価額であるとした事例(平成15年分及び平成16年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

一時所得と認めた事例/適格退職年金契約の解約に伴う分配金(退職に基因しないもの)

裁決事例要旨 裁決事例

適格退職年金制度から確定拠出年金制度への移行に際し、請求人に支払われた適格退職年金契約の解約に伴う分配金は、一時所得に該当するとした事例(1平成16年分の所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分、2平成16年分の所得税の異議決定/1棄却、2却下)

所得区分/一時所得

裁決事例要旨 裁決事例

住宅ローンの連帯債務者が、団体信用生命保険に加入していた他の連帯債務者の死亡により住宅ローン債務が消滅したことにより受けた経済的利益は、一時所得に当たるとした事例(1平成15年分の贈与税の更正の請求に対してされた更正処分、2平成15年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/1一部取消し、2棄却)

税額の計算/算出所得税額から控除する源泉徴収税額

裁決事例要旨 裁決事例

所得税の確定申告において、源泉徴収義務者が過大に徴収した源泉所得税の額を算出所得税額から控除することはできないとした事例(平成14年分〜平成16年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

みなし配当の源泉徴収

裁決事例要旨 裁決事例

事業協同組合の組合員の死亡脱退により生じた持分払戻金に含まれるみなし配当相当額について源泉徴収義務があるとした事例(平成13年3月、平成15年7月及び平成15年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分/棄却)

事業所得/農業所得の課税の特例

裁決事例要旨 裁決事例

農業を営んでいない者は、肉用牛の売却による農業所得の課税の特例(いわゆる肉用牛の免税制度)を適用することはできないとした事例(平成14年分〜平成16年分の所得税の各更正処分、平成14年分及び平成16年分の過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

収用等の場合の譲渡所得の特別控除/買取り申出の時期

裁決事例要旨 裁決事例

租税特別措置法第33条の4第3項第1号に規定する公共事業施行者とは事業認定を受けた後の事業者であると限定的に解することはできないとした事例(平成15年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)

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法人税法関係

益金の額の範囲/売買代金の返還とした事例

裁決事例要旨 裁決事例

有価証券の売買契約において、条件付で売買価額を決定し、条件不成就ならば代金の一部を返還することとしている場合、条件不成就により返還された金員は、譲受人に発生した損害の補てん金ではなく、売買代金の返還であるとした事例(平13.4.1〜平16.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/全部取消し)

実質的に金銭の貸借であると認められるリースバック取引

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の行うリースバック取引が法人税法施行令第136条の3第2項に規定する実質的に金銭の貸借であると認められる一連の取引に該当するとした事例(平14.4.1〜平16.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分、平14.4.1〜平16.3.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

貸付金の利率/無利息貸付金に係る通常の利率の算定

裁決事例要旨 裁決事例

複数の借入金がある場合において、当該各借入金が貸付金の原資となっていると認められるときは、当該各借入金の利率を加重平均した利率をもって当該貸付金に係る通常の利率とすることに合理性があるとした事例(平13.8.1〜平16.7.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/全部取消し)

過年度仮装経理の修正損益の帰属事業年度

裁決事例要旨 裁決事例

本件事業年度の損金の額に算入した過年度棚卸資産廃棄損は、本件事業年度前の仮装経理における棚卸資産過大計上額であって、本件事業年度において生じた損失ではないから、本件事業年度の損金の額には算入されないとした事例(平14.4.1〜平15.3.31の事業年度の法人税の更正処分/棄却)

寄附金/債権放棄

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が債権を放棄した時点において、債務者は70パーセント完成した建物を有しており、その処分につき請求人を含めて協議中であったから、当該債権が回収不能であったとは認められないとした事例(平15.1.1〜平15.12.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平15.1.1〜平15.12.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)

移転価格課税における推定規定の適用事例

裁決事例要旨 裁決事例

租税特別措置法第66条の4第1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類が原処分庁の要求後遅滞なく提出されておらず、原処分庁の行った独立企業間価格の推定も適法であるから、同条第7項の推定規定を適用して移転価格課税を行った原処分は適法であるとした事例(平11.1.1〜平15.12.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

タックスヘイブン対策税制

裁決事例要旨 裁決事例

海外のF島に本店を置くG社が、0%から30%までの間の税率を選択できる制度を利用して26%の税率を選択して納付したF島の法人所得税については、法人税法第69条第1項に規定する外国法人税に該当せず、G社は租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に該当するとした事例(平13.4.1〜平16.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/一部取消し)

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相続税法関係

相続税の課税財産の認定/有料老人ホームの入居一時金等

裁決事例要旨 裁決事例

有料老人ホーム入居時点において入居者が有することとなる入居者の死亡又は入居契約の解約権の行使を停止条件とする金銭債権は相続財産に該当するとした事例(平成14年8月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)

相続税の課税財産の認定/借地権

裁決事例要旨 裁決事例

借地権者の地位に変更がない旨の申出書を提出後その土地の所有権者が建物を建て替えた場合その借地権は所有権者に無償で返還され消滅している旨の請求人の主張を排斥した事例(平成17年7月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

相続税の課税財産の認定/占用権

裁決事例要旨 裁決事例

河川法第24条の規定に基づく河川区域内の土地の許可占用権は相続税の課税財産に該当し、その価額は財産評価基本通達87−5により評価するのが相当であるとした事例(平成14年2月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)

負担付贈与に係る課税価格

裁決事例要旨 裁決事例

負担付贈与された土地及び建物の価額は、土地については公示価格に基づいて算出する方法により、建物については再建築価格を基準とした価額から、建物の建築時からその経過年数に応じた減価又は償却費の額を控除して算出する方法によるのが相当であり、また、連帯債務に係る負担額は、債務者間に特約がなく、各債務者が実際に受けた利益の割合で連帯債務の負担をすることを認識していたと認められるから、その割合に応じた額になるとした事例(1平成15年分の贈与税の更正の請求に対してされた更正処分、2平成15年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/1一部取消し、2棄却)

土地の評価/広大地の評価

裁決事例要旨 裁決事例

財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める「その地域における標準的な宅地の地積」については、1河川や山などの自然的状況、2行政区域、3都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、4道路、5鉄道及び公園など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等が概ね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域における標準的な宅地の地積に基づいて判断するのが相当であるとした事例(平成14年9月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)

医療法人の出資持分の評価

裁決事例要旨 裁決事例

医療法人の定款を変更し、退社時の出資の払戻額及び解散時の出資の払戻額を払込出資額に限る旨定めたとしても、出資持分の価額は、払込出資額により評価するのではなく、財産評価基本通達194−2の定めに基づき評価するのが相当であるとした事例(平成14年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)

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消費税法関係

課税資産の譲渡等の対価の額

裁決事例要旨 裁決事例

新築アパートに係る消費税及び地方消費税の還付申告に対し、課税売上げの基となった新築アパート完成見学会のための賃貸借契約は架空であるとしてなされた更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例(平16.1.1〜平16.3.31の課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分/棄却)

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印紙税法関係

課税物件/非課税となる「営業に関しない受取書」の意義

裁決事例要旨 裁決事例

駐車場等として賃貸していた土地の譲渡に係る受取書は、非課税となる「営業に関しない受取書」に該当しないと判断した事例(印紙税の過誤納確認申請に対してされた印紙税過誤納確認をしないことの通知処分/棄却)

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国税徴収法関係

第二次納税義務

裁決事例要旨 裁決事例

「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」に該当しないとする請求人の主張を排斥した事例(第二次納税義務の告知処分/棄却)

差押処分

裁決事例要旨 裁決事例

差押処分の取消しを求める理由として滞納処分の停止事由に該当する旨の請求人の主張を排斥した事例(差押処分/棄却)

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