裁決事例集 No.47

国税通則法関係

後発的事由

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が収受した立退料等に関する納税申告の適否に端を発して関与税理士が請求人を相手として提起した慰謝料請求等事件に係る判決の言渡し(請求人敗訴)があったことを理由に、当該立退料等につき租税特別措置法第37条の適用があるとしてなされた更正の請求には、理由がないとした事例(昭和59年分所得税/棄却)

基礎となった事実関係に関する判決等

裁決事例要旨 裁決事例

土地の譲渡につき、当該土地の前所有者の買戻しの予約完結権を侵害したとして、損害賠償の訴えがあり、これを認める判決があっても、当該判決は、国税通則法第23条第2項に規定する「課税標準等又は税額等の基礎となった事実に関する訴えについての判決」には該当しないとした事例(昭和55年分所得税/棄却)

還付金の充当処分と延滞税

裁決事例要旨 裁決事例

法人の欠損金の繰戻しによる還付金の充当適状日は、税務署長が還付の決定をした日であるから、同日までの日数に応じた延滞税を含む滞納国税への充当処分をしたことは適法であるとした事例(平成4年8月21日付でされた還付金の充当処分/棄却)

正当な理由

裁決事例要旨 裁決事例

納税相談に際し、請求人は買換えであることを申し出ていない等の状況の下で、担当職員が請求人提示資料中の、登記済権利証添付書類の内容についてまで十分検討しなかったとしても、国税通則法第65条第4項に規定する過少申告加算税を賦課しない場合の正当な理由があるとは認められないとした事例(平成3年分所得税/棄却)

正当な理由

裁決事例要旨 裁決事例

修正申告のしょうようがあった後になされた修正申告書の提出は、国税通則法第65条第5項に規定する調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたというべきであるとした事例(平成3年1月1日〜平成3年12月31日課税期間分消費税/棄却)

正当な理由

裁決事例要旨 裁決事例

法人税の申告期限延長の特例適用を受けていることをもって、消費税の期限後申告について、正当な理由があるとはいえないとした事例(平成4年1月1日〜同年12月31日課税期間分消費税/棄却)

売上原価の返品に係る仕入税額控除

裁決事例要旨 裁決事例

消費税施行前に販売した商品につき返品があったかのように仮装して、消費税額の還付を受けたことに対し、重加算税を賦課したことは適法であるとした事例(昭和63年5月1日〜平成元年4月30日課税期間分消費税/棄却)

請求理由と審理の範囲

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が調査手続の違法のみを争った事件で、処分の内容も審理し、所得税の更正処分の一部及び重加算税の賦課決定処分の一部を取り消した事例(平成元年分所得税の更正、昭和61年、63年、元年分及び2年分の所得税の重加算税の賦課/一部取消し、他/棄却)(昭和61年分以後の青色申告の承認の取消処分、昭和61年〜平成2年分所得税(更正処分、重加算税の賦課決定処分)、平成2年1月1日〜同年12月31日課税期間分消費税(更正処分))

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所得税法関係

配当所得の計算上の負債利子

裁決事例要旨 裁決事例

配当所得の金額の計算上収入金額から控除すべき負債利子については、名義書換えをしていない株式に係る負債利子であっても、当該負債により取得した株式以外の配当収入金額からも控除することができるとした事例(平成3年分所得税/全部取消し)

株式の現物出資に係る譲渡所得の収入金額の評価

裁決事例要旨 裁決事例

本件有限会社に対する上場会社株式の現物出資に係る譲渡所得の収入金額は、その出資により取得した出資持分の価額であり、この価額は、本件有限会社の状況等に照らし、純資産価額によって評価するのが相当であるとした事例(平成元年分及び平成2年分所得税/棄却)

不動産の譲渡による収入金額

裁決事例要旨 裁決事例

他の相続人らに支払われた金員は代償債務の支払であり、請求人の譲渡収入金額から控除することはできないとした事例(平成2年分所得税/棄却)

離婚と譲渡所得

裁決事例要旨 裁決事例

離婚に伴う裁判上の和解に基づき居住用土地の2分の1を分筆して相手方に所有権の移転登記をしたことにつき、離婚を機会に行った請求人らの共有に属する土地の共有物分割であり、譲渡所得は発生しないとした事例(昭和63年分所得税/全部取消し)

譲渡収入金額の収入すべき時期

裁決事例要旨 裁決事例

土地の売買契約の締結日において、前受金等として売買代金の3分の2に相当する金額が授受され、所有権移転登記に必要な書類の全てが引き渡されるとともに、同日所有権移転登記もなされている本件において、土地の引渡しは同日になされているものと認められ、当該土地の譲渡所得は、同日に発生するとした事例(平成2年分所得税/棄却)

取得価額の認定

裁決事例要旨 裁決事例

譲渡所得の計算上、資産の取得のための借入金の利子のうち、当該資産を居住のために使用開始した日の後の期間に対応する部分の金額は、資産の取得費に該当しないとした事例(平成元年分所得税/棄却)

同族会社の行為又は計算の否認

裁決事例要旨 裁決事例

建物を同族会社に賃貸して、同族会社が又貸しによって得た収入に比し極めて低額又は零円の賃貸収入を得ている場合において、所得税法第157条を適用して行為・計算を否認してされた更正は、適法であるとした事例(平成元年分、2年分、3年分所得税/棄却)

買取り申出の時期

裁決事例要旨 裁決事例

S線P・T間線路建設工事のための借家権の譲渡は、最初に買取りの申出があった日から6か月を経過した日後に行われているので、租税特別措置法第33条の4の適用はないとした事例(平成3年分所得税/棄却)

事業用資産の判定

裁決事例要旨 裁決事例

譲渡された土地は、譲渡を前提として一時的に短期間貸し付けられたものであり、租税特別措置法第37条第1項に規定する事業用資産(租税特別措置法施行令第25条第2項に規定する事業に準ずるものを含む。)とは認められないとした事例(平成元年分所得税/棄却)

居住用財産の譲渡の判定

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が、従前家族とともに居住していた借家の近くに取得したマンションは、譲渡時点においては、生活の本拠として認められないので租税特別措置法第35 条の適用はないが、かつての居住状態から、同マンションを生活の本拠と理解していたことは相当の理由があると認められる等から、重加算税の賦課は相当でないとした事例(平成2年分所得税/更正は棄却、賦課決定は一部取消し)

株式譲渡損失の損益通算と信用取引

裁決事例要旨 裁決事例

株式、転換社債及び新株引受権を売買したことによる損失は、租税特別措置法第37条の10に規定する株式等に係る譲渡所得等に該当するので損益通算はできず、信用取引は同条の適用対象外である先物取引に該当しないとした事例(平成3年分所得税/棄却)

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法人税法関係

損金の帰属事業年度

裁決事例要旨 裁決事例

請求人は、請負工事に係る工事現場から排出される残土等を所有地に搬入して、土石等を選別採取する一方、コンクリート廃材等を廃棄物処理施設に搬出しているが、後者の割合は極めて少量であるから、搬入時点で処理はいったん完了したものと認められ、当該処理費用を請負工事に係る工事原価として見積計上することはできないとした事例(平成3年1月1日〜同年12月31日事業年度法人税/棄却)

手数料、謝礼金

裁決事例要旨 裁決事例

仕切売買の方法によってなされた不動産売買に関して支払われた企画料名目の金員は、譲渡委任に基づく報酬と認められるから、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入されるべきものであるとした事例(平成元年8月1日〜平成2年7月31日事業年度法人税/全部取消し)

ゴルフ場用地を取得するために要した仲介手数料等

裁決事例要旨 裁決事例

ゴルフ場開発事業について、その許認可及び土地の取得を請け負った法人が支出した、[1]工事設計申請業務の委託料及び[2]環境影響調査委託手数料等の額は、ゴルフ場開発のために要した費用として棚卸資産に計上すべきであるとした事例(平成2年10月1日〜平成3年9月30日事業年度/一部取消し、他/棄却)(昭和63年10月1日〜平成元年9月30日事業年度法人税、平成元年10月1日〜平成2年9月30日事業年度法人税、平成2年10月1日〜平成3年9月30日事業年度法人税及び法人臨時特別税)

報酬と賞与の区分

裁決事例要旨 裁決事例

役員報酬の一部を未払金として経理し、その未払金を一般の賞与支給時期に支払うなどしていた事例につき、当該未払金に相当する金額は、臨時的な給与と認められ、役員賞与に該当するとした事例(平成元年10月1日〜平成2年9月30日事業年度、平成2年10月1日〜平成3年9月30日事業年度法人税/棄却)

関係会社への損失補てんの寄附金への該当性

裁決事例要旨 裁決事例

関係会社に損失が生じたときには請求人がその損失の一切を賠償する旨の契約書を作成し、この契約書に基づきした損失補てんは寄附金に該当するとした事例(平成2年10月1日〜平成3年9月30日事業年度法人税、法人臨時特別税/棄却)

欠損金の繰戻し還付請求

裁決事例要旨 裁決事例

期限後に提出された欠損金の繰戻しによる還付請求は、当該事業年度の減額更正、前事業年度の増額更正という処分があった後にされたものだからといって、法人税法第81条の規定する要件を満たすものではないとした事例(平成4年10月30日付欠損金の繰戻しによる還付請求に理由がない旨の通知/棄却)

源泉徴収義務の存否

裁決事例要旨 裁決事例

役員に対し、使用人分の退職金を支給するに当たり、使用人兼務役員の期間中も自社の退職給与規定の対象となると誤解して支給した場合において、当該部分の支給は、根拠を有さないもので、支給されたものとみることはできないとして、源泉所得税の納税告知処分を当該部分につき取り消した事例(平成2年9月分、平成3年5月分源泉所得税/一部取消し)

国内源泉所得

裁決事例要旨 裁決事例

代表取締役の国外における勤務に係る報酬は、国内源泉所得に該当するとした事例(平成2年1月分〜同年6月分、平成3年1月分〜平成4年6月分源泉所得税/棄却)

国内源泉所得

裁決事例要旨 裁決事例

外国法人の標章及びシンボル・マークをサングラス・眼鏡枠に不正に使用したことを理由とする損害賠償請求訴訟事件に関して、請求人が外国法人に支払った和解金が、国内源泉所得として源泉徴収の対象となるとした事例(昭和63年12月分〜平成4年3月分源泉所得税/棄却)

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相続税法関係

交付した小切手は預け金か

裁決事例要旨 裁決事例

被相続人が相続開始後認知された子Mに渡した小切手(額面45,000千円)は、預け金ではなく、Mに贈与されたものであり、相続財産に属さないと認定した事例(平成2年分相続税/全部取消し)

株式の帰属

裁決事例要旨 裁決事例

相続開始直前に行われた本件株式の売買は、仮装の売買と認められ、本件株式は相続財産であるとした事例(平成2年分相続税/棄却)

立退きに係る支払債務の債務控除

裁決事例要旨 裁決事例

相続財産の額から控除される債務に関し、貸宅地の立退きの合意は相続開始後であり、請求人は申告上当該宅地を貸宅地として評価していること等から、立退きに係る支払債務は確実と認められる債務に該当しないとした事例(平成2年分相続税/棄却)

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消費税法関係

仕入税額控除の適用

裁決事例要旨 裁決事例

本件課税期間の課税売上割合が零パーセントであり、控除税額の計算方法として一括比例配分方式を選択しているから、本件課税期間に係る控除対象仕入税額は零円となるとした事例(平成4年8月19日〜平成4年10月31日課税期間分消費税/棄却)

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